新任マネージャー向けマネジメント講座 9.自分に関わる人を理解する

小さな会社のマネージャーは、社内のほとんどの方と交流することになるでしょう。
その中には、あなたとはとても親しく慣れそうにないかたもいらっしゃるかもしれません。

しかし、小さな会社の人間関係の問題は、離職の要因になります。出来るだけ、みんなで仲良くできることが理想です。

そこで、今回は相手を理解することについて説明をします。
アルバート・バンデューラというカナダの心理学者が考えた、社会的学習理論というのがあります。
この理論は、人は他者を観察し模倣することによって新しい行動を獲得する。
他人をモデルにして学ぶことから「モデリング理論」とも言われます。

つまり、人はその人が育った環境(育成環境)である親御さんや、お友達、小・中学校の先生、世間からの期待などの影響を大きく受けると言われています。

その人が、今れ育った環境で、何を見て何を聞き、どのような体験をしてきたか。
そのお手本(モデル)は何かによって、人の考え方や判断基準が育まれます。

つまり、同じ26歳の男性でも、価値観や食べ物の趣味、人との過ごし方は、東北生まれか、九州生まれかでなどの、生まれ育った環境によって必ずしも同じとは言えないという事です。
至極、当然の話なのですが、なぜか日常生活の中では、このことが忘れられているのです。

例えば、お昼をみんなと一緒に食べない人がいると
「あの人みんなと一緒にお昼を食べないんだって。変わっているよね。」
とか
社内のレクリエーションがあるとき、参加しないという人がいると
「日ごろから暗いもんね。人と付き合うのが嫌いなんじゃない。」
などと
それぞれ個人の価値観で相手をジャッジしてしまいます。

このような発言をされてしまうと、言われた本人は、弁解が出来にくいですね。
マネージャーは、このようなフィルターで社員を見ることの無いように、心がけましょう。

先ほどのように、お昼を一緒に食べないような人がいたり、イベントに参加しない人がいた場合は
なぜ、一緒の行動をしないのか、なぜ、イベントに参加しないのか、ゆっくりと落ち着いた口調で理由を聞きましょう。

もしかしたら、何か理由があるかもしれません。
人の行動には、全て訳(理由)があると言われています。
その理由を知ることで、相手への理解を深め、友好的な関係を作ることができます。

表面的な言動だけで、相手をジャッジすることなく、その言動を行う理由を聞き、相手に対する理解を深め社内の人間関係の調整に役立てましょう。


 

 

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著者プロフィール

権堂 千栄実

権堂 千栄実

中小企業サポートネットワーク(略称スモールサン)キャリア構築プロデューサー

1964年4月 宮城県石巻市生まれ 高校を卒業後、事務職から数回の転職後

1989年7月 日本ソフトバンク(現ソフトバンク株式会社)入社 営業事務で勤務

1993年10月 日本ソフトバンク退社後 OAインストラクターとして活動

1998年10月 結婚を機に福岡へ転居 翌年 長女 出産

2000年1月 派遣スタッフとしてOAインストラクターの仕事復帰

2003年3月 J-PHONE⇒Vodafone⇒SoftBankMobileのブランド移行時の研修プロジェクトに参加。本部研修開発チームのメンバーとして、研修カリキュラムの開発、資格試験の構築、評価試験の運営を5年間担当。

2008年2月 株式会社Campanula 設立
人材開発コンサルタントとして活動開始

社会人でも仕事の中で「初めて」なことがあります。
その「初めて」のことを「自分で出来る」ように、経験の積み重ねるには設計が必要です。

人の「初めて」を出来るように設計することは、事業計画と並列で考え取り組んで行くことです。その人の育成と活用を経営戦略としてご提案します。