【第23回】シニア起業で勝ち組になる秘訣〜売り出しに必須アイテム・名刺代わりの著作本
- 名刺代わりの著作本とは
- なぜ著作本が必要か
- 出版の4パターン
シニア起業支援家 白根陸夫の創業時の体験談です。
レジメ(履歴書/キャリア式職務経歴書)が出来上がった。「事業案内」もつくった。ロゴを決めた。名刺もつくった!
「さあ、顧問先開拓だ!」と喜び勇んで街に飛び出しました。かねてからの馴染みの中小企業オーナー社長のもとへ数社ご挨拶に伺いました。相手は、はなしを聞いてくれました。提案時宜もよく、かなり乗り気になってきました。しかし最後にどこの会社でも異口同音に「ところで社長<人事コンサルタントであれば先生と呼ばれる>」なにかご著書は?」と聞いてきます。つづいて「こういう商売をするときは名刺代わりに著作本を置いてくものだよ」ともいわれました。
「人と同じことをしない」「人と違ったことをする」「どこにもない商品/サービス×どこにもない売り方」「既存市場で戦うのではなく、競争相手のいない領域を切り拓け」がマーケティングの鉄則です。新規商材や新規サービスの売り込みの時、買う方は不安です。失敗したらどうしよう。保身への恐怖です。ここで買い手を決断させる切り札が著作本なのです。
これによって売り手に対する信用と信頼が一気に醸成され、この人物の言うことに賭けてみようという決断をさせるのです。稟議書をもって上司の前で、或いは社内幹部会議の席上で起案者は著作本を掲げ「こういう高名な先生にお願いするので間違いありません。ぜひこのプロジェクトの推進を私に任せてください!」と堂々と発言することができる、「著作本」はこのために必須のアイテムなのです。
オーナー社長自身が「顧問」を幹部会で紹介するときも同じです。
「縁あってこのたび先生を当社の顧問にお迎えして、先生の得意分野である『生産技術革新による生産性向上』にお力添えをいただくことにした。
幹部の皆さんは先生がお持ちの知見、経験、理論、ノウハウなどをよく伝授してもらい工程改善、購入資材の見直し、歩留り向上、品質検査合格率向上を図ることによって、今期目標利益の確保に全力で取り組んでもらいたい。」オーナー社長ここで「顧問」の著作本を右手で大きく掲げて、こう述べる。「先生のお力のほどは、先生の自著である『三現主義徹底でコスト削減、生産性向上の極意』に記されている。これから幹部に回覧するのでよく読んで、できることから即日実行せよ」。
だから「顧問契約」を取りたい者には名刺代わりに「著作本」を、売り込み活動前に用意してかからねばならないのです。逆に言えば「著作本」を持たず「顧問契約」を取りに行く売り込み活動はムダ、徒労なのです。このことは立ち位置を変えて考えてみれば、自身がオーナー社長になったとした場合、容易に理解できることです。幹部社員は「この顧問はどれほどの者だ、まあお手並み拝見と行こう」。これが全員に共通する心の内です。
これを一気に払拭させるのが、オーナー社長が右手に大きく掲げたあなたの「著作本」なのです!
シニア起業支援家白根陸夫の創業時の体験談です。そこで早速、著作本制作に取り掛かりました。資料を整理しまとめてライターに渡しました。数度の打ち合わせののち入稿となり著作本を出版しました。
【シニア起業支援家白根陸夫の最初の出版物】
この本を名刺代わりに持ちさらに拡販を続けました。立て続けに契約が取れました!
このように、オンリーワンの専門を決めた。これを見える化した。営業ツールも完成した。準備は万端整った。さあ売り出しだと勇んでみても「ところで先生ご著書は?」と聞かれて、無ければそこで引き下がらずを得ません。
著作本を持っているか否かで当人(顧問で売り込む人)に対するオーナー社長の態度は大きく異なります。著作本一冊で一瞬にして大きな信用と厚い信頼を得ることができます。著作本を持っていない同業者の売り込みに対し、圧倒的な優位に立てることは言うまでもありません。だから顧問契約を受注できるのです。仕事を請けているといろいろな相談にあずかることになります。
改善策や解決策の提案、実行支援の過程で次の本の執筆の着想が湧いてくるものです。以後はライターを使わずに執筆できるようになります。まず一冊つくることが事業を成功させる「切り札」なのです。
【1冊を皮切りに以後ぞくぞくと出版された「シニア起業支援家白根陸夫」の著作本】
「顧問」で売り出す者は出版形態について知っておかねばなりません。
本を出版するには4つのパターンがあります。
1 自費出版
2 協力出版、または共同出版
3 ブックファンドでの出版
4 商業出版、または企画出版
・自費出版とは、自分で費用を全額負担して出版すること。自分史や趣味の本などの「私的読み物」や、社史、企業PRなどの「企業出版」、俳句や短歌、エッセイなどの「作品集」、歴史や専門分野での「研究書」といったものに多い形態です。
・協力出版、共同出版とは、著者と出版社が費用を折半もしくは一部負担、または条件としていくばくかの買取を約束して出版すること。よく新聞や雑誌で「あなたの原稿を募集します」というのはこの協力出版、共同出版を手がける出版社が多いのです。支援出版というところもあります。
・ブックファンドでの出版とは、出版にかかる費用を出資者を募って集まった資金で本を出版すること。このブックファンドは本を出した後、本の売上げを分配・還元するシステムのことです。つまり出資者が、共感する1冊に投資をするといった位置づけのものです。
・企画出版とは、本の制作費や広告費用などを出版社が負担してくれることです。
本を出す目的によりますが、おすすめは「企画出版」です。ただし、出版社が企画として取り上げてくれるのは一部の著者(売れっ子作家)になりますので、自身の企画を取り上げてもらうには出版の切り口が重要となります。先ずは、そのために書店に行き、あなたが題材にしたいテーマと似たような系統の本を出している出版社を探すことが大切になってきます。
「シニア起業支援家 白根陸夫」は、これから起業される皆さまには、時間を節約できる「協力出版」形態を勧めます。
「顧問」の著作本はビジネス書のジャンルです。売り込み競争の激しい分野です。「企画出版」を実現させるには、企画書(章と項目出しという)をつくり、ビジネス書出版を得意とする20数社の編集長あてに送ります。
企画がよほど斬新なものであっても運よく出版の俎上に上げてもらえるのは1~2社です。引き合いを受けて初対面の売り込みののち、正式に出版が決まるまで3ヶ月、出版されるまで6ヶ月かかります。その間執筆作業にかかりっきりになります。やるべき仕事である「顧問」の売り込み活動はできず、生活費は貯蓄を取り崩して賄うことになります(出版社は在職中の著者を歓迎しません)。
これでは独立開業に初期投資がかさみます。「企画出版」は、本の制作費や広告費用などを出版社が負担してくれることが魅力ですが、時間がかかりすぎます。
初回の著作本を企画出版に賭ける人は、ビジネス書作家として売り出したい人がやるべきであって「顧問契約」を求めて売り込み活動する者にとってはリスクが大きすぎます。これが初回の著作本出版に「協力出版」形態を採用する理由です。「協力出版」を請ける出版社はたくさんあります。著作本の構想がまとまったら、良心的な出版プロデュース会社に相談されるとよいでしょう。
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