属人化を抜け出し中小企業が仕組み化で成長するポイント

ポイント
  1. 属人化状態の中小企業はいつか詰む
  2. 仕組み化の本質とは「人に仕事を合わせるのでなく、仕事に人を合わせる」
  3. 仕組み化を実現するポイント

目次 [非表示]

この記事では中小企業、小さな会社が成長するために、また、会社として危機的な状況に陥らないために仕組み化の本質を理解し、仕組み化を実現する上で重要になるポイントをご紹介していきます。

なぜ中小企業は仕組み化をしないといけないのか

中小企業、小さな会社ほど、大小さまざまな会社としてやらなければいけないことが属人化をしてしまっており、社長依存、ワンマン状態にあったり、特定の人しかわからない、知らないという状態にあります。この属人化の最大の問題というのは、結果として人がいなくなると仕事にならなくなるということです。また、本来会社成長のためには、その人(社長)がやってはいけないことをやり続けることになってしまうということもあります。

この「人に依存する=属人化」状態というのはとても会社としてはよくない状態です。
属人化の程度が深ければ深いほど、仮にその属人の人に何かあったとしたら会社はどうなるでしょうか?

一刻も早く特定の人への依存状態から抜け出すこと=誰でもできるように仕組み化することを目指さないといけません。

これは、中小企業、小さな会社ほど、人の数が少ないからこそ、誰であってもできるようにすることが大切になります。

まず、仕組み化をしなければいけない、仕組み化ができないと会社の成長が止まってしまって、結果としてとても辛い、追い込まれた状態になる理由を大きく4つご紹介します。

人は一定ではなく、不安定であってどうなるか誰もわからない

(社長も含めた)人全般にいえることですが、誰もどうなるかということはわかりません。
急に病気、事故に遭ってしまって稼働ができなくなるかもしれません。社長であれば突如としてモチベーションを失うということはなかなか考えられませんが(精神的に病んでしまってという場合ではよくありますが)、社員という単位であればこれは往々にして起こることです。
社員というのも人ですので、昨日までは頑張ると言っていたのに突如してモチベーションを急激に落としたりなどムラがあることは間違いありません。
これは人なので仕方のないことですが、会社としてはこのようなことをしっかりと想定をしておかないといけないわけです。

人は辞める

人は辞めます。これも大きく言えば仕方のないことです。
もちろん会社に悪いことがたくさんあってそれが原因で人が辞めるということであれば会社としてこれはなおさなければいけません。
また、明らかに社員に問題がある場合には、これは結果として辞めてもらう必要があるかもしれません。
そうでない場合でも、人は時間とともに考え方、生活の状況などの変化があります。そのため、もちろん変化があっても辞めない人もいれば、辞める人もいるということです。
ここで言いたいことというのは、人が辞めることはあるということです。
どんなに感情的に繋がっていると思っていた人でも、手塩に育てた人であっても、辞めることがあるということです。このことを想定しておかなければいけません。
属人化の背景としては、人は辞めないと信じ込んでしまっている社長というのがあったりします。

補足でもありますが、人が辞めないことがよい会社であるとはそもそも限りません。
全然社員のパフォーマンスが変わっておらず、会社も成長していない、ただ居心地がよくてしがみついているような社員もいるわけです。

品質を安定させなくてはいけない

会社として提供している商品、サービスついては品質を安定させなくてはいけません。
これはいつだってそうなわけです。そのように考えると、人の不安定さ、人が辞めるということ以外にも、同じ人であっても、またやる人が変わっても品質を保つために仕組み化がされていることが大切になります。

人に依存をすると社長がずっと現場仕事をすることになる

人の不安定さ、人が辞めてしまう、品質安定が特定の人に属人化しているなどという状況があって、その属人化となっている人に何かあると社長が代わって対応をしなければいけなくなります。社長の仕事は現場仕事をすることではありませんので、社長の現場仕事の稼働が高まれば高まるほど会社の成長とは離れていってしまいます。

社長の仕事、会社の成長とは何かもあわせてお読みください。

社長が現場仕事に入るほど結果として仕組み化と反対の動きになってしまいますのでこれは避けなければいけません。

仕組み化の本質とは?

ここまでのまとめにもなりますが、仕事ということの根本的にして、考え方において最も重要なこととして「人に仕事を合わせるのではなく、仕事に人を合わせる」ということをここで完璧に理解しましょう。これは仕組み化の本質でもあります。

人はいなくなったりムラが生じがちですが、仕事はずっとあって客観的に行動単位に分解できるわけです。人に合わせるのではなく、仕事を客観的に分解し、その分解した仕事の手順、やり方、ルールなどを分かりやすく見える化=言語化し、紙に落としていくことができると、人にまつわる問題に対応をしやすくなるわけです。ここに仕組み化の最も重要な本質があります。

仕組み化とは?仕組み化がうまくいくポイント

仕組み化とは、

誰であっても同じ仕事の結果を生み出すために、その方法、手順、担当者などを分解し、見える化し=言語化し、紙に落とし込み、誰であっても同じ理解をし、できる、そして等しい結果を出せる状態があり、これが社内で徹底されていることです。

いくつか重要なポイントがあります。

誰でもできる

仕組み化において重要なことは誰でもできるということを目指すべきです。 もちろんすぐにできるかどうかはおいておいても、誰でもできるようにすることから逆算しましょう。誰かじゃないとできないというのは、属人化の要素が残るということです。 仕組み化のスタートとしてはすぐにできる、簡単なことからはじめると、どんどん進みますし、その効果を実感できるので、進め方としては、できることからやっていくということでよいのですが、簡単なことというのは属人化しにくいものでもあるので、やはり、属人化しがちなもの=誰でもできるということが難しいと思うものをいかに誰でもできるようにするのか?という発想がとても重要になります。 仕事を分解し、見える化=言語化し、紙に落とし込む 仕組み化のためには、会社の仕事を一度洗い出し、それらを分解することが大切になります。漠然と仕事というとたくさんあるように感じてしまうのですが、仕事を洗い出して、それぞれに対してどのような繋がりがあるのか、うまく分解していくと、大きいと思っていたり、難しいと思っていた仕事でも、小さくできたり、簡単に変えることができるのです。
分解した単位の仕事を見える化し、その仕事の手順、やり方などを言語化し、紙に落とし込んでいくのです。

見える化のポイントについて、こちらも合わせてお読みください

誰でも同じ理解をして、等しい結果を出せる

仕事を分解して、見える化=言語化し紙に落とすと書きましたが、この際に、誰もが同じ理解をできるようになっていることが正しい状態です。
言語化して紙に落としたものを見たときに人によって理解が違ったりしてしまったり、解釈が発生してしまうと属人化の要素が残ってしまっているということになります。同じ理解ができるので、等しい結果を出せるようになるのです。

社内で仕組み化が徹底されている

仕組み化を実現するためには、仕組み化を何よりも重要なこととして会社全員が捉えて、
仕組みにおいて仕事を徹底的にできる状態、している状態になるまで徹底しなければいけません。ただ仕事を分解して、見える化して、それを社員に説明をしたとしても仕組み化は実現しません。
全員が仕組みの上で間違いなく仕事ができるようになるために、社長はコミットをしなくてはいけません。
仕組みがそもそもなかった中で、仕組みをつくっていくと、属人化していた内容を、決めた通りやっていくように変更をしたり、担当者が代わったりします。
そのため最初は属人化していたやり方のほうが早かったり、楽に思えてしまうので、変わらないでよいのではないかという誘惑が全社を襲います。この誘惑に負けて属人化から結局抜け出せないということが中小企業では起こってしまうわけです。慣れるまではとても大変なのですが、長い目で見れば確実に仕組み化した上で仕事をしてもらうことが決定的に重要です。

仕組み化を加速させるためにシステムを使う

仕組み化というのはシステム化とは異なります。
様々な業務支援などのシステムを使えばよいのか?というともちろん違います。
システムというのは仕組み化を加速させる、後押ししてくれる、サポートしてくれる手段にすぎません。

最も大切なことは、仕組み化の本質を社長が理解をして、仕組みの上で全社が全員が仕事をしている状況をつくることです。その手段としてシステムがあるという関係です。

仕組み化を加速させるためのクラウドシステムなどたくさんありますので、
会社に合うものを選択して、必要に応じて使っていきましょう。

仕組み化のデメリットって?

最後に仕組み化のデメリットについて触れておきます。
結論で申し上げると仕組み化によるデメリットはありません。仕組み化していない=属人化状態と比較するとメリットしかありません。
しかし、仕組み化のためには様々な労力がかなりかかります。仕事を分解し、見える化するということでもかなりの時間がかかります。またこれを徹底してできるようにするためには時間も忍耐も必要になります。これらはデメリットではもちろんないわけですが(仕組み化のために必要なことで、仕組み化によって得られるものは大きいので)、ただ、仕組み化が徹底されないで属人化から抜け出れないと徒労に終わってしまうのでこの点は重々理解をしておいてください。

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まずは、社長がいなくても回る強い組織、仕組みの作り方について無料の動画をご用意していますので、是非合わせてご覧ください。

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著者プロフィール

伊藤 健太

伊藤 健太

1986年生まれ、横浜出身、慶應義塾大学法学部卒業。

23歳の時、病気をきっかけに、小学校親友4名、資本金5万円で株式会社ウェイビーを創業。

10年間で10,000人を超える経営者、起業家の「組織づくり」「売上アップ」に携わる。

社長がいなくても回る強い組織、仕組みをつくる「01組織クラウド

小さな会社、個人事業主のビジネス成長を実現する「01クラウド

の01シリーズを展開中。

2016年10月より、世界経済フォーラム(ダボス会議)の日本代表選抜
2018年9月より、徳島大学客員教授就任
2020年4月より、iU 情報経営イノベーション専門職大学客員教授就任

「行動の品質」「自分の力で稼ぐ力を身につける本」など著書7冊。
日経新聞、エコノミスト、NHKなどメディア掲載も多数。