伸びる選手の共通項は「明・元・素」

ポイント
  1. できない人ほど「3D」ばかり
  2. 結果を出している人ほど徹底的に素直
  3. 明るく元気で素直な姿勢を貫こう

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コンディショニング・トレーニングの専門化として、これまでのべ500人以上のトップ・アスリートや有力スポーツ選手の指導をしてきました。16年のキャリアの中で改めて共通項として感じるのは、伸びる選手は「明・元・素」(メイゲンソ)である、ということです。

つまり「明るく元気で素直」。言葉にすると恥ずかしいほどシンプルですが、難しいものですよね。

できない人ほど「3D」ばかり

つい最近のことですが、他業種の人が集まった相談会に参加した時のこと。わざわざ飛行機に乗って地方から参加したという鉄鋼業の方がいらっしゃいました。

限られた時間の中での個別の質問ということで、切羽つまったご自身の状況を一つでも多く相談したい、という気持ちだったのでしょう。矢継ぎ早に3つほどの質問をされました。

 答えた先生のアドバイスは個人的には素晴らしく叡智にとんでいるなぁと感じ、思わず急いでメモを走り書きしたほどでした。しかし、肝心の質問をした相談者の方の返答はというと、

「いや、それは重々承知しているのですが……」

「ですが私の会社がある県ではビジネススケールはほぼなくて……」

「地元の商工会に呼びかけても結果は見えているんです」といった生煮えの返事ばかりで、驚きました。

即効性があり「やれば100%結果がついてくる」なんていう解決策はあるわけがないのは自明の理です。すべて「でも」「どうせ」「だって」という「3D」での返答をする相談者の姿に、「この姿勢こそが一番の問題なのに、気がつかないのかなぁ」と感じてしまいました。 

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結果を出している人ほど徹底的に素直

2002年秋。筆者は研修生として千葉ロッテの秋季キャンプに参加しました。当時は26歳、アメリカ帰りの若造でした。そんな私にさりげない口調で話しかけ、「俺は独特な投げ方なんだけど、どんなところに気をつけてトレーニングしたらいいと思う?」と、アプローチをしてきた選手がいました。当時通算2勝、2年目を終えるところのアンダースロー、渡辺俊介投手でした。

試行錯誤を繰り返していた渡辺投手は、「クセなく右足一本でまっすぐに立つ」という基本的な動きができていませんでした。具体的な施策を提案すると、すぐに「うん、すごくイメージできた。俺のトレーニング任せたいから、全部プログラム作ってくれる?」と、すぐに反応してきました。

プロ野球選手を指導したキャリアが全くなかった筆者が作った種目を、1つ1つ忠実にこなしてくれたのです。結果的に3シーズン目を迎えた渡辺俊介投手は自己ベストとなる9勝をマーク。その後、日本を代表する「サブマリン」へと飛躍したのでした。

2014年になると、私は初めてラグビーの世界で指導を始めました。所属する近鉄ライナーズには日本代表に3度選ばれた実績十分の大スター、トンプソン・ルーク選手がいました。

野球畑から来たコンディショニング・コーチである私に興味を持ってくれたトモ(トンプソンルーク選手の愛称)もまた、「ユウジ、チェックしてくれたストレッチ、とてもビックリした。気がついたことをどんどんフィードバックして!」と、すこぶる素直な反応をみせました。何の偏見もなく明るく私の提案やアプローチを試してくれたのです。

人間性も血管と一緒

スポーツの世界に生きている第一線のアスリート。彼らに共通していたものは、「これは試してみよう」と感じたものへの、素直な姿勢です。前向きな行動力を持ち、人としても明るくて、魅力的なのです。結果を出すアスリートは本能的に、そういった姿勢こそが本質的に大切であることに気がついているのだと思います。

人間性は「血管のような性質」で、常に働いていて日々変化する類のものだと感じています。油断すると血管も人間性もすぐに「固く」なり、しなやかさがなくなってしまう。偏った社会に留まり、自分にとって都合のいい人間関係の中だけで過ごしていては、高血圧症のような遊びのない「合併症の危険が高まる」状態のパーソナリティになってしまうのです。

ある種の刺激を常に受け、それを循環させていくことで、「凝り固まった固定概念」みたいなドロドロとした粘性ができないようにしたいものです。細胞が日々生まれ変わっていくように、自分という人間も日々新しくなっていく、という感覚を持ちましょう。

明るく元気で素直な姿勢を貫こう

組織内で高いポジションに就き、業界でそれなりにキャリアを積めば積むほど、無邪気に学ぶことは難しくなります。年齢を重ねるほどに難易度は高まります。明るく、元気に、素直に。「明・元・素」を意識して、謙虚に学び続ける。そんな意識や姿勢が、キャリアや知識以上に大切になるでしょう。

変なプライドを持たずに「心のおもむくまま」に学びの場所に向かい、最前列で誰よりも積極的に、楽しそうに吸収する――。私が尊敬するトレーナー業界内の人たちには、そんなタイプがほとんどです。

素晴らしい情熱と才能を感じさせる魅力的な「人財」から学べる喜び。つまらないプライドや嫉妬に変換することなく、その良さをそのまま取り入れる。その継続こそが、あなたをいつまでも成長できる「人間臭い」専門商品にしていくのではないでしょうか。

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著者プロフィール

弘田雄士

弘田雄士

コンディショニング・コーチ、鍼灸師。アスリート・スポーツの世界でフィジカル強化・コンディショニング指導を専門としたトレーナーとして15年以上活動。MLBマイナーリーグでのインターンを経て、日本のプロ野球「千葉ロッテマリーンズ」のコンディショニング部門などを歴任。現在はラグビートップリーグ「近鉄ライナーズ」にてヘッド・コンディショニング・コーチを務める。著書に「姿勢チェックから始めるコンディショニング改善エクササイズ」(ブックハウスHD、2013年)。全国でのセミナーなども積極的に展開し、「コンディショニング」の重要性を伝えていく活動を展開している。