今さら聞けない「株式」とは何か?

ポイント(この記事は10分で読み終わります)
  1. 株式会社ってなに?
  2. 株式投資はしたことがありますか?
  3. 株主にとって会社が儲かるかどうかは死活問題です
  4. 非上場会社の株式は簡単に売買できない

はじめに

起業を考えている皆様!

ビジネスを始めるにあたって、「個人事業主」として始めるか「法人=(会社)」として始めるか、法人として始めるとしても「株式会社」にするのか「合同会社」にするのか
迷っている方もいらっしゃることでしょう。
参考:個人事業と法人の違いを超わかりやすく解説
参考:起業するなら合同会社と株式会社のどっちがオススメ!? メリットとデメリットを徹底比較!


色々、周りの先輩経営者からの助言や、今やネットで調べれば、100%の信頼性があるかどうかは別にして調べられないことはほとんどないと思います。

(完全に余談になりますが、私が前職で1年ほど一緒にプロジェクトで協業した大手コンサル会社のコンサルタントは4年前の時点で「今やネットで調べられないことは、20%ぐらいしかない。どうやって調べるかではなく、「何を調べるべきかに気付くこと」、「調べたことにどのような意味があるかを自分なりに理解すること」が重要であると言っていました。4年経過した今では、もっと進化しているのではないかと思います。)



今日は「会社」を設立することを前提に、そもそも「株式」とは何かについて説明します。そんなこと分かりきっているよという方は、この記事は全然つまんないので読まなくて結構です。

ちょっとでも、「ドキっ」とした方は、ぜひ読んでください。ところで、「日本一わかりやすい~~」というネット記事やビジネス書を読んでみて、「???」ってなった経験はありませんか?

確かに、実際に分かりやすいと思ってそうした記事を読むことが多いです。私の職業は公認会計士です。自分でいうのも何なのですが、いわば「専門家」ですw

他の士業さんが書いている記事は本当に分かりやすくて素晴らしいと思うものもあれば、特に税務関係の記事は専門家である私が読んでも「???」もあります。
(たぶん正確性を重視しているのでしょう。)

そのうち、分かりやすいと思う記事を私の妻に読ませてみました…最初の2行ぐらいは何とか持ちこたえられるかと思いましたが、タイトルで脱落しました。

そんな妻でも、非正規雇用ではありますが、きちんと仕事ができています。


恐らく、起業を考えている皆様にとって何より大事と考えていることは「集客」と「商品力」ではないかと思います

ビジネスをどういう形で運営していくかということは、絶対に必要不可欠な知識ではありますが、本来的には「集客」や「商品力」と比べると優先度が低い項目のはずです

そこで、会社の仕組みの知識を得るために「日本一わかりやすいXX」を読む、でも実際は「???」となる。どうしてそうなるのでしょうか?それは、別に皆様の「センスがない」とか「頭が悪い」とかでは決してありません。


なぜなら、『「専門的」な記事は「専門家」が書いているから』です。専門家は日常会話として「専門用語」を使っています。そうした「専門用語」は、本当は「専門外」の方にとっては、「外国語」みたいなものです。

自戒の意味も込めて言いたいのですが、専門的な知識は、お客様の知識レベルに合わせて、できるだけ「専門用語」を使わずに説明したいといつも思っています。前振りがとても長くなってしまいました。


そうした観点から今日は「株式」とは何かについて、できるだけ「わかりやすく」説明したいと思います。
(それでも理解できなかったら、100%私の責任です。申し訳ございません。m_ _m)

この考え方を理解できたなら、ある程度、合同会社との違いも理解できるかもしれませんので。

こちらも合わせてお読みください
スタートアップとは?意味や特徴、ベンチャー企業との違いをご紹介!

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1.株式会社ってなあに?

株式会社とは、株式を発行する会社です
 

株式会社とは
細分化された社員権(株式)を有する株主から有限責任の下に資金を調達して株主から委任を受けた経営者が事業を行い、利益を株主に配当する、『法人格』を有する企業形態である。

参考:Wikipedia 株式会社

株式を発行するとは、お金を欲しい会社が一定の人に一定の価格で、自分の会社の株式を買い取ってもらうことです。という説明で理解した方は、たぶんもうこの記事を読む必要はないでしょう。わかりやすく説明します。


例えば、貴方が1,000万円の軍資金でビジネスを始めたいと思います。でも、1,000万円の貯金があれば問題ないのですが、お金が足りない。そんなときどうしましょうか。

銀行から借りればよい。

はい、正解です。
日本政策金融公庫さんとか、その他の金融機関でしたら、信用保証協会さんなどが創業資金を融資してくれる場合があります
参考:見落としてはいけない補助金の3つの落とし穴

では、銀行がお金を貸してくれない、もしくは借金したくない、親戚からもお金を借りたくない…。

そんなときはどうしましょうか。
解決策として、こんなことが考えられます。



1,000万円を例えば1口=1万円にして、知り合いからお金を集めるという手段です
(別に自分でお金を出してもいいんですが…)

その知り合いは懐具合に応じて何口でも購入することができるとします

購入くれた方には、一定の期限までにお金を返さない代わりに、会社が儲かった際に、購入してくれた口数に応じてお金を配るなどの特典を与えるものとします。ただし、会社が倒産した場合には会社に支払ったお金は帰ってこないものとします。

また会社との関係は、お金を出し、会社が儲かったときに特典をもらえるだけの関係で、会社が倒産したとしても借金取りなどに追い立てられることはないものとします

お金持ちの知り合いはより沢山の口数に応募することができますし、知り合いが多ければ、1人あたりの口数が少なくとも、沢山の口数を集めることができます。だとすれば、1,000万円集められる可能性は高くないですか?また、お金を出す方にとっても、小口であればリスクが少ないというメリットがあります。



この「1口」のことを「株式」といいます。また、「株式」を買ってお金を会社に出してくれた人のことを「株主」といいます


「株式」を銀行からの借入と比較した場合の特徴は、銀行からの借入は期限が来たら借りた金を返さないといけないし、会社が儲かっていようといまいと利息を支払わないと
いけないのに対し、
「株式」は基本的にお金を「株主」に返す必要がない上に、基本的に会社が儲かったときだけ特典を与えればよいと違いがある点です。

しかも、この見返りをもらうかどうかは、株主間で話し合って決めることができ、たとえ会社が儲かったとしても会社にお金を溜めておいたほうがいいと思ったら見返りをもらわないということもできます。

この「会社が儲かったときにもらえる見返りのお金」のことを「配当金」といいます


ちなみに、このように「株式」を発行して「株主」に買い取ってもらったことで得たお金のことを「資本金」といいます
(注:必ずしも「株主が買い取った金額」=「資本金」とはならないケースもありますが、ここでは説明を簡略化するため、具体的な解説は止めておきます。)

株式を買い取ることでお金を出すことを「出資」といいますが、「資」本金になるお金を株主が「出」すから出資と言います。


これまでの例では知り合いからお金を出してもらうケースで説明しましたが、株式は貴方自身が、自らお金をだして自分で株式を買い取り、株主になることもできます。
(というよりも貴方自身がお金を出さないケースはまず考えられません。)

そして、資本金は会社のビジネスのために使われていきます。たまに勘違いする方がいるのですが、金庫をあけても「資本金」はありません。借入金が金庫の中にないのと同じことです



ところで、なぜ持っている口数に応じて「配当金」を払うのでしょうか。

例えば、1,000万円の株式を発行して会社を設立する際に1口=10,000円で株式をAさん、Bさん、Cさんに引受(お金をだしてもらうこと)してもらうとします。

Aさんは500口=500万円、Bさんは300口=300万円、Cさんは200口=200万円株式を買い取ってもらったとします。
それぞれ、例えばAさん、Bさん、Cさんに平等に100万円ずつ配当したとします。

合計で300万円ですね。

この分け方、本当に平等だと思いますか?
出している金額が違うのだから、出してもらっている金額の比で分けるのが本当の「平等」ではないでしょうか。

なので、この例の場合、実際に300万円を配当する際には、Aさん=150万円、Bさん=90万円、Cさん=60万円という分け方をします。


これが株式会社の仕組みです。

まずは、これを念頭においてこれ以降の記事を読んでください。

2.株式投資はしたことがありますか?

皆さんの中で株式投資をしたことがある方はいらっしゃいますか?そもそも、株式投資をした銘柄は証券会社を通じて売買したものだと思います。

証券会社で売買されている株式は、「証券取引所」というところが、一定の審査を経て「株主市場」で売買してもよいと認められた銘柄の株式です
参考:Wikipedia 証券取引所


株式市場は、証券会社を通じて、「いくらなら○○社の株式を買いたい」という人達の注文を集約するとともに、証券会社を通じて「いくらなら○○社の株式を売りたい」という人達の注文を集約した結果、折り合った金額で売買価格が決まる「市場(いちば)」です

そして、株式市場で取引される株式を「上場(じょうじょう)株式」といい、上場株式を発行する会社のことを「上場会社」といいます。

皆さんが通常売買できる株式になります。

株式市場は、まあ言わば、物凄い大人数で行う市場でのセリみたいなもんですね。
(※ 大口の取引の場合には必ずしも市場を通さない取引もあるのですが、仕組みが複雑なので詳細な説明は割愛します。)


ところで皆様が株式投資を行う際の動機は、恐らく以下の3つに分類されるのではないかと思います。

① 将来の値上がりを期待して、安く株式を仕入れて高く売り抜けること

専門用語では「キャビタルゲイン」といいます。
 
業績アップが見込まれる会社は、現在は「配当金」が少ないとしても、将来にはより沢山の「配当金」をもらえることが期待できるので、より沢山の方が株式を買いたいと思います。その結果、株価は高くなります。

② 発行した株式会社が利益を出したときに受け取る「配当金」の受け取りを期待して株式を購入すること

専門用語では「インカムゲイン」といいます。

より多くの配当をしてくれる会社はより沢山の方が株式を買いたいと思うので、株価は高くなる傾向があります

なお、会社にお金を残したほうがより沢山稼いでくれそうなときは必ずしも「配当金」が多いからと言って、株価が高くなるとは限りません。ちなみに、「配当金」を出さずに会社にお金を残すことを「内部留保」といいます。

③ 一定の株式数を保有することによって株式の発行会社から「株式優待」という形で一種のおまけをもらうことを期待して購入すること

たとえば、外食産業だったら、一定のお食事券がおまけでついてくることもあります。これは、「おまけ」をつけることによって、その会社の株式を買いたいという人が多くでてくる可能性があるからです


 

このように、その会社の株式を買いたいという人が多くなると、株式の発行会社の株価は高くなります


ちなみに、この株の売買で会社にはお金が渡っているでしょうか?

会社にはお金はわたっておらず株式を買った方は、一定の手数料を証券会社に引かれた上で、株式を売ってくれた方にお金が渡っているだけです。ということは、株式市場で株を売買することは会社の設立時に株主に出資してもらう行為と性質が異なるものだと言えます。


株価が高くなることは、株式を持っている方にとってはとても有利になりますが、実は株式を発行している会社にとっても有利に働きます

なぜなら、新しく株式を発行するときに、高い株価を基準にして出資を受けることが可能になるからです。


株価が1株100円のときに、1株100円未満の安い金額で新しく株主を募集したら現在株を持っている株主は損をしますよね。
例えば、1株90円で新しく株式を発行するとなると、株主はこう思うはずです。

「最初から90円で株式を買えると分かってたら90円で株式を買ってたよ~~」

なぜなら、株主はより安く株式を仕入れて、より高く売り抜けたいからです。実際に、現在の株価よりも相当程度安く株式を発行する場合には株主にお伺いをたてなければいけないことになっています


以上のことから、会社サイドとしては、株価が高ければ高いほど、新しく株式を発行する際に沢山のお金を集められる。なので、会社は株価を高くしたいのです



このように、株式を、証券会社を通じて「株式市場」で容易に売買できるようにすることが「株式を上場する」ということなのです。


ただ、ここで考えて欲しいことがあるのですが、例え容易に株式を売買できるとして、あんまり「よくわからない会社」に株式投資したいと思いますか?そこで、上場会社には様々な会社の状況を逐次・詳細に情報開示(=どれだけ儲けたか、どうやって儲けたか、そもそもどんな会社なのかなど)を行う義務があります


この義務を果たすのには、大変なコストがかかりますし、義務を果たすための仕組みづくりにも大変な労力とコストがかかります。この結果、皆さんは「この会社の株を買ってもいいかな」という意思決定を行うということになるのです


一旦、ここで、これまでの話を整理すると、株式を購入するということは自分が一定の金銭的メリット(株式の値上がり、配当の受け取り、株主優待)を得るためということに他ならないということになります。

そして、こうした金銭的メリットを得るためには、株式の発行会社が「儲けている」ということが前提になります

 

まとめ
✔ 株式を買うということは、株式をもった人(=株主)が儲けるためである
言い換えると、株式は株主が儲けを上げるための手段である。
✔ 人間は株価が高くなりそうだったり、配当金が沢山貰えそうな会社の株式を買う

 

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