税務調査の流れや聞かれる内容は? 対策法を紹介

ポイント
  1. 税務調査とは、税務署等が納税者の税務申告の内容について税法に基づいて正確に申告されているかを確認するための調査のこと
  2. 税務調査の流れがわかる
  3. 税務調査=必ず追徴されるわけではない。適切な対応で、正しく申告しよう。

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2 税務調査の流れ

一般的な税務調査(一般調査)の流れは次のようになります。

 

①税務署からの事前連絡

②調査日の日程調整

③税理士への相談および税務調査対策

④実地調査当日

⑤税務署の分析

⑥修正事項や指摘事項の確認および折衝

⑦修正申告書の作成

⑧追徴税額の納付

一つずつ見ていきましょう。

 2-1 税務署からの事前連絡

税務署が実施する任意調査では、一般的に事前の連絡が納税者または顧問税理士に入ります。連絡の際には、実施予定日、調査の対象年度や税目、準備すべき書類等が通知されるはずです。

なお、飲食店など現金で商売する企業などに対しては事前の連絡なしの現況調査が実施されるケースもあります。

 2-2 調査日の日程調整

税務署から調査予定日が通知されますが、実際の日程は企業側の希望に合わせて調整することが可能です。繁忙期など事業で優先すべき事情がある場合などは大幅に日程をずらしてもらえ、2~3週間や月単位で時期を延ばしてもらえることもあります。ある程度融通の利く調査であるため、都合の悪いときは無理をせずに相談してみると良いでしょう。

 2-3 税理士への相談および税務調査対策

税務調査に不安がある場合などは特に税理士に相談し適切な対応が取れるように準備しなければなりません。そのため顧問税理士がいない場合でも臨時で対応してくれる税理士を探してみましょう。

調査では、帳簿のほか納品書、請求書や領収書などが調べられるため要求されれば直ぐに提供できるように準備しておかねばなりません。また、税務調査で質問される、確認される点は大方決まっているため、税理士からその点(後述します)を教えてもらい、対応できるようにしておくと良いでしょう。

 2-4 実地調査当日

実地調査当日は落ち着いて自然体で応対しましょう。調査の実施時間は午前10時から午後4時くらいで、昼食などのお昼の休憩が1時間取られます。実施調査の期間は一般調査なら2日程度が一般的ですが、規模の大きな企業などの場合はもっと日数がかかるケースもあるでしょう。

調査にあたっての質問はさまざまですが、必要最低限の正確な内容を伝える努力が必要です。記憶が曖昧で不確かな内容で答えてしまうと誤解を招き、不信感を抱かれ不利になりかねなりません。わからないこと、どう答えてよいか判断できないことは、「あとで調べて回答する」「税理士に確認する」などと答え、その場での回答は避けたほうがよいでしょう。

 2-5 税務署の分析

実地調査の後、税務署の調査官は調査で得た資料をもとに申告内容の細かな分析を行います。

調査した結果、申告内容に問題がなければ申告内容は是認されたことになり、税務調査も完了です。しかし、そうでない場合も多く、不足している資料についての連絡や提出の要求など入り、指摘事項や修正事項の確認や折衝へと移行するケースも少なくありません。

税務署からの資料の要求などに税理士を通じて対応する場合、納税者は必要な資料を用意したり、作成したりするだけで済みます。なお、税務署の分析に要する時間はケースにもよりますが1カ月程度と考えてよいでしょう。

 2-6 修正事項や指摘事項の確認および折衝

税務署の分析の結果、指摘事項等があれば税理士に連絡が入ってきます。そして、その指摘事項への対処の方法を納税者は決定しなければなりません。

指摘事項等については税理士が内容を分析して、その結果をもとに税務署の主張を認めるか反論するかを決め税務署と折衝していくことになります。

税務署の主張を認める場合は修正申告を行い、罰金を含む追徴税額の支払いが必要になるでしょう。しかし、税務署の主張を認めたくない場合はさらに税務署との折衝を繰り返さなければなりません。両者の主張で妥協点を見出すことができなければ裁判で争うことになります。

修正申告を行わず税務署からの「更正通知」の内容にも応じない場合、国税不服審判所の審査を経て裁判で決着をつけることになります。

ただし、実際は裁判に委ねることなく税理士が両者の妥協点を探り合意に至るケースが多いです。そして、合意が得られれば修正申告の手続に入っていきます。

 2-7 修正申告書の作成

税務署との折衝の結果、合意に至れば修正申告書の作成となります。修正申告書の作成は税理士が行ってくれますが、税理士がいない場合は税務署が作成してくれるため、納税者は作成の心配をする必要はありません。なお、税務署が作成した場合でも納税者側で正確かどうかの確認は重要です。

 2-8 追徴税額の納付

修正申告に伴って不足している税額、延滞税、過少申告加算税といった追徴課税が生じることになり該当するものを納付しなければなりません。

追徴課税には罰金としての延滞税、過少申告加算税、無申告加算税、重加算税の中で該当するものが課され、法人税のほか各種税金が課されるため修正申告が複数年に及ぶ場合は高額の税金となることも珍しくありません。追徴税額の納付は一括で行うのが原則ですが、困難な場合は税務署と協議して分割による納付もできます。

また、法人の場合は法人税の修正申告書は税務署への提出ですが、法人住民および法人事業税などの修正申告書は地方自治体への提出となります。

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