クラウド会計ソフトのメリットとデメリットを理解して導入を検討しよう

ポイント
  1. クラウド会計ソフトのメリット、デメリット、まとめ

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クラウド会計ソフトのデメリット

クラウド会計ソフトは会社の会計業務の負担を軽減してくれる非常に便利な物ですが、それなりのデメリットもあります。

会社経営を考える上でクラウド会計ソフトにとって一番デメリットになり得るのがランニングコストの増加です。従来型のインストールタイプのクラウド会計ソフトであれば、年々バージョンは古くなってしまうもののソフトを購入すれば基本的にはそれ以上の経費は掛かりませんが、クラウド型の会計ソフトの場合月額もしくは年間単位で使用料を払う仕組みになっているので、導入後その分の経費が掛かってしまいます。

それにソフトメーカーによっては、毎年大型のアップデートがあるとは限らず、ほとんどソフト内容は変わらないのに毎年決められた額を払い続ける可能性もゼロではありません。

機能の多さが使用者の難しさを誘発することもある

クラウド会計ソフトは非常に多くの補助機能が付いているのがメリットではありますが、これは見方を変えればデメリットにもなり得ます。

というのも、請求書とリンクして売掛金を立てたり、仕訳がスムーズになる等の機能は使いこなせれば非常に便利ですが、従来型の会計ソフトに慣れた人からすれば全ての機能を使いこなすまでにはかなりの時間を要するでしょう。

加えて言えば、ネットバンキングやカード会社と連携して自動で入出金や利用履歴等を入力してくれる機能については、現金や手形の取り引きが主な場合従来どおり手入力しなければならず、あまり自動入力の恩恵を受ける事が出来ないという事もあり得ます。

しかもソフトによっては、手入力の時の操作に難があるクラウド型の会計ソフトだった場合、手入力によるストレスはさらに増大します。こうした手入力による負担は多くのデータを扱う会社の場合は特に大きくなる傾向にあります。

クラウド会計ソフトはインターネット上に接続して使う関係上、どうしてもインターネット環境の快適さや利用するパソコンのスペックに左右されるきらいがあります。多くのオフィス等で導入されている光回線のような高速な通信網なら良いのですが、Wi-Fi環境のような状態だとソフトの動きが鈍く感じてしまう事もあるでしょう。

ネットの回線が光回線だった場合、読み込み時間は1秒程度ですが、これがADSL回線やWi-Fi回線でパソコンのスペックが古いタイプだった場合4秒以上かかるケースもあり、その都度読み込み時間が掛かるようではかえって効率は悪くなってしまいます。

最悪の場合、入力したデータが反映されずにやり直しが必要になっては、かえって二度手間という事にもなりかねません。そうなってしまってはなんの為の会計ソフトか分からなくなってしまい、本末転倒です。

パソコンのスペックについても会社のすべてのパソコンを最新の物に替えるとなると、そこでまたコストが掛かってしまいます。

セキュリティ対策面での危うさ

セキュリティ的に見てもデメリットが無いとは言えません。クラウド上の会計ソフトを利用するには当然IDとパスワードが必要になりますが、これらが何らかの原因で漏洩してしまった場合、赤の他人が勝手にログインして会計データを盗み見る事が出来てしまいます。

他人に類推されにくい複雑なパスワードにしておけば、こうしたセキュリティ的な問題はほとんどクリア出来ますが、人間が管理する以上絶対は無く、常に情報漏洩のリスクは付きまといます。パスワードの管理もしっかり行う必要があり、セキュリティ的な意味でずっと同じパスワードを使用しないという意味で頻繁にパスワード変える事になると、会計ソフトを扱う人の負担も考えねばなりません。

また、あまり考えたくは無い事ですが、クラウド会計ソフトを運営するサービス元のサーバーが突如ダウンしたり、ハッカーなどからの攻撃を受けて、セキュリティリスクが生じた場合にも会計業務に支障が生じる可能性があります。

インターネットを取り巻く環境が劇的に変化し、こうしたセキュリティ的リスクに常に晒されているという事も決して忘れてはならない事実と言えるでしょう。

クラウド会計ソフトの導入を検討する際のまとめ

ここまで、クラウド会計ソフトのメリットとデメリットをまとめて紹介しましたが、実はこれらのメリットとデメリットは表裏一体とも言えます。

毎月あるいは毎年一定のランニングコストが掛かるというのは、実のところ従来型のインストールタイプの会計ソフトでもある程度の運用管理は必要になります。その分のランニングコストはしっかり発生している訳で、毎年最新のソフトがほぼ運用管理不要で使えるクラウド会計ソフトの費用対効果は従来型の会計ソフトと比べても優れていると言えます。

セキュリティ面の不安については、データがクラウド上で管理される事で情報漏洩の危険があるという点については、クラウド型の会計ソフトを運用する会社は顧客の重要なデータを扱っている以上セキュリティも強固です。むしろ自社で管理してセキュリティリスクに晒されるよりは、信頼できる会社に預けるという選択肢もあって良いでしょう。

インターネット環境が無いもしくは不安定だと会計業務が滞るというリスクについては、インストール型の会計ソフトでも同じ事が言えます。インストール型の会計ソフトのパソコンが何らかの理由で起動しなくなったりした場合でも同じ事です。むしろ、世界中どこに居てもインターネット環境さえあれば会計データを見られるメリットの方が大きいと言えます。

それに、昨今のインターネットの普及状況を見るに、会計ソフトをインストールしたパソコンが壊れる可能性とインターネット環境が寸断されて会計ソフトが使えなくなるリスクを天秤にかけた場合、パソコンが壊れて会計ソフトが使えなくなる可能性の方が明らかに高いでしょう。加えて言えばパソコンがウィルスに感染した場合、そのまま使い続けると他の会社のパソコンに被害が及ぶ事にもなります。

今後さらにインターネット環境が整備されればさらに使いやすいクラウド会計ソフトが登場する可能性は充分に考えられます。インストール型の会計ソフトに慣れた人からすれば、固定観念を払拭してクラウド会計ソフトの導入に踏み切るのは決して容易な事ではありませんが、今後こうしたテクノロジーよる進歩は望むと望まざると訪れる物と考えた方が良いでしょう。

つまり一番大事なのは、クラウド会計ソフトのメリットとデメリットを充分に理解した上で自分の会社や団体では、インストール型の会計ソフトが良いのかそれともクラウド型の会計ソフトが良いのかをじっくり吟味する事です。

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