税務調査は税理士に立会いを依頼するべき? メリットや費用を紹介!
- 税務調査に際して、納税者は第三者(主に税理士)に立ち会ってもらうことができます。
- 税務調査1日あたり5万円前後の日当を支給することが多くなります。
- 効率よく適切に終わらせるためにも税理士のサポートを受けたほうが無難
毎年の確定申告できちんと納税しているつもりでも、税務署職員が税務調査に来る場合があります。税務調査と聞くと怖いイメージを抱く方もいますが、多くの経営者も「正しく対応できるのか」「余計なことを言ってしまわないか」など不安になるでしょう。
そこで今回は税務調査の立会いを税理士に依頼するメリットや依頼にかかる費用などをご紹介します。自分だけで対応するのは不安と感じている人は特に参考にしてください。
税務調査と聞くと、「何か脱税の疑いを掛けられているのではないか」「何か犯罪に巻き込まれたのではないか」など悪いイメージを持つ方も少なくありません。しかし、税務調査は、確率は低いですがどの企業でも対象になる可能性があるものです。
税務調査とは税務署が納税者の申告書や帳簿を確認して、申告内容に誤りが無いかを確認する調査のことを指します。
なお税務調査には2種類あります。
1つは、納税者の同意を得て行う任意調査です。基本的には税務署からのアポイントによって日付が決定されます。あくまでも任意なので、会社のスケジュールに合わせて日付を決定してもらうことが可能ですし、業務の都合上、調査を受け入れられない場合は、断ることも可能です。
ただし、むやみに断ると強制調査の対象になる可能性もあり、法律によって罰則を受ける場合もあるので、調査はなるべく受け入れたほうが良いでしょう。
もう1つの調査は強制調査です。これは納税者の同意なしに裁判所の臨検捜索差押許可状によって行われる調査方法であり、利用者は拒むことができません。強制調査になった場合は、脱税の疑いを持たれており、税務署が何ならかの刑事責任を追及する証拠を見つけようとしているものとなります。
税務調査では会社の帳簿やその根拠となる領収証などの帳票が必要になるためきちんと用意するようにしたほうが良いでしょう。
一般的な税務調査の流れは、事前に電話でアポイントを取られ、数日の調査が行われます。問題があった場合はその旨の指摘を受けます。納税者は指摘された内容どおりに修正申告を検討します。そして、どうしても納得できない場合は納税者と税理士、税務署で話し合って落としどころを決定します。
交渉が決裂して、納得できないのであれば修正申告に応じないことも可能です。ただし、その場合は税務署長による更正処分が下されるため、対抗するために納税者は「異議申し立て」を行います。そして、国税不服審判所による審査や裁判訴訟を経て、申し立ての正当性が判断されることとなります。
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税務調査に際して、納税者は第三者(主に税理士)に立ち会ってもらうことができます。
企業に対して税務調査が行われる場合、企業の経営者や税務調査の企業側の担当者は、税務署職員からの質問に答える必要があります。しかし、大抵の場合は企業側の担当者は税務に関する知識が無いため、正しく対応できないことがあります。このようなときに、税務調査できちんと対応できるように第三者に立会いをしてもらい、アドバイスをもらったり、代わりに対応してもらったりすることが可能です。
立会いができる人については法律上の制限はありませんが、一般的には税務調査の立会いは税理士が行います。税務のスペシャリストである税理士の税務の独占業務のひとつに、企業の経営者や担当者の代わりに税務署職員の質問に答えたり、担当者に助言を行ったりする業務があり、第三者がこれを行うことは税理士法違反に当たります。
なお、基本的には税務調査の立会いでは税理士の資格が必要ですが、実務的には税務調査のはじめに税理士が挨拶だけして、あとは税理士資格の無い事務所職員に立会いを任せて、税理士はその場所から離れてしまうこともよくあります。厳密に考えるとグレーですが、実際には容認されています。
税務調査は納税者自身で対応することもできますが、税理士に立会いを頼むメリットは次のようになります。
①税理士から税務調査に対する的確なアドバイス・対応をしてもらえる |
無資格者でも税務調査に立ち会うことは可能ですが、税務の専門家として、税理士以外の人がクライアントにアドバイスしたり、税務署職員と議論したりすることは法律によって禁止されています。事実上は税務調査のサポートをしてもらおうと思えば税理士に依頼するほかないですが、税理士は税務のスペシャリストとして税務調査の立会いにも長けています。 |
②税理士は税務調査を適切に乗り切るノウハウを持っている
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税務調査の対応はどうしても社内にノウハウを蓄積しにくい領域です。脱税に関して重要な疑いでもない限り税務調査に頻繁に入られることはありません。ほとんどの会社は税務調査に対して初心者であり、税務調査と聞くだけでプレッシャーを感じる経営者も少なくありません。一般論として税務調査の対応について最もノウハウを保有しているのは税理士です。税理にサポートを受けることによってスムーズに税務調査を乗り切ることができます。 |
③代わりに質問に答えたり、抗議してくれたりする
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税務署職員は疑うのが仕事になるため、どうしても意地悪な質問をしてくるケースもあります。答えれば不利になったり、答えなくても良かったりすることを聞いてくるケースもあります。このようなときに適切にサポートしてくれるのが税理士です。税務署職員との間で納税者が不利にならないように回答の仕方を助言してくれ、税務調査の方法に問題があるのであれば代わりに抗議してくれます。 |
④結果的にコストを削減にもつながる |
納税者自身で対応するよりも、税理士に依頼したほうが、対応のための拘束時間が減ります。また、税務署の要求するように修正申告を行うのではなく、必要な修正だけで済むように交渉してくれます。税務調査の対応の仕方がわからない状態から手探りで対応策を考えるよりも、税理士に立会いを依頼してもらった方が業務効率は高くなり、結果的に、税理士に依頼した方が結果として安上がりになることが多いです。 |
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