急増するシニア起業!50代、60代で起業する人が増えている理由

シニア起業やシニアの活用が日に日にピックアップされる背景

いろいろなメディアでシニア活用やシニア起業という言葉をみるようになりました。その背景には一体どのようなものがあるのでしょうか?

希望者に対する企業に対する65歳までの雇用延長が義務付けられたこと

老齢年金の支給開始年齢が財政の問題もあり、70歳前後まで引き上げられる可能性があることなどの現実的な問題があります。もちろんその背景には、圧倒的な構造の変化があるわけです。寿命自体が長くなっていること、人口減少による働き手の不足、国の財政の問題などです。過去の60歳引退という考え方は、確実に過去のものとなっています。新しい時代にあって、シニアはどのように考えるべきなのか。

一般的に多くのサラリーマンは、入社20年、年齢的に45歳前後で昇進の壁にぶつかることがよくあります。45歳前後を境にして、それ以降に大きくポジションが上がっていく人というのは稀であるということです。このような方が8,9割を占めているのではないでしょうか?では、このような方はどのようにすればいいのでしょうか?もちろんどんどん会社内の条件は悪くなるものの、その会社に居続けるということも1つの選択でしょう。ただ、仕事の内容は相対的につまらなくなるかもしれませんし、何よりも条件がよくなることはまずなかなかなく、年々悪くなっていきます。そこで、自ら起業するつもりで、準備をはじめることを是非おススメしたいと思っています。

定年や人生の残りを考えた場合、働かないという選択肢もありますが、働く場合の選択肢としては、主に3つです。

再雇用

再雇用の場合には、給与が大幅に下がること、やりたいと思う仕事でないこと、部下だった人が上司になることなど、なかなか納得できないこともあり、選択しない方も多くいます。モチベーションの維持がとても難しいわけです。

再就職

再就職のポイントとなるのが、自分がこれまでやってきたことを生かすような仕事がしたいと思ったものの、なかなかそのような仕事に就けないということです。また、希望給与と提示給与が合わないこと、50歳前後の年齢で新しい職場に属してということで会社のカルチャーしかり、役割がフィットしないという方もおられます。

起業

上記の2つの選択肢の可能性が薄いとなると、起業しかないということになります。最初から起業を考えている人はかなりの少数派です。ただ、メディアはじめ、皆さんが持っている起業のイメージと、シニア起業は同じ起業ですが、内容や目指す部分、起業の仕方は全く違うと思ってください。

シニア起業のわかりやすい特徴として下記があります。

お金<やりたいことをやりたい、社会貢献、働くことがしたい
1人での起業が圧倒的に多いこと
事業の拡大<事業を薄く長く行うこと

の3つの特徴があります。

若い人の起業は、上記の反対になることが多いです。事業拡大をとにかく目指し、たくさんの仲間を採用しつつ、大きな会社をつくりたいなどということです。シニア起業とは動機にしても、モチベーションにしても異なるわけです。起業を結果としてしなくても、起業する覚悟で準備をして、棚卸や、新しいスキルの習得をすること自体は、確実に転職するにあたっても良い結果となることだと思います。

また、転職した後にやはり自分でやりたいという想いも出てくるかもしれません。その場合にも良い結果となります。20年近く会社での仕事の経験がある人であれば、ご自身はどのように思っているかはさておき、相対的に良い経験やスキルを持っている場合が多いです。この経験やスキルを求めている会社はたくさんあります。会社との仕事の仕方は雇用関係でも、顧問でも、コンサルでもよいと思います。

大切な発想としては、しっかりと自分の経験やスキルを一層磨いていくことと、マーケット(市場)からみた場合に、どのような経験やスキルが求められているのか?というマーケット感覚を養っていくことだと思っています。同じ会社で働いているだけでは、自分のマーケット価値に気づきにくく、悪い意味で自信を持つことができていない人がたくさんいます。起業か転職かいずれにしても、自分の残りの人生をどのような価値観を持って生きていくのか?ということを考えるということが問われているのだと思います。

その結果が起業なのか、転職なのか、また今では副業や複業という考え方もありますので、100か0ということもないんだと思います。ただ、決定的に健康寿命が延びています。そのため、人生における現実的に必要なお金の量も増えています。ただそのお金だけの意味ではなく、人生が長くなるわけなので、人生の生きがいを持つことが人生を豊かにするポイントに一層なるわけです。その生きがいについての選択肢が複数化しているのではないか?と思います。

こちらも合わせてお読みください
【第1回】シニア起業で勝ち組になる秘訣〜定年前の心構え〜

事業承継のできない会社や事業を買い取って経営者になるという選択肢

下記日経新聞より
中小企業の廃業が増えている。後継者難から会社をたたむケースが多く、廃業する会社のおよそ5割が経常黒字という異様な状況だ。2025年に6割以上の経営者が70歳を超えるが、経済産業省の分析では現状で中小127万社で後継者不在の状態にある。
日本経済新聞:大廃業時代の足音 中小「後継未定」127万社 より引用

ある意味127万社のお宝が余っている状況なのです。起業というのはいくつかの種類があります。メルカリのように僅か数年で時価総額7,000億円超の超巨大企業になるような起業もあれば、自分1人で粛々とやっていくものまでです。シニアの起業というのは、後者にとても馴染みます。またシニア起業の基本は、自分の培ってきた力や経験を利用することです。(詳細は後述します。)それは、今までの力や経験をうまく活用することで、事業としての成功確度が高くなるからです。でも、実はもっとよい方法があるのです。それが、既にやっている会社や事業を引き継ぐという選択肢なのです。M&Aなどというとても仰々しいですが、日本にはここから新しい形の起業が間違いなく増えます。それが、この事業承継がうまくできない会社や事業を個人が買ってそのまま引き継ぐという形です。
必ずや主流になる話だと思っています。

こちらも参考に
サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい 人生100年時代の個人M&A入門

また、スモールビジネス、中小企業向けのM&Aのマッチングサイトも活況です。
こちらのサイトを参考に トランビ / &biz

シニア起業のポイントを理解する

シニア起業のよいところ

培ってきた経験を活かす事が出来る
まずは、シニアの方が、これまでの自分の人生で、どのような経験をし、どのようなジャンルに対するスキルがあるのか?また、どのような人達と人脈があるのかを考える事が大切です。それによって、事業の成功にも繋がりやすいと言えます。長年の、経験や人脈、スキルなどによって得たご自身の大切なものを、起業に役立てる事が出来るのは、若者や中高年の方に比べると圧倒的に高いと言えます。定年したからと言って、もう終わりとするよりも、せっかく得た知識や経験などを活かせるのはシニアの皆さんだけですので、是非その大切な宝物を今後の人生にも活かして頂きたいです。

資金面で考えると、若い人よりも有利
若い内に起業しようと思っても、大体の方には資金不足で諦めてしまうことが多いでしょう。起業するには、規模にもよりますが、ある程度の資金力がどうしても必要となります。シニアの方たちは、長年勤めてきた期間からすると、持っている資金も多いと考えられます。やりたい事業があっても、ある程度のお金がなければ始める事はできません。そう言った観点からすると、シニア世代だからこそ起業に踏み切りやすいとも言えるのではないでしょうか。

シニア起業で気をつけるべきポイント

家族や周囲のサポートの有無
定年退職をしました。子育ても一息ついてホッと一安心。これからは、もう少し自由に暮らして行こうと考えていた夫婦がいたとします。しかし、どちらか片方が、いきなり「起業するぞ!」と言っても、相手がすぐに「わかりました」と納得するでしょうか?中には、老後の為に貯めていた資金に手をつけてまで、いきなり会社を作ると言われると困惑する方もいらっしゃると思います。また、起業すると言っても、1人で生きているわけではありませんから、様々な観点から見てみても、家族の理解を得て、サポートをして頂く事はとても大切な事です。

起業時の初期投資額(退職金の問題)
シニアで定年後や早期で退職されてから、起業される方も多いと思います。その場合、大体がある程度の自己資金をお持ちの方が多かったり、退職金として、資金を持っている方の場合、その資金を使って起業されるケースが多数です。その場合はなるべく、大きな設備や、固定費などではなく、規模を小さめにし、起業する事をオススメします。そうする事により、老後の為の資金がなくなってしまう!などのリスクを回避する事が出来るからです。小さめに始め、軌道に乗ってこれば、そこで大きく成長して行く事も可能ですので、参考にしてみて下さい。

シニアだからこそ必要な健康管理
同じ人間と言っても、やはり長年生きてきたシニア世代の方は、若い人に比べて体調を崩しやすかったり、病気になる確率が上がると言うのは避けられない現実です。いざ起業したとしても、ご自身が体調を崩されては、会社の運営もままなりません。持病がある方は定期的に検診を受けたり、健康な方でも、しっかりと健康診断を受ける事が大切です。また、普段から食べる物にも気を配る事も重要なポイントと言えます。是非、ご自身に合った健康法などを使って、健康管理を行う事をオススメします。

以前の仕事上の立場とのギャップ
ずっと長年会社勤めをされてきた方は、ある程度の役職などがついていた方も多いと思われます。社内で段々偉い立場になると、社内では部下に頭を下げると言う事もないでしょう。しかし、起業すれは、ご自身がその会社の顔となります。取引をする相手の会社側にも、頭を下げたり、下手に出てお話をする事も必要となってくる事でしょう。また、社員などを雇用する場合も、偉そうにしていたり、前の会社ではこうだったから、これで通用するだろうと思っていては、離れて行ってしまうかもしれません。従業員がいなければ運営して行く事が出来ない場合、その従業員がいなくなってしまっては、会社にも影響が出るのは必至です。今まではこうだったと言う固定観念から解放され、ご自身はどのような会社や社内の空気などを作りたいのかも検討する事は、とても大切な事と言えます。

時代の流れを掴む柔軟性のある思考力
シニア世代の方たちが、若かった時代の頃よりも、インターネットを含め、便利な物が世の中には沢山、出回っています。その中には、逆にシニアの方にとっては「昔はこんな事をしなくても良かったのに、なぜ面倒を増やす事をするのだ」と思われる事もきっと多いのではないでしょうか。しかし、時代は流れて行くもので、どんどん見慣れないサービスや、機械なども導入して行く時代です。昔はこうではなかった!と頑固な考え方をしていれば、時代に取り残される事もあります。ですから、変化を認めると言う柔軟性のある思考力と言うのも、おのずと必要となってくるでしょう。

シニアのための優遇制度(資金・補助金・助成金など)

女性、若者/シニア起業家支援資金
政府系機関である日本政策金融公庫から、シニアの起業を応援する融資制度があります。シニアの方は55歳以上が対象となっており、借りられる金額は最高で7200万円となっています。こちらは支店がありますので、お近くで検索して見ると良いでしょう。
参考サイト:「日本政策金融公庫の女性、若者/シニア起業家支援資金」


一般社団法人・日本シニア支援機構
こちらは一般社団法人と言う団体が行っています。経営の改善を支援したり、様々なセミナーなども開催されています。こちらでは、シニア層の方々が生涯現役で活躍する事で日本経済が発展する事や、シニアの方々が生き甲斐を持った人生を送れる事を目的としていますので、参考にしてみて下さい。
参考サイト:「一般社団法人・日本シニア支援機構」


生涯現役起業支援助成金
こちらは厚生労働省が行っている助成金の支援制度です。対象となる年齢は40歳以上となっています。また助成金の金額の上限ですが、40歳から59歳までの方は150万円となっているのに対し、60歳以上の方は200万円と、50万円の差があります。
参考サイト:「厚生労働省内、生涯現役起業支援助成金」

「東京都/創業サポート事業」
こちらは東京都内で地域に根ざした創業を、セミナーや、融資などによってシニアの方の支援を行っています。融資に関しては最大で1500万円となっています。
参考サイト:「東京都、女性・若者・シニア創業サポート事業」

「福岡県70歳現役応援センター」
こちらでは高齢者の方の就業や社会への参加を支援しています。セミナーなども開催されていますので参考にしてみて下さい。
参考サイト:「福岡県70歳現役応援センター」

「ひょうご産業活性化センター」
こちらでは、シニア起業家支援事業と題して、起業や、第二創業を目指すシニアの方々に向けた補助金などの支援制度を設けております。
参考サイト:「ひょうご産業活性化センター」

シニア世代の起業が増えてる?

シニア起業のイメージ

2012年度に政府系金融機関である日本政策金融公庫が発表した新規開業実態調査でシニア世代の起業について調査がされています。 まず、シニア世代の起業は何をきっかけに行われているかという調査結果では、起業動機は以下の3つが多いということが分かります。 (複数回答可なので合計で100%を超えています)
51.1% :仕事の経験・知識や資格を生かしたかった 36.2%: 社会の役に立つ仕事がしたかった 36.2%: 年齢や性別に関係なく仕事がしたかった

これを見ると、社会経験を長年積んできたことで、経済的なゆとりもあり、それなりに貯蓄もある人がシニア起業家になっているということが分かります。 こうしたシニア起業家の多くが、「定年をむかえたからといって、ただ引退するのはせっかくこれまで頑張って能力を身に付けてきたのに…」や「(経済的にゆとりがあるからこそ)これまで想い描いてきた夢を実現して社会の役にたつためには起業するほうが自分の思いを完璧に反映させることができる」など、情熱を忘れない人ばかりだと言えます。

シニア世代の起業成功例

シニア仕事のイメージ

シニア世代の起業といってもその事業形態は起業を考えて実行する方によって様々です。 日本で唯一の公的経営コンサルタント資格である中小企業診断士協会によると、「定年後に永年の夢や趣味を事業化して始めるビジネス、企業戦士として身につけてきたノウハウや経験をもとに早期退職優遇制度などを活用して定年前に始めるビジネス、地域やコミュニティの課題解決のためにビジネスとして立ち上げるなど、多種多様な事業形態となっている。」 といいます。

さて、中小企業診断士協会の調査の中から、シニア世代の起業の成功例を5つほど挙げてみますので見ていきましょう。 ただ、事例が必ずあなたの起業に役に立つわけではないでしょうから、あくまで参考として考えていただいて、あなたならではのオンリーワンの起業方法を考えていただきたいと思います。


イサムの漉き織(代表 椿原 勇氏)
新しい事業を始める前にも、織物会社を経営し、経営の知識を着実に身に付け、投影させてきた椿原勇氏は、織物会社の後継者をしっかりと育てあげ、自身の夢であった事業をスタートさせました。 それが、長年開発に力を入れてきた和紙(紙漉き)と繊維(織り)の技術を組み合わせた「漉き織」製品を世の中に広めることでした。 学び シニアらしい製品を事業化したことが成功の秘訣になっています。
椿原氏は「ひたすらニッチで高付加価値製品として受け入れられる市場を少しずつ開拓していきたい」と話しており、誰もができる事業ではなく、誰かしかできない事業をしっかりとカタチにすることがシニア世代ならではといえます。


着楽屋(代表 山下節子氏)
中古着物や着物のリサイクルを中心とした事業です。 なんと、代表の山下節子氏は、長年勤めていた会社を定年前の 58 歳で急遽退職しています。 家族の理解があったこともあり、市から起業支援の補助を受け、お店を開いています。 学び 眠っている宝の活用方法を提案していることが成功した理由といえます。着物の生地を活かした現代ファッション用品や、作務衣などへのリサイクルを企画しており、様々な世代をターゲットとした事業戦略で長期的な経営を可能にしています。


カフェ らいさー(代表 村上孝博氏)
この方は、60歳で会社を定年退職した後、職業訓練プログラムの農業や米粉パンの事について学ばれました。
その直後、東日本大震災が起き、社会に役に立つ起業を志したいと言う想いから、米粉パン&シフォンケーキの製造販売事業として起業されました。
参考サイト:「カフェ らいさー」


NPO法人エガリテ大手前 (理事長 古久保俊嗣氏)
古久保氏は元々世界を舞台に活躍してこられた元商社マンの方です。男女共同参画社会の創生に共感され、2004年に法人を設立しました。祖父の子育て参画を促進するソフリエと言うプログラムを開発し、全国の自治体との協動をし、普及を図っています。
参考サイト:「NPO法人エガリテ大手前」


愛犬のお散歩屋さん・株式会社JTL(代表 古田弘二氏)
名前からもわかるように、犬のお散歩をビジネスとして起業されました。全国のFCメンバー70名のネットワーク構築をし、3億円の年商を達成されております。
参考サイト:「愛犬のお散歩屋さん・株式会社JTL」

50代以上のシニア起業がゴリゴリ増えています

50代以上の起業家が圧倒的に増えています。人口分布ということもあると思いますが、健康寿命はもちろん、社会構造の変化もあり、個人の働くことや生きることへの価値観の変化というようなソフト面の変化と、起業しやすい雰囲気や補助政策などの仕組み、実際例なども増えてきたというようなハード面の変化が大きな原因だと思います。

定年退職前後のシニア起業の違い

シニア起業も場合分けをしてみると、会社の定年まで働かれた後で社会との関わり合いを求めることによるシニア起業もあれば、退職前に、なんとなくサラリーマンの限界やGOALが見えてしまい、色々な条件やタイミングがフィットして定年退職を待たずに退職しシニア起業を果たす人の2人に分かれるわけです。※年齢的に言えば、40代後半~50代のシニア起業と、60代のシニア起業とわけることができると思います。この2人のシニア起業家は全く違う思惑や考えを持っている場合が多いわけです。しっかりと理解をなさっておいてください。

60代でのシニア起業家の場合には、定年退職後、少し時間が経って起業を考える場合には、起業を絶対的に考えていたわけではなく、良い意味で時間があったり、社会との繋がりを持ちたい、自分の経験を社会に還元したいなどという理由かもしれません。起業ありきで考えていたわけではないので、経済的な意味で私生活には余裕がある方だと思います。

50代のシニア起業家=定年前に起業する人は、定年後に起業するシニアに比べて稼ぐことの要素もまだまだ必要です。また、事業プランなどやりたいことが比較的明確かもしれませんし、というか、明確になっていなくてはいけません。(稼ぐこともまだまだしないといけないとなると、より、事業計画の精度が問われることになります。)独立のタイミングもまた大切になります。より一般的な起業に近くなるというイメージです。

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シニア起業とは、歳を取った人の起業のことではありません

僕はシニア起業ということを、「何か特定のことに長く従事をして、一定の経験やリソースを持っている方が起業すること」だと定義しています。わかりやすく比較すると、10代の若者などの起業は基本的にはビジネスの経験はありません。経験がないことのメリットもデメリットもどちらもありますが、どのようなサイズの事業を行うのか?何をしたいのか?どの領域で事業を行うのか?ということによって、経験やリソースというものは必ず活かすことができると思っています。そのため、シニア起業と、何も経験のない若者などの起業というのは、一般的に置かれている状況や、目標は違うことが多いでしょうから、同じ起業の文脈で語ることもできれば、語ることもできないのだと思っています。

そこで、シニア起業=「何か特定のことに長く従事をして、一定の経験やリソースを持っている方」という定義で、こう考えると一般的には経験値に比例して、歳を取っているわけなので、歳を取っている方ということにもなりますが、この定義に沿って、シニア起業特有の問題や課題、処方箋など参考になる話ができたらいいなと思っています。

大抵の45歳~50歳以上の方(40歳でも同じかと!)はシニア起業に該当するだけの経験やスキル、リソースを持っていると思っています。僕がこれまでお手伝いしてきた実際に起業をしたシニア起業家をみていても、また現在起業に向けた準備に入っているシニア起業準備のサラリーマンの方を見ても決定的に基準(経験やスキル、最低限のマナーなどビジネスを成功させるための要素)が高いと感じています。

再雇用よりも起業を考えたほうがいい??

定年後再雇用されても、月収30万円を超えるような仕事に就けることはなかなかありません。実際のところ200-300万円の年収という感じでしょうか。そう考えると、月収は20万円前後となります。そこから社保が引かれたりすると、手取りはいくらになるのでしょうか?

そのように考えると、実は個人事業や会社の形で独立したほうが実は儲けることができるかもしれません。たとえば、前職などの経験を生かしたコンサルタントになるとして、 顧問契約先が月5万円-10万円の先が2-5社程度あれば、同等の収入になってしまうのです。いきなりすぐに独立というわけでなくてよいと思います。独立準備の期間1-2年を用意して見込みの顧問先などを徐々に確保しておき、起業に備えておくというやりかたもあります。独立すると、自分で時間もコントロールできますし、圧倒的な自由度もあります。年収1,000万円をとなると話は全く変わってしまいますが、年収300万円ということでしたら、個人的には再雇用などでなく、独立の準備を粛々とするという選択肢もいかがでしょうか?(年収だけの話ではもちろんありませんし、独立したら300万円以上稼ぐことも十分可能です。)

シニア起業を考えている人が自信を持つべき4つの要因

僕は2010年の創業以来、年間3,000社を超える起業に携わっています。お手伝いしている起業家の年齢比でいうと、下記のようになります。40歳以上のシニア起業家が全体の26%となっています。ここ2-3年で言えば、圧倒的に増えていて、2018年、19年、20年には、シニア起業のお客さんが30-40%になるとみています。年齢で言っても、50歳-70歳までのシニア起業のご相談が足もと本当に増えています。(下記の表には反映できていませんが。)

さて、日本でも屈指の起業支援数を誇る弊社が言うのですから、シニア起業を考えている皆さんにはもっと自信を持っていただきたいと思っています。若者との起業とシニア起業とは色合いが全く異なります。詳細は後程説明します。そのため単純比較はできませんが(目的や目標が違うので)、ただ、シニア起業を考えている方というのは相対的にご自身の目的や目標を達成しやすい状況に相対的にあると思っています。

仕事における当たり前の基準を持っている

長年のサラリーマン経験によって、自然と仕事において、一通り、基本中の基本が高いレベルでできるようになっています。僕もそうでしたが若者の起業にはこのような特性はまずありません。そのため大きく自信を持つべきだと思います。社内稟議の通し方や、社内調整の仕方、時間や規律を守ることなど当たり前にシニア起業を考えている人がやっていることが当たり前ではない環境というのがたくさん社会にはあります。僕も自ら23歳で起業をし、会社を8年やっていますと、一定の規律を導入しようと思います。その際などにいろいろな経験を持っている方に相談しながら進めたいなと思ったりします。

顧客への感謝を持っている

このこともまた相対的に際立っていると思います。誰に対しても感謝を持っている方が多いと思います。お客さんや取引先はもちろん、支援してくれる人に対しての感謝や、その感謝をただ言葉にするだけでなく、しっかりと形でお返しをされたり、行動に移される方がとても多いように思います。そのため、シニア起業家の皆さんには、とても好意的な印象をいつも勝手ながらに抱いています。

経験&スキルを持っている

ご自身は謙遜される方が多くいますが、相対的にビジネスの世界で重宝されるだろうなと思う経験やスキルを持っている方がたくさんいます。よく僕は、「〇〇さんのマネージャーをやらせてもらえれば簡単にコンサル先たくさん見つけられますよ」という話をします。それくらい中小企業やベンチャー企業が欲している力を自然と持っているシニアの方が多くいます。(ただ、シニア起業を考えている方はそのことにやはり気が付いていません。当たり前のことだと思っています。それが良いところでもあるのですが、商売という観点でいえば、やはり相手の困りごとの解決ですので、自分が持っている力で困りごとを解決できるのであれば、その提案を的確にできなくてはいけません。相手のニーズに気が付く力と、自分の力で解決できるんだということで商品やサービスをしっかりとつくり、提案を自信を持ってするということだと思います。)

社会貢献軸を持っている

長い間働かれている方が多いので、社会に対しての感謝の気持ちを強くお持ちです。そのため、自分の持っている力をして、経験を活用して、若手の育成がしたい、少しでも地域や業界、日本がよくなったらよいなと思っている方がたくさんいらっしゃって、いつも感動します。それは本当にそう思われていることなので、ボランティアに近い感覚を持っている方がたくさんいます。(利益を出すことよりも、役に立ちたいので、お金はいりませんとか、本当に最低限でよいという方が多くいます。個人的には少しは儲けてくださいねと思ってしまうのですが、本当に素晴らしい姿勢だと思っています。)

このあたりはやはり若者の起業とは相対的に違うことであり、シニア起業を考えている人の圧倒的な優位性だと思います。

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シニア起業で大切にすべき考え方のポイント

シニア起業とそうでない経験がなかなかない若者の起業というのは、多少なりとも違うということを説明しました。具体的なイメージのためにより一層深掘りをしてみましょう。シニア起業家が大切にすべき観点として、全くできないことに挑むというような発想はあまり持たないほうがいいと思います。これまでの経験の中で、今後としても未来的にも役立つであろうもの=市場が求めている経験や力にフォーカスをして、その部分を立脚点として、事業を構想したほうがいいと思っています。

※これまでやってきたを生かしてということではなく、全くの新しいことに挑むということをされたいという方は、一般的にはリスクが相当に高くなってしまうので余裕資金で行うこと=老後資金として必要な金額までも全て突っ込んでしまった、一部突っ込んでしまったというようなことがないようにしなくてはいけません。もちろん、人生をかけてどうしても大勝負したいという方もいると思います。そのような方はシニア起業ではなく、普通の起業ですので、シニア起業の本など読んでも仕方ありません。撤退基準を明確にしておくことなどルールを最初につくるべきです。何となくうまくいくだろうと、極めて楽観的な、甘すぎる計画によって財産を失っているシニア起業家をみてきました。しっかりと最初にルールをつくるべきだと思います。

ご自身の経験をとにかく生かすという視点で考えてみると、変に嘘をつく必要もなければ、やりたいこと、面白いと思うことを選択をすることが自然になります。横柄な態度をとったり、へりくだりすぎるということも違います。自分らしくいれることを意識すべきです。また若い起業家と異なり、プライベートにおける資金的な意味では余裕があると思います。そのため、とにかく稼がなくては生活がやっていけないという方は少ないと思います。(もちろん収入を稼がねばいけない人もいると思いますし、お金を稼ぐことができなければいけませんので、若い起業家との相対的な比較の話です。)そのため稼ぐということだけの軸ではなく、やりがいや自分の興味のあることにフォーカスしやすい環境があると思います。

拡大というよりは最適化を考えて事業を考えるべきです。(もちろんマストの話ではありませんし、個々の拡大のイメージも違いますので一般論です。)自分がしっかりとみることができる範囲で仕事をするということです。人を多数雇用していくことなど、事業が調子がよければよいでしょうが、基本的には固定費などをたくさん抱えるようなことはやめたほうがいいと思います。人の雇用の話だけではなく、事業の投資、どのような事業をやるのか?ということもこの基準で考えると良いと思います。大きな投資は基本的にはしない、固定費を持たないことが大切です。シニア起業に限らず、どの起業であってもそうなのですが。最近ではシェアリング経済がとてつもないスピードで拡大しています。昔と異なり、あらゆる領域でコストをかけなくても、リソースが手に入る時代となっています。うまく時代環境を理解して、良いサービスなど使っていけば、すごい投資が必要ということもなかなか選択としてはないかなと思います。

どこに立脚するかですが、ゴリゴリ、バリバリ働くという感じではありません。緩い意味ではなく、仕事なのでもちろんちゃんとせねばいけませんが、追い込まれて仕事をする必要もないんだと思います。究極的には健康第一で仕事を行うという心持が大切だと思います。

シニア起業を成功に導く3つの要素

シニア起業を考えた際に、是非下記の3要素の弁図を意識されてみてください。

  • 自分の好きなことややりたいこと
  • 自分のできることや得意なこと
  • お金がくっついてくるのか?市場としてしっかりとあるのか?

当たり前ですが、どの起業家であってもこの3つの重なり合いが大切になります。

しかし、シニア起業志望の方と話をすると、この3つを意識していることはあまりありません。自分のやりたいこと軸のみで考えていたり、自分のできること軸のみで考えていたりします。なかなか現実的なシナリオを考えていることができている人は少ない印象を受けます。

そもそも、起業と一言で言っても、全くGOALや出口は違うわけです。スケールをし続けたい(メルカリのような会社にしたい)と思っているシニア起業家はどの程度いるでしょうか?

シニア起業家の多くは、ご自身が培ってきた経験をもとにして、残りの人生を生きていきたいとかせっかくの人生なので1つ勝負をしてみたいという方が多いのではないでしょうか?また、会社員時代ではできなかったことをしてみたいと思っているのではないでしょうか?もちろん一部の方は、とにかく大きな会社を立てたいという方もいるでしょう。ただ、まず多くの方が目標にしているのは、サラリーマン時代と同じくらいか、少し多く稼ぐことができたらよいとか、給与は減っても、自分のやりたいことをしたいということではないでしょうか?そのようにまずは、自分の大きな目標や出口、GOALをしっかりと意識しなければ、どのような事業を行うのか?その事業計画が良いかどうかという議論はできないはずです。

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今こそシニア世代の力を

シニアのイメージ

ここまで、シニア世代の起業についてみてきましたが、彼らが起業で成功している大きな理由は、豊富な経験と高いスキルだと言えます。 日本の高度成長を支えたシニアの底力は凄いとしかいいようがありません。シニア世代の方には、ぜひ、これまでの経験を活かし、社会に必要な事業をどんどんスタートさせてほしいです。 若い起業家には若い起業家にしか持てない視点が存在しているように、シニアの方には人生経験が豊富である方にしか持つことのできないビジネスに役に立つ視点が間違いなく存在しているはずですから、シニアであることを十分に生かせるようなビジネスを行ってほしいと思っています。

あなたが年齢的なことにもしかしてコンプレックスを持っていた起業をすることをためらっているのであれば、その部分を逆手にとった若手起業家では考えられないような事業活動が間違いなくできるのではないかと思っています。

人口構成の最大勢力であるシニア世代のあなたにこそ・・・

政府が1億総活躍社会ということでニュースなどメディアでは女性活躍社会ばかりが取り上げられていますが、社会の人口構成の最大勢力であるシニア世代のあなたにこそ活躍していただきたいと強く願っています。
シニア世代の活躍は日本経済を活性化するだけでなく毎年のように国家財政に大きく圧し掛かってくる巨額な社会保障費や年金財政の悪化などの抑制にも繋がってくることになりますので、あなたの子供や孫のことを考えても志がある方には起業を考えていただけると嬉しく思います。

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