クリーニング店を開業する方法!その費用や資格とは?
- クリーニング店を開業するには2つのパターンがある?
- クリーニング師って何?
- 立地条件や、施策について
皆さんも、よく近くのクリーニング店を利用する!と言う方は結構多いのではないでしょうか?
最近では、ご家庭でも使用できる洗剤等で、どうしても落ちにくい汚れがあったりしても、落とせるような商品や薬品は沢山販売されております。
しかし、いくら様々な洗濯洗剤が新しく販売されたとしても、どうしてもご家庭で落とせないような物ってありますよね?
また、それ以外にも、ご家庭では洗濯と言う家事以外に、他にもすべき家事はそれこそ屋のようにあります。
両親が共働きであったり、お子さんがまだ小さく、手がかかって洗濯に時間をかけられない!と言う方もいらっしゃることでしょう。
そんな時にクリーニング店と言うのは、非常にご家庭の味方として活躍してくれるのではないでしょうか?
このクリーニング店を、開業したいと考えられた際、費用面から、その手続方法、そして資格等はいるのか?等、様々な疑問が湧いてきます。
今回は、そのクリーニング店に関する開業について、総合的に解説させて頂きたいと思います!
クリーニング店の開業パターンを理解する前に、現在日本にどの程度のクリーニング店があるのかを厚生労働省のデータから抜粋して紹介しておきますので理解しておきましょう。
現在(平成27年3月末のデータになります)日本にクリーニング業として届け出をされているのは、10万8513施設で前年度より5054施設減少しているというデータが公表されています。
この減少しているデータを業種として衰退していると捉えるか、既存店が減少しているので新規の顧客をつかむにはチャンスのある市場となってきたと捉えるのかは、最終的には経営者であるあなた次第ではあると思いますが、家庭用の洗濯機・乾燥機ではできないことが業務用機械ではできることが多々ありますので、決してクリーニング業が既に衰退する産業と決めつけるのは早計であると言えるのではないでしょうか。
さてここで、クリーニング店として開業を考えた時に、必ず考える事になりそうなパターンとして2つ紹介しておきましょう。
1つ目は、開業するにあたって、自分のお店でクリーニングする物を受取、自店にてクリーニングを行う(しみ抜きや洗濯、処理等のクリーニング全般)と言うお店の形態の「一般店」。
2つ目は、フランチャイズに加盟し、開業するお店はあくまでも洗濯物の受取や、保管、そしてクリーニングが仕上がった物のお客様に引き渡しを行う形態の「取次店」です。
取次店の場合は、開業するほとんどの方が既存のフランチャイズに加盟する形態を取ると言われております。
また、クリーニング店として独立開業される方の多くは、一般店ではなく、取次店のフランチャイズと言う形態によって開業される方がほとんどです。
その背景には、一般店の場合、一からクリーニングする為の様々な機材や薬品、そして作業を行うことができるスペースの確保もしなければなりませんので、開業資金面だけで考えてみるとしても取次店と比較すると膨大になる事は間違いありません。
一方で、フランチャイズの場合においては、最初からクリーニング店としてのブランド名が使用できるだけではなく、取次店としてだけで経営が行えますから、クリーニングする物やクリーニングが終わった物を保管出来たり、受け付け等を設けて自宅の一角でも開業する事は比較的容易と言えるのです。
そう言った意味でも、フランチャイズとして開業される方が多いのだと思われます。
フランチャイズで独立されたい方は下記の記事もご参考にしてください。
フランチャイズで独立しよう!メリットやその問題点までを解説!
先ほど申し上げたように、クリーニング店を開業される際には、ほとんどの方が一般店ではなく、取次店として開業する事が多くなることは理解いただけたと思います。一般店の場合は、様々なクリーニングに関する機材を揃えなければならない為、資金としても膨大な金額を用意しなければいけない事が想定されるわけですが、一方フランチャイズと言う取次店として開業される場合には、どのくらいの資金が必要なのでしょうか?
まず、クリーニング店に限らずフランチャイズ加入した場合の特有と言っても過言ではない、加盟店としてのロイヤリティが必要となってきます。ロイヤリティと言うのは、加盟する代わりに、一定のパーセンテージを毎月支払ったりする事を言います。つまり、ブランドとしての使用料や、各それぞれの支援に対するお金を支払う事で、フランチャイズの名前を使用し、営業をする事が出来ると言う仕組みとなっております。また、クリーニング業と言うのは、他の業種と比較しても大変にクレームが多い業種だとも言われています。
例えば、お客様がクリーニングに出した服が縮んでしまったり、シャツなどのシミ抜きをお願いしたのに、しっかりとシミが処理されていなかったり、ボタンが破損していたりと、何かとお客様にクレームを付けられてしまう可能性があると言えるでしょう。そんな時でも、既存のフランチャイズであれば、お客様のクレームに対応する為のノウハウや、マニュアルなどの支援を受けられる可能性が高いですから、そう言った意味でも一般店ではなく、フランチャイズ加入を選択される方も多いのではないでしょうか。
フランチャイズで加盟店、取次店として開業する場合には、大体300万円程度の資金があれば良いとされております。ただし、これはあくまでも大まかな数字であり、加盟するフランチャイズによっては金額にも差が出るでしょうから、フランチャイズを希望されるようでしたら、まずは事前に問い合わせを数社に行って比較検討するという所から始めるべきでしょう。
ちなみに、フランチャイズではなく、一般店として開業を希望される方の為に、開業時における業務用の洗濯機等にかかる資金に関する情報をまとめておきます。
まず、メーカーや種類にもより価格に違いはあるのですが、一般的な水洗機だけで150万円以上は必要だということは理解しておくようにしてください。
次に乾燥機が大体100万円以上、そして水洗乾燥機は250万円以上を想定しておく必要があります。
ただし、これらの金額を合わせると相当な額(上記の水洗機・乾燥機・水洗乾燥機の額面金額だけで500万円以上になります。)になってしまいますから、開業時の負担が増えるのは必至です。
そこで提案させて頂きたいのが新品で機械を導入するのではなく、中古の機械を導入することを検討してみるという事です。
例えば、新品で100万円する物でも、中古の場合ですと新品価格の半額以下である20万円~30万円程度で販売されているケースもあるのです。
また、業務用の洗濯機等については、法定耐用年数が7年とされています。
ただし、メンテナンスをしっかりと定期的に行う事で、もっと長く使用できる場合も多く、どのように扱うか?がポイントとなってくるのではないでしょうか。
一般店を選ぶか、取次店を選ぶかは、あなたがクリーニング屋として何をしたいのか?と言う事です。
どちらにもリスクはありますし、どちらにも将来的なメリットを考えれば沢山あるのは事実です。
まずは、あなたがクリーニング屋として何をしたいのか?から検討する事が大切なのではないでしょうか。
実は、クリーニング店を始める時に、知っておいて頂きたいのが、この「クリーニング師」と言う資格です。
クリーニング師とは一体どのような方が必要となる資格なのでしょうか?
まず、ここまでに解説のあった、フランチャイズに加盟して取扱店等で開業される方は、クリーニング師の資格は要りません。
クリーニング師の資格が必要なのは、工場を持つ場合の「一般店」に該当します。そもそも、クリーニング師と言うのは、クリーニング業法という法律によってクリーニング店でのシミ抜きや、アイロンをかける等の業務を行う方に必要であり、そのクリーニング店に1人は置かなければならないと言う規定がされているのです。
受験資格については、中学校、または中学校に準ずる学校を卒業されている方で、中等教育学校(日本で言う中高一貫教育の事)の前期課程を終了している方や、それらと同等以上の学力があると認められている方が、受験を受ける資格を持っている事になります。
試験内容につきましては、各都道府県によっても内容が異なるようですから、クリーニング師が必要となる場合には、必ず何を勉強すれば良いのか?を事前に調査しておきましょう。
また、受験料も各都道府県によって差があります。試験内容については、学科と実技の2つに分かれており、実技については、薬品の識別が出来るかどうかや、シミ抜きの鑑別・繊維の識別を行ったりする事が多いようです。ただし、こちらも都道府県によって、ある場合とない場合があるのと、Yシャツを使用する際には、持参できる所と、そうではない所もあり、相当な違いがあるようですから、注意が必要でしょう。
何の事業を始めるにしても、開業前には、様々な施策を検討しておかなければなりません。例えば、うちは特殊なシミ抜きができますよと、謳ったとしても、そのようなクリーニング店は沢山ありますし、現状、今の時代はクリーニング店が昔に比べると圧倒的に少なくなってきており、安易にクリーニング店を開業しよう!と言う意気込みだけでは、経営を始める事はできても、持続性はないと言えるでしょう。
その点、フランチャイズでは、元から企業の名前やお店の名前が世間に知れ渡っている可能性が高いですから、名前の売り込みを必死にしなければならないと言う事はないかもしれません。
しかし、名前を知っていると言うだけで、そのクリーニング店に足を運ぶ理由になるのか?と考えると、それだけでずっとお願いしようなどというリピーターになる事は少ないのではないでしょうか。(あなたがお客の立場になった場合にどういう行動するかを考えてみるとよく理解できると思いますので、少し考えてみてくださいね。)
また、従来からずっとリピートしているお店があったとして、そのお店からすぐそばに新しくクリーニング店が開いたとします。
しかし、値段も変わらないし、サービスもさほど大きな違いがない・・・となると、入った事もないお店にクリーニングをお願いするよりも、従来からお世話になっているお店に足を運ぶのは当然の事だと言えます。
つまり、開業するにも、その周りにライバルとなるお店がどのくらいあるのか?
そこではどのようなサービスを行っており、価格設定はどうなっているのか?については、自分で足を運んででも事前に市場調査をしておくべきではないでしょうか?
また、お客様が足を運びやすいと言う場所にお店を開かなければならないと言う事も考えなければなりません。更に、開業当初については、新しく出来たクリーニング店なのだと潜在的なお客様に認識して頂く為にも、インターネットだけではなく、広告やチラシを配ったり、まずは来店して利用して頂くと言う所から始める事が大切です。
一度利用して頂いたお客様が、「このお店はいいな」と思って頂ければ、また利用したいと思う事でしょうし、そのようなお客様はリピーターとなってくれる可能性は非常に高いと言えるでしょう。
クリーニング店が取扱う洗濯物と言うのは、人間が生きていて毎日身につける物ですし、着ていれば、いずれ汚れが出ます。そう言った意味では、需要はありますから、どのくらいのお客様をゲットできるのか?がポイントとなってくるでしょう。利益としても、1つ1つの単価は小さい額でもありますから、リピーターをどんどん増やして、固定客を付けると言う事が大変重要な業種だと言う事もできるでしょう。
クリーニング業に限らないことになりますが、何をするにしても、待っているだけではお客様は来てくれません。
あなたのお店ならではの魅力をお伝えし、それを武器にして、定期的に来客頂けるように、様々な施策や、努力を重ねて行く事が大切だと考えます