経営者がマネジメントについて、悩むことが多いですね。
それは、事前に決めておかなければならないことが決まっていないからです。
これまでのStepメールに記入してきた経営理念、Mission、Vision、目標、方針、アクションプラン
どれも、事前に決めておくことです。
これらは、別の視点で見ると、社員の成長度合いや理解度を測る「管理項目」になるからです。
例えば、ボールを10個、管理するのに
- 置き場が決まっていない
- 管理する器が決まっていない
- 管理する時間が決まっていない
では、ボールの管理ができにくいです。
しかし、ボールを10個、管理することとして
- 置き場は、倉庫の棚
- 管理する器はボールが1個1個入る間仕切りのあるケースの中
- 管理のチェック時間は、9:00、13:00、17:00の3回
とすれば、管理がしやすいですよね。
人のマネジメントも、考え方は同じです。
誰が、何をするのか、厳密に決まっていないと 取り組んだ結果なのか、 取り組んでいない結果なのか、 判断ができにくいです。それゆえ、指導も改善もできない。
しかし、
- 誰が
- どこまで(範囲)
- 何をする(役割)
この3点を明確にしておくと、管理がしやすいです。
会社の中の役割と範囲は次のように整理をすることができます。
- 経営者:決断をする役割
会社の存在意義、仕事の方針、方向性を決める。
自社の仕事の完成度、到達点を決める。
決めたことを社内に周知する役割。
- 管理職:経営者の決めたことを社内に割り振り、進捗を見る役割
経営者の決めたことが達成できるように、社内の仕事を割り振りし、仕事の能力(スキル)を管理する。
経営者の決めた方針、方向性に沿い、仕事の完成度、到達点を管理する。
- 中間管理職:後輩の育成、現場を管理する役割
現場の指導者。
仕事の内容と部下のスキルに応じて忍耐力や積極性などの仕事の適性、 知識力、技術力の習得が出来るように指導する。
現場で仕事をしながら、全体の運営について学びながら、作業効率を高めるように行動する役割。
仕事の現場で要求されるスキルに対応すべく、自分自身のスキルアップに取り組む。
- 一般社員:仕事を覚える役割
仕事の実践者。仕事について、会社について覚える役割。
このような役割と範囲を予め決めておきます。
小さな会社は、経営者と管理職の役割が兼務になることが多いです。
予め、役割と範囲を決めたうえで、 状況に応じて範囲を広げたり、狭めたりして対応しているのと、 何も決めずに、社員に役割と範囲を任せているのでは、 管理のしやすさが異なります。
経営者の方が「一生懸命に社員が仕事をしているのはわかるけど、 やって欲しいことと違うから、指導ができないんだよね。」と言う状況は正に、誰が、何処まで、何をするという役割と範囲を明らかにしていないことで、経営者が軌道修正しにくい状況になっているのです。
小さな会社であっても、経営者がマネジメントをする前には誰が、何処まで、何をする役割と範囲を明確にしておきましょう。