【第10回】シニア起業で勝ち組になる秘訣〜シニアならではのキャリアビジョンはありますか

更新日:2018.06.29

対談の内容

キャリア開発、能力開発について、丁寧に解説。シニア起業にあたって、自分の進む途を設定するのに、整理し組み立てるベースとなる考え方を知る。

キャリアとキャリアビジョンについて考える

「シニア起業支援家」の白根陸夫です。

「仕事経験」を一般に「キャリア」といいますが、これは正確な意味を伝えていません。朝9時に出社して、机の前に座って指示された通りの仕事をきちんとこなし、夕方5時に退社することを30年間律義に続けたとき、これを30年間のキャリアというでしょうか。「シニア起業支援家」はこれを「30年間のたんなる座席経験」といいます。「意識して自己能力の向上と自己実現を図ろうとして、継続して努力する結果に得られる生涯におけるさまざまな仕事経験」が「シニア起業支援家」による「キャリア」の定義です。

「キャリア」は期間で見ると大きく二つに分けて考えることができます。学校卒業から定年退職までの期間を「ファーストキャリア」。定年退職以降の期間が「セカンドキャリア」です。そして生涯における自己実現の最終目標が「キャリアビジョン」であると定義します。自身の「キャリアビジョン」と属する組織の創業の理念や会社の目的が一致していればその人の「ファーストキャリア」は充実した満足度の高いものになるでしょう。

定年退職後は組織から離れます。「セカンドキャリア」はこの時点から始まります。こうなると自身の「キャリアビジョン」は一層重要になります。人生100年時代、充実した人生をまっとうするには自身の「キャリアビジョン」を40歳代に明確にし、50歳代前半においてそれを実現させるための準備を終え、後半においてそれを実現させるための種まきをしておく必要があるのです。

人生の半ばを過ぎればこれから残りの人生を何のために生きるか、これから何をどうしたいのかを真剣に考え、答えを出さなければならない歳ごろです。これまで幸運にも生きてこられたのは多くの人々に助けられたお陰であると理解できるのもこの歳ごろです。当然のことながら、定年退職後のキャリアビジョンを設定するにあたり、社会に対するご恩返しとしてこれまでのキャリアにもとづいて「世のため、人のため」になる自分としてできる仕事を考えることでしょう。

「種まき」とは、自身の「キャリアビジョン」を知ってもらい、理解してもらえる人をできるだけ沢山つくることです。いわゆる人脈づくりです。そのためには自身が「世の中で人のお役に立ちたい!」という熱い使命感にあふれた魅力ある人物に成っていなければなりません。そのための準備は「早ければ早いほどよい」のです。

キャリアビジョン四つのタイプとは

キャリアビジョンを考えてつくるまでは楽しい作業ですが、つくっただけで実現できなければ意味がありません。「キャリアビジョンの明確さ加減」「目標到達戦略が明確で意思の強さ加減」で四つのタイプに分けることができます。もちろん成功する確率が高いのが「戦略型」です。

セカンドキャリア発想のS字カーブ

キャリア(仕事経験)において「充実感/満足感/蓄積感」の高低と加齢との関係を表したものが「セカンドキャリア発想のS字カーブ」です。


                       平成28年簡易生命表より 満60歳時点の平均余命 男23.67年 女28.91年

入社 ↗ A ↗ B ↘ C は「第一の職業の人生」を表しています。大手企業に勤める人の例です。終身雇用年功序列賃金の処遇を表しています。管理職階層の最高位に就き、年収も最高レベルに達する年齢がおそらく満55歳でBの時点でしょう。役職定年制が適用され以後無役となり、管理職手当もなくなり年収も次第に減少の一途、定年を迎えます(時点C)。

充実感/満足感/蓄積感は役職を離れるにつれ急速に低下します。「第二の職業の人生」のカーブのE、「自分の人生」のカーブのGがキャリアビジョンです。キャリアビジョンが適切に設定され、その実現に向けて「戦略型」で挑戦し続けたか否かで成果が決まることは言うまでもありません。

参考:学歴別標準車賃金表

「戦略型」に要求される能力開発とは

「戦略型」が成功する確率が高いことは事実ですが「キャリアビジョンが明確」で「目標到達戦略が明確」かつ「意思が強い」ということだけでは成功はありません。「再就職と能力開発」の図を見てください。定年前までは組織内での自身のキャリアビジョンと「会社のニーズ」の重なり合った部分に適職/天職がありました。

現状の把握(自己分析の結果)をすることによって、適職/天職に要求される能力と自身の乖離した能力の差を知り、それを埋めるものが「能力開発」でした。能力開発の方策としては企業内研修や訓練のほかに、自己啓発や自己研鑽してこの差を縮めていました。その成果は人事考課の評価ランクのアップや業績評価の査定で知ることができました。50歳になれば定年退職が目の前に迫ってきます。

組織内での適職/天職に要求される能力レベルまで自身の能力を高める努力を不断に続けながら、同時に定年退職後のキャリアビジョンを設定し「社会のニーズ」と重なり合った部分にある適職/天職と、現状の把握(自己分析の結果)によって得られた現有能力との乖離した差を自身の努力によって縮めていく努力をしなければなりません。その努力は早ければ早いほど良いのです。

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プロフィール

白根陸夫

白根陸夫
顧問塾。

自分らしく働き生涯現役で活躍するための「顧問塾」主宰
株式会社キャリア・ブレーン 代表取締役
プロフェッショナル・キャリア・カウンセラー®
エイジング・アドバイザー®/認定エグゼクティブ・コーチ

人材能力開発・雇用創造支援(業)日本におけるキャリア形成のパイオニア。
「生涯現役」を全うするための、独創的で最強のノウハウを提供しています。
日系・外資系企業数社を経験し、人事・総務並びに関連業務に関する豊かな経験と知識を蓄積。その間、社会保険労務士、産業カウンセラー、行政書士等多数の資格を取得。株式会社キャリア・ブレーン設立後、再就職支援サービスとキャリア・カウンセリングを数多く実施。アウトプレースメントビジネス立ち上げのコンサルティングの実績も豊富。
就職・転職ノウハウを確立した本邦における第一人者である。(外資系アウトプレースメント会社の日本での立ち上げ6社にノウハウを提供)
1996(平成8)年8月、株式会社キャリア・ブレーン設立、代表取締役に就任。2000(平成12)年8月、NPO/特定非営利活動法人 日本プロフェッショナル・キャリア・カウンセラー協会を設立。理事長に就任。
2008(平成20)年11月、NPO/特定非営利活動法人日本エイジング・アドバイザー協会を設立。理事長に就任。


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