【会計の基本】収支計算書と現金出納帳の書き方

ポイント
  1. 経理・会計の基本がこれを見れば一発で分かる
  2. 収支計算書と現金出納帳の書き方を知り、経理の即戦力へ

 経理の仕事は通常、ある特定の分野を分担し、たくさんの資料や帳簿を作成することになります。その中でも基本的な分野が現金勘定になります。

 新入社員として経理部に配属された場合や経理部に異動になった場合、まずは現金の取り扱いを任されることになります。なぜなら、現金は複雑な会計処理を行う可能性が低いからです。

 だからといって、現金の管理が簡単な仕事というわけではありません。現金は、売掛金などの債権や固定資産と違い、すぐに使えるという特性があるため不正を働く人にとっては格好の狙い目です。そのため、現金の管理は慎重に丁寧に行う必要があります。

 今回は、現金にまつわる資料・帳簿である収支計算書と現金出納帳について紹介します。どちらも、経理の仕事についてすぐに作成を任される可能性が高い資料や帳簿です。収支計算書は現金収支の報告目的に使われる資料、現金出納帳は現金の管理目的で作成される帳簿です。

 収支計算書と現金出納帳の意味と帳簿の仕組みをしっかりと覚えて、経理の即戦力となりましょう。

1 収支計算書の書き方

 まずは、収支計算書について説明します。似たような決算書に損益計算書がありますが、収支計算書は利益ではなく資金の収入・支出にスポットを当てた決算書です。

1-1 収支計算書とは

 収支計算書とは、年度などの一定期間における「収入」と「支出」をまとめた決算書です。ここで、収入と支出は実際に出入りした資金についての増減になります。

 個人事業主や企業は、年間または年度の利益と費用をまとめた損益計算書を作成しなければなりませんが、収支計算書は会計上の利益・費用ではなく、実際に年間または年度の資金の動きをまとめます。

 ここで、「利益・費用と資金の増減は同じではないか」と疑問に思うかもしれませんが、年間や年度といった一定期間で区切りをつけた場合、両社は必ずしも一致しません。

 例えば、3月決算の会社が掛取引による商品の売買を行っているとします。この時、3月中に商品を得意先に引き渡し、4月にその対価となる代金を支払った場合に、決算における利益・費用と資金の増減が一致しなくなります。

 会計上は、3月中に商品を引き渡したことで、売上を計上する要件を満たしているため3月度の売上として損益計算書にこの取引を反映させなければいけません。

 一方、資金の動きについては、3月には対価となる現預金はまだ受け取っておらず、4月になって入金された場合にはじめて自らのものになります。よって、決算においてこの取引を収支計算書に反映させてはいけません。

 このように、会計上の利益・費用と資金の増減は、必ずしも一致しません。そのため、利益・費用の動きを表した損益計算書とは別に、決算の際に自らの手元にどれだけ資金があり、それらの資金が会計期間を通じてどのように変化したかを明示するために、収支計算書を作成しなければならないわけです。

1-2 収支計算書の具体的な書き方

 収支計算書には、必ずこの形で作成しなければならないというようなルールはありません。ただし、フォーマットが自由だからといって収支計算書に必要不可欠な事項を抜いてしまっては、作成する意味がありません。

 今回は、以下の収支計算書の作成例をもとに、必要事項を説明していきます。

 

収入の部(a)

科目(b)

予算額(i)

決算額(j)

比較増減(k)

前年度繰越金(c)

200,000

200,000

0

会費収入

100,000

90,000

△10,000

補助金

50,000

50,000

0

雑収入

0

5,000

5,000

当期収入合計(d)

150,000

145,000

△5,000

収入合計(e)

350,000

345,000

△5,000

支出の部(a)

会議費

60,000

50,000

△10,000

備品費

40,000

25,000

△15,000

旅費・交通費

30,000

40,000

10,000

積立金

20,000

20,000

0

当期支出合計(f)

150,000

135,000

△5,000

次年度繰越金(g)

200,000

210,000

10,000

支出合計(h)

350,000

345,000

△5,000

 簡単な収支計算書のひな型になります。実際には、一番右の列に摘要欄を作成して、必要な場合に注意書きを残せるようなスペースを確保するのがいいでしょう。

 ここからは収支計算書を作成する上でのポイントとなる箇所について、上記の例に付したアルファベット順に説明していきます。

 (a)収入の部・支出の部

 収支計算書は、資金の収入および支出についてまとめる表ですから、収入の部と支出の部を分けてそれぞれの内訳を示す必要があります。

 (b)科目

 収入の部・支出の部ごとに、どのような理由で資金が増減したかを明らかにするために、それぞれ適当な科目に分けて金額を記載していきます。科目に関して名前などの制限はないため、収支計算書を利用する人にとってわかりやすいように分類するのが良いでしょう。

 (c)前年度繰越金

 収入の部にはまず、前年度から繰り越してきた金額を記載します。最終的に残った金額を含めて収入と支出を一致させるために必要な項目になります。

 (d)当期収入合計

 (c)前年度繰越金の以下は、当期に発生した収入を科目ごとに記載していきます。そして、当期に発生した収入の合計をまとめて記載することで、全体の収入を明らかにします。

 (e)収入合計

 (c)前年度繰越金と(d)当期収入合計を足した金額が収入合計になります。

 (f)当期支出合計

 支出の欄では、当期に発生した支出を科目ごとに集計し記載します。これらの合計金額が当期支出合計です。

 (g)次年度繰越金

 (f)当期支出合計の下に、当期末に残った金額を次年度繰越金として記載します。この記載は次の(h)支出合計を計算するために必要となります。

 (h)支出合計

 (f)当期支出合計と(g)次年度繰越金の合計を支出合計として、支出の部の最後に集計します。当期に使った金額と余った金額の合計金額となります。(e)収入合計が、前期末から引き継いだ金額((c)前年度繰越金)と当期に獲得した金額((d)当期収入合計)の合計ですから、(h)支出合計と一致します。ここが一致しない場合は、収入の部または支出の部で記載に誤りがあることになります。

 (i)予算額

 当期の計画を前期に策定している場合には、予算額の項目を用いて当期の実績と比較することで、収支計算書を見る人に対する説得力が上がります。予算を立てていない場合は、この列は不要となりますが、健全な運営をするためにも予算を設定するようにしましょう。

 (j)決算額

 当期に実際に発生した金額を記載する列です。(c)前年度繰越金に関しては、前年度に確定している金額ですから、予算額と決算額との間に差異は発生しません。

 (k)比較増減

 予算額と決算額との間の差異を記載する列です。予算と実績の比較をすることで、次年度以降に精度の高い予算を組むことができるようになります。また、項目ごとに差異を集計することで、予算と実績との差異がどんな原因によって発生したかが明らかになります。

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