今起業するならタイがアツい!?〜タイの動向を探る〜
- なぜ多くの海外市場がある中でタイなのか。
- タイの潜在的消費者にフォーカスを行う。
- これからの事を視野に入れてもニーズは高まり続ける。
日・ASEAN友好協力40周年を契機として、タイと日本との関係は非常にいい状態にあります。それを裏付けるのが、日本で、15日を超えない短期滞在での活動を目的とするタイ国民であって、IC一般旅券を所持する者に対して、ビザ免除措置を開始しました。実は、このビザ免除措置により、タイから日本への観光客の増加があるだけでなく、ビジネス面での利便性の向上などが見込まれています。
さらにはASEAN諸国の親日度調査の結果でもタイは圧倒的な数値を示しています(以下図参照)。
アウンコンサルティングより 2011年11月6日
こうしたことからも日本人のタイでのビジネスは始めやすいと言えます。
親日的であるということは住みやすさに繋がります。都市別に見た日本人の在住数はロサンゼルス(アメリカ)、ニューヨーク(アメリカ)、上海(中国)に次ぎ、バンコク(タイ)は第四位です。そのため、現地駐在員家族も安心して生活、就学ができる環境が整っています。これだけ多くの日本人がいるということはタイでビジネスをするのであれば、タイ人のお客様を相手にしなければいけないと思っているかもしれませんが、純粋に日本人のみを相手にしたビジネスも十分に成立が可能だということです。しかし、ビジネスのしやすさは何があるの?と考える人もいると思います。
タイのビジネスのしやすさとして、まず、事業環境の良さがあげられます。税制、投資家保護制度、インフラ整備、行政手続き、地理の優位性、人口ボリューム、熟練労働者の存在など、ビジネス環境が整っています。また、数千を超える日系企業が活躍しているというのもこれから新しくビジネスをスタートさせる際に日本人の起業家が参考にできる成功事例を持っている同国企業が多くあるということは大きなメリットと言えるのではないでしょうか。
そして、タイには潜在的な消費者が多いということもタイでビジネスを始めることを提案したくなる理由です。
民間の調査機関ユーロモニターの調査結果では、タイは2009年の時点で、年間の可処分所得が1万5000ドル(約105万円)を超える世帯が、全体の17.7%(3.1%の富裕層+14.6%の上位中間層)となっているという報告があります。この可処分所得とは、給与などの収入から支払義務のある税金や社会保険料などを差し引いた、いわば「自由に使えるお金」なのです。一般的に、可処分所得が増加することで、一般に消費も拡大すると言われています。
つまり、タイには多くの消費者がいるということが言えます。
実は、統計によっては、年間の可処分所得5000ドル超1万5000ドル以下(約50万円~150万円)を「中間層」に加えることもあり、これを含めると実に3分の2近い世帯が「中間層」以上となります。これが将来、どう変化するのかを示したのが以下のグラフ。
2015年で4分の3、2020年では実に8割以上の世帯が「中間層」以上になります。富裕層も2020年にはついに10%を超えるのです。
こうしたことから、今後中間所得層の増加が見込まれるタイをターゲットにすることが有効であるといえます。
言うまでもありませんが、中間層以上を対象にしたサービスのニーズが今後さらに高まることが予想されています。オーダーメイドタイプの個人旅行が流行っているということを踏まえても、人とは違う非日常を感じられるサービスなどの事業をタイで始めてみるのがいいかもしれません。中間層がこれから増加してくるという現象は日本に当てはめてみれば、ちょうど高度経済成長の時代とリンクしますので、インターネットの発達などすべてを日本の高度経済成長期と同じように考えることは難しいでしょうが、所得が増えていくことで国民が求めることが完全に的外れになるとは考えられませんので、日本の高度経済成長期や中国をはじめとした新興国の経済成長の時期の国民の生活環境や嗜好の変化などを参考にしてタイの国民がどのようなものを求めているかをしっかりと掴んでいけば、日本では飽和状態になっているサービスであっても、大きなビジネスとして成功させることができる可能性も高いのではないかと思われます。
今では東南アジアで起業をするというアイデアはよくあります。その中でも今回の記事でもタイではビジネスの面で見ても多くの可能性が秘めています。ビジネスをしていく中で中間層にターゲット層を絞ったりなど一工夫する事でより今の時代とリンクしてより成功に近づくでしょう。そしてまだまだ可能性を秘めている他国の東南アジアとの比較をするのも必須になると思います。
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