「採用で攻める企業」という印象を打ち出すために

ポイント
  1. 岡本陽子の「採用で選ばれる企業になる!」 第4回(最終回)

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たとえAI(人工知能)が進化しても、まだまだ人材不足が続くとされる日本では、外国人雇用やグローバル人材雇用は注目されています。

「海外で事業はしないから必要ない」と考える経営者もいるかもしれません。しかし、行動特性や成果期待を見極める「コンピテンシー面接」を実施しても、応募した人から「現状を維持するだけで何もチャレンジしない企業だ」と見なされると、人材が集まるわけがありません。これからの人材採用に積極的に取り組む「攻める企業」として発展を目指すために、やるべきことについて考えていきます。

外国人雇用がもたらす多様性のメリット

日本人同士でも考えや価値観の違いでトラブルが多いのに、「日本と異なる文化・風習を持つ外国人を雇用して、本当に定着させられるのだろうか」――。こう疑問に思う経営者も多いことでしょう。若い経営者であればまだ適応能力はあるかもしれませんが、40代以上の経営層になると、受け入れ方に戸惑い、接し方がわからないことが多いのではないでしょうか?

そんなときは、仕事上は全く異なることをしていても、過去に海外留学経験を持つスタッフや、よく海外旅行に行って現地の人とフランクに話すことが好きなスタッフを教育担当者として配置すると、経営層と外国人スタッフの間で仲介役になってくれるケースがあります。

TOEICの点数が700点以上ある、などはあまり関係ありません。連載第3回の「コンピテンシー面接」の記事でも書いたように、学力よりも考え、学び、行動した経験値の豊富さが大事だからです。

今すぐ外国人雇用しなくても、外国人と触れ合う機会が多いスタッフを採用しておくことは、企業発展のために必要であり、貴重な存在価値となります。

グローバル人材の雇用は海外だけの話ではない 

「グローバル人材」というと、海外で働いている人のことを想像する方もいるでしょうが、実際は「国際社会の中で、言語・文化・価値観の異なる人々と意思・感情・思考を伝達しあい、主体的に課題を解決していくことができる人」を指します(引用:デジタル大辞泉)。

即効性のある成果はなくても、多様な人材交流が人間力を深めることができることがグローバル人材の在り方であり、多様な人材をまとめる力はマネジメント力にもつながります。3年後の未来も予測できない時代の中で、仕事の賞味期限はおよそ3〜5年だといわれています。今の経営状況は良くても、新しい展開をしないで数年後も同じ状態が続くことは、可能性としては低いでしょう。

だから変化に対応するための、多様な文化に対応できるグローバル人材は貴重な存在になるといえます。

日本企業にはグローバル化ができていない、そもそもグローバル化は考えていないという企業もあります。しかし冒頭でも述べたように、チャレンジしない企業に応募者がついてくるわけありません。チャレンジしない企業として一度イメージがついてしまうと、なかなかそのイメージを克服することは困難です。

今は個人が企業を選ぶ時代です。その選び方はウェブを通じて、良い情報、悪い情報をともに知ることができます。ひと昔前のキレイな情報だけがあふれている時代ではなくなったのです。会社の社内事情が簡単にSNSで拡散され、社内と社外の垣根はなくなっています。

いかに社員を大切にしている会社か、多様な人材を受け入れている企業かを、これからの時代はもっとシビアに判断されていきます。

そうなると、「守りの企業」は社会からも、応募者からも見向きをされなくなり、衰退していきます。いわゆるブラック企業と言われる企業も衰退か、改善して変化をして形を変えています。そうせざるを得ない環境にシフトしているからです。

個人から「イキイキと働ける!」と評価される企業

だからこそ、選ばれる企業になるための採用方式を取り組まなければなりません。学歴や資格にこだわるよりも、考え・学び・行動した経験値からくる成果期待を見極めるコンピテンシー面接や、外国人雇用・グローバル人材雇用に取り組む必要があります。

そして社内からも社外からも、社員を大切にし、社員がイキイキと活躍できる企業として認められることが、大手企業でなくても個人から選ばれる企業になります。

選ばれる企業は人材も安定していきます。また自然と生産性もアップしていきます。なぜなら自身がイキイキ活躍できる企業だからです。すると、売り上げもアップしていくことになり、企業の繁栄につながります。

もし社外の評判が悪いというのであれば、まずは社内環境から整えていく必要があるかもしれません。社内環境を整えることは、選ばれる企業への第一歩になるのです。

小規模法人の新卒採用をテーマとして全4記事を読んで、少しでもあなたの企業が必要とされる企業になるためのヒントが見つかりましたでしょうか? 

個人から選ばれ、社内からも社外からも愛される企業になれば、きっと今より必要とされる企業へと成長しています。

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