契約書の作成に弁護士は必要なのか?契約書の知識をまとめて解説

更新日:2018.07.17

契約書の作成を弁護士に依頼した事があると言う方は、実際に何かしらの不安要素や、トラブル等に巻き込まれる可能性等を考える事により、リスクを回避する又はリスクが起こった場合でも被害を最小限にしたいといった考えから依頼されるケースが多いと思われます。

 

では、そもそも、この契約書と言うのは、一体どのような物なのでしょうか?また、契約書は絶対に弁護士でなければ作成できないのでしょうか?

 

今回は、基礎的な知識を含め、契約書の作成に関する弁護士との観点について解説をさせて頂きたいと思います。

 

そもそも契約書とはどのようなものを言うの?

そもそも、日本の法律には、民法という法律の中に契約自由の原則と言うものが存在しており、「契約」だけを行うのであれば、わざわざ書面にてする必要はなく、当事者同士の間で、口頭での合意(このことを諾成契約と呼んでいます。)があるのであれば、それだけで契約と言うものは成立する事となっています。

 

意外な事かもしれませんが、契約だけを相手と行うで言う行為だけであれば、簡単に言ってしまうと弁護士は全く必要ないと言う事になるのです。

 

しかしながら、ここでふと疑問に思われた方もいらっしゃると思うのですが、契約が口頭によって成立したとしても、どちらかが、「そんな契約はした覚えがない」と主張し出すと、「言った・言わない」のトラブルを招く事は大いに予測されます。

 

ですから、契約の内容自体を、明確、そして確実にする方法として、契約書と言う書面にする事が一般的となっているのです。

 

契約書と言うのは、その契約内容について、締結を行う際に作成する当事者間同士の契約内容を表示した文書の事を意味しているのです。

契約書の種類について

では次に、契約書自体の種類について見ておきましょう。

※ここでは、基本的に企業の間や、個人等を含め、締結される事が多い内容の契約書に関する、一部を例として参考に上げております。

 

◆継続的取引基本契約書

継続的取引基本契約書と言うのは、複数回に亘り、継続した形で取引が行われる事に共通している契約条件が定められている契約書となっております。取引の基本契約をベースに締結される個人同士の個別契約を意味します。基本的には、基本契約と、個別契約と言う形を取って契約がなされます。

 

◆業務委託契約書

仕事の業務を行う上で、何かしらの業務に対し、自社以外の別会社にその内容を行って貰う為の契約書となっております。基本的には、委託する側が指揮を取ったり命令をする事はなく、受託する側が契約内容に記された業務の内容を主体となって遂行する事となります。

 

◆秘密保持契約書

業務を行う上で、実際に取引を行う事によって互いの情報を開示する場合等に、情報漏えいのリスクを回避する為、交わされる契約書を意味しています。

 

◆売買契約書

売買契約書は、名前の通りで売買を行う際に交わされる契約書となっており、契約書に詳しくない方でも耳にした事がある方は結構いらっしゃると思われます。売買を行う対象となる目的物に対し、その売買を行う為の契約書の事を意味しています。

 

◆賃貸借契約書

こちらも、賃貸等を借りた経験がある方にとっては、身近なものではないでしょうか?不動産(土地・建物)等のアパートやマンション等を含めた貸し借りに対する契約書を意味しています。

 

◆雇用契約書

社員・パート・アルバイト等を含めた企業等に就職したり勤務を開始する場合に、その働く先の会社等と、実際に雇用される側との間で締結されるのが雇用契約書となります。この雇用契約書には、労働に関する条件等の定めもあり、労働基準法と言う法律によって様々な規制があります。

 

◆金銭消費貸借契約書

お金の貸し借りをする際に交わされるのが、金銭消費貸借契約書です。あまり聞きなれない言葉ではありますが、「消費貸借」と言う言葉は、貸し借りの事を意味しており、法律用語となっております。この契約書が交わされる事が多くなる一般的な事としては、銀行等の金融機関からお金を借りる時等に用いられます。

契約書の種類には、以上のように様々なものがあり、その時に合わせた契約書を作成します。

上記でご紹介させて頂いた契約書に関しては、ごく一部であり、契約書と言う物は多くの種類が存在しております。

 

契約書は弁護士でなければ作成できないの?

まず、答えから申し上げておきますが、契約書の作成に関しては、必ずしも弁護士資格を有している者だけしか作成をしてはいけないと言う事はありません。

 

ですから、他の士業となる行政書士や、司法書士でも契約書を作成する事が可能となっております。

 

また、極端な事を言ってしまえば、一般の方であっても知識が豊富な方で当事者同士がその方にお願いすることに同意したのであれば、契約書の作成をする事は可能だと言う事になります。

 

ですので、契約書を作成したい場合に、必ず弁護士に依頼をしなければならないと言う事は無いと言う事になってしまうのです。

 

ただし、こう言う場合は弁護士に依頼をした方が良いと言うケースがありますので、そちらを見ておきましょう。

 

弁護士と、他の士業どちらに依頼した方が良いか?

例えば、弁護士や行政書士、司法書士等の士業に関しては、どの資格も法律のプロとしての知識を豊富に得ています。

 

しかし、それぞれの士業によって、出来る事には違いがあるのです。

 

それもそのはずで、そもそも法律に詳しい士業がそれぞれ全く同じ事をしてよいと言う権限を与えられていたり、出来る範囲の定めがない場合、弁護士や行政書士等と言う別枠を設ける必要がありません。

 

この事からもお分かりのように、弁護士が出来る事や、行政書士が出来る事等、それぞれ士業でも少し違いがあると言う事を、まずは覚えて頂きたいと思います。

 

具体的な内容としてましては、弁護士の場合ですと、原則「あらゆる法律事務の代理」を行う事が可能とされております。

 

例えば、交通事故等による関係としての権限が違っていたり、弁護士の場合であれば裁判や示談交渉等、あらゆる手続きに関して、代理人としての関与が許されております。

 

これに比べ、行政書士の場合には、上記で上げている裁判所や示談交渉等の関与が出来ません。

 

ですから、契約書を作成されたいと言う場合、その内容によって、弁護士に依頼をかけるのか?弁護士以外に依頼するのか?はたまた、ご自身で契約書を作成されるのか?を考える必要性が出てきます。

 

もっと分かりやすく表現するとしたら、契約書を交わす上で、確認等の軽い意味合いにて交わされる物であれば、ご自身で作成しても構わないでしょうし、弁護士以外の士業にお願いしても良いと言う事になります。

 

一方、いずれ裁判等、交渉等が必要になってきそうなケースについては、いざと言う時に弁護士に依頼をしておく事によって、状況把握や、事の進み具合がスムーズになると言う場合も考えられると言う事です。

 

公正証書(こうせいしょうしょ)について知っておこう

士業の資格をすでにお持ちの方にとっては、公正証書と言う言葉は大変身近な言葉だと思われます。しかし、法律に携わって来なかった方にとっては、あまり聞きなれない言葉ではないでしょうか?

 

ここでは初心者の方でも分かりやすいように、公正証書について解説をさせて頂きます。

 

まず、公正証書と言うのは、公証役場と言う場所において、公証人と言う方が作成をする契約書を意味します

 

実際に公証人となっている方々は、基本的に、裁判官や検察官の経験者であり、それらの方々の中から法務大臣によって任命された公務員が公証人と言う事になります。

 

ちなみに公証人という存在については、公証人法という法律でいろいろなことが定められています。

 

この公証人が作成した契約書であれば、裁判を起こす事なく、強制執行能力を発揮させる事が出来るのです。

 

勿論の事ながら、全てにおいて強制執行をする事ができるわけではありませんが、トラブルとして起こりやすいお金に関する問題には、強制執行能力を発揮する事が可能とされております。

 

例えば、離婚をした夫婦がおり、子供の親権がどちらかに移動して、毎月養育費を支払って貰わなければならない例で見てみましょう。

 

書面には、毎月○万円を支払うと記載していたとしても、それだけでは強制執行を行えません。

 

そこで利用すべきなのが、公証役場の公証人による「公正証書」なのです。

 

上記でも解説しているように、お金の事に関しては、強制執行を行う事が可能です。ですから、もしも支払いが滞ってしまったような場合であっても、公正証書にしておく事によって、強制的に支払いをさせる事が可能になると言う事になります。

 

士業に依頼せず、自分で公正証書をお願いする

実は、この公正証書に関しては、ご自身で原案を作成し、個人的に公証役場にお願いする事も可能となっております。

 

びっくりされた方もいらっしゃるかもしれませんが、弁護士等の士業に頼らなくても、公正証書を完成させる事は可能と言う事になるのです。

 

ただし、契約書と言う書面については、その書き方や、法令の違反・無効な事項等がないかどうか?等をチェックされるだけと言うのが一般的ですから、ご自身で作成した内容に不安がある場合や、間違いがあっては大事になってしまいそう!と言うような内容なのであれば、事前に弁護士や、行政書士等の士業の方へ、相談してから公証役場に持ち込みをされる事をおススメ致します。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?契約書を作成する上では、はっきり言って法律関係の士業を始めとする弁護士等は、普段から内容に接しているプロ中のプロでもあります。

 

ですから、交わしたい契約内容によっては、弁護士に依頼をすると言うのも、今後の事業などの確実性を高める上では1つの方法となるのではないでしょうか

 

しかし、実際には、弁護士だけ作成できると限りがあるものではなく、他の法律関係の士業や、ご自身であっても作成をする事は可能であることも、覚えておいて損はないと思われます。

 

ただし、その契約書によって、重要な要素を含む場合等は、専門家に依頼をするべきだと言えるでしょう。

 

また、弁護士の観点からも、契約書を作成したい方の立場に立って、丁寧かつ、迅速な対応が取れるような内容として作成をする必要があります。

 

弁護士だからと言って、契約書なんて簡単だから、適当に作ってしまおう!なんて考えているようでしたら、今すぐ考えを改めるべきです。

 

依頼をされる方は、多少なりとも不安があるからこそ、契約書の依頼をかけるわけですから、今後起こり得る事等も想定した上で、しっかりとフォローが出来るような契約書作りをするように心がける必要があると言えるのではないでしょうか。

 

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