起業家のパワーの強さによるちょっとした弊害について
- 創業者・起業家とチームメンバーとの意識や力の差は、組織のあり方とコミュニケーションで埋めていくことが大切。
- パワーある起業家は、労働集約的なビジネスを撮ってしまいがちなので、チーム作りや社外に相談役やメンターなど持つことが大切。
- 頼れる人がいるだけで大きく変わってくる。
話を聞いていて気が付いたことなのですが、
①「起業家のパワーが強いため、チームメンバーとの意識・力の差でGAPが生まれる」
②「労働集約的なビジネスになっている」起業家が多くいました。
これは20代での起業に全て限った話ではありませんが、20代だと比較的多く人がぶつかる話かもしれません。
20代で起業しようと思う人は、すごいとかそういう意味でなく、単純になかなかいません。日本の多くの人の常識ではありません。そのため、良くも悪くも熱量・パワーを持っている場合が多くあります。また、「自分はできる奴」なんだ、努力も辞さないという人も多くおり、実際に優秀な人も多々いるわけです。
さらに、起業後に訪れる荒波を何度も乗り越えていくと、自分からすると当たり前のことなのですが、それはとてつもない経験となって、知らず知らずのうちにとてつもなくパワーアップをしています。このことは創業を自分で体験し、自分で問題解決をしていった人でないとなかなか体験できないものです。
創業社長はこのような形でどんどん成長していきます。社長でないと経験できないことも多々あります。このような経験の違いというのが、確実に周りの人との温度感の違いを生んでいくわけです。社長はどんどん成長していくので、どんどん会社の課題が見えてくる。でも、周りの人には見えていない。社長からしたら簡単だと思っている業務でも、それは社長の感覚にすぎず、他のメンバーからすると相当に難易度の高いことだったりするわけです。でも社長はそのことがわからず、「何故、この人は、こんな簡易な仕事もできないの?」と思ってしまうわけです。
総じて、若いといろいろな意味での経験が少なく、自分のことをコントロールできないわけです。結果として、言い方させ変えれば、何てことのない話であっても、それが、かなり厳しい言い方になったり、配慮のない言い方になってしまった結果として、社内メンバーとの不協和音が鳴りはじめて、会社内部から崩壊していくというのはよくある話です。
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僕の経験上もありました。僕自体、メンバーは全て同じモチベーションであって、皆、優秀なんだという前提を何の疑いもなくずっと持っていたわけです。強みや弱みについての理解なども全くしていませんでした。でも現実はもちろん、いろいろな人がいるわけなのです。そのGAPに相当に悩み、ストレスを感じたこともありました。
当時の会社の組織的にもよくなかったと思います。それは、社長である僕が全てのメンバーをマネージをしていたことです。幹部とのコミュニケーションと、新人メンバーとのコミュニケーションは同じ感じでしていました。(もちろん内容は全然違いますが。)新人メンバーも幹部と同じ意思で、ちょっと言えばわかるだろうと。これは大きな間違いでしたね。何年もずっと一緒にやって、阿吽の呼吸ともいえる役員と、昨日入社したばかりの人とのコミュニケーションが同じということはないですよね。それほどに人の違いということを理解していなかったんですよね。お客様に対してもコミュニケーションは大切になってきます。
その時の組織の形は、いわゆる文鎮型でした。(社長である自分が全ての人と接する構造ですね!)
その後、社外役員の方の指摘で、組織構造を変えたほうがいいとアドバイスをいただき、中間に幹部を据えて、その幹部達が各チームのメンバーとコミュニケーションをしていくという組織に変えました。
僕たちのような創業メンバーと、新人メンバーとの間にはいろいろなGAPがあります。このGAPを間に人を介在させることでうまくならしていくことが大切なわけです。自分と同じ感覚の人ばかりなんだと思ってしまうと、会社メンバーが増えていく中で、いろいろな問題にぶつかることになります。(このような問題を乗り越えていくことに成長はあると思うので恐れたり、過剰な防衛をする必要は全くないと思いますが。)
社長として、幹部以外とコミュニケーションを取らないというわけではもちろんありません。どのような内容でコミュニケーションを取るのか?の話なわけです。社長との距離が近いことは多くの良い効果があると思います。ただ一方で、距離感を間違えてしまうと、温度感の差や、甘え、勘違いなどを双方に生んでしまうことも起きえます。人が絡む話に、正解はないと思っています。どのようなチームをつくりたいのか?というご自身のイメージを大切にされることがまず第一かなと思います。
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これも最初の「起業1年目はなかなか売り上げが立たない」話とリンクしている部分があります。起業当初というのは、思い描いたような形通りになることは極めて少なく、相当に苦戦をするわけです。その中で、創業者のパワーで何とか問題解決したり、前進させていく会社が多く出てきます。そのようになっていくと、結果として、社長が営業にガシガシ行って、仕事を持ってきて、その仕事も質高くやらないといけないので、社長がコミットして、納品するというサイクルになっていきます。
起業当初はなかなかメンバーもいないため、まさに個人事業主的な会社が多数あります(個人事業と変わりません)。最初の頃の全く売上が立ちませんという状況を抜けると、この個人事業主のような状態に入っていく会社が増えていきます。今回のインタビューの中でも、社長が全ての業務をやっている会社が多数ありました。この状況は時間経過とともに改善されていく場合が多いですが、ビジネス的にみると、労働集約型のビジネスになっているわけです。そのためなかなか売上が伸びない。
悪いケースだと、その社長だから何とか成り立っているというビジネスだったりします。(僕は創業者のパワーは最大の会社の推進力だと思っているので、否定をしているわけではありません。社長自身が、実務的な部分に入り込みすぎてしまうと、なかなか抜け出せずに、会社がスケールしていかないということを言っているだけです。ソフトバンクや日本電産、ユニクロだって、やはり、孫さんや永守さん柳井さんありきな部分も大きいわけですので。)
いわゆる、集客~依頼~オペレーション~納品~アフターフォローの流れをしっかりと仕組化できるか?この点は、労働集約的なビジネスから抜け出すためには必要となります。「何でもかんでも自分が」という意識と「自分が何とかしなくてはいけない」という現実的な要請が、このような状況を生んでしまうわけです(キャッシュが十分なく人を雇えないということもあると思います。)
最初からこのような状況を回避することを検討することもよいかもですが、このような状況にぶつかって、改善していく会社も多いので、経験値という意味で、僕は別に大きな問題だとは思っていませんwただ、この状況を改善したいと思う人は、やはりチーム作り(うまく意思を共有できる仲間を巻き込み、得意不得意で役割分担できるか)、自分や会社の状況を客観視すること(=1つの方法は社外に相談役やメンターなど持つことかな?)が大切かなと思います。
僕はそうでしたが、創業当初あまり人の話を聞こうとしていなかったですし、聞く機会もありませんでした。でも起業家の成功にはなかなか再現性というのは難しいと思っていますが、失敗の再現性というのはあると思っています。そのため失敗のポイントを掴むことは大切かと思いますので、メンターなどに定期的に話を聞くようなことは意識されてみてください。社内の役割分けもとても大切だと思います。
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