会社設立で気になる「設立日」「決算日」の決め方

ポイント
  1. 会社の設立日とは
  2. 会社の決算日とは
  3. 決算日を決める重要な6つのポイント

起業を目指している方の中には、設立日はいつにしたらいいか、決算日はいつにするべきか、などと気になっている方もいるのではないでしょうか。会社の設立日や決算日は法律面での制約を受けるほか、経営面等を考慮して設定する必要があります。ここでは起業者が最も気になる会社の設立日と決算日の決め方について、重要なポイントや法律上の制約などを紹介しましょう。

1 会社の設立日とは

ここでは設立日について説明します。

 1-1 会社設立日の法律上の扱い

会社法によれば株式会社を設立する場合、会社の設立日は法務局に設立登記を申請した日が「会社の設立日」になります。つまり、設立者(起業家)の希望で設立日を決めることが可能というわけです。そのため、会社設立日を自分に関係する記念日や縁起の良い日などが選択されるケースも少なくありません。申請日が会社設立日となりますが、法務局で申請が受理されなければならないので法務局が休日の土日祝日などは当然、設立日になり得ません。なお、「登記完了日」が設立日ではありません。勘違いされやすいので注意しましょう。

また、法務局へ申請する方法によって受理される日が異なることがあります。申請する方法には、「窓口での申請」「郵送による申請」「オンラインでの申請」の3つがありますが、受理される日は以下のようになります。



なかでも郵送による申請は郵送方法や郵送日数により到着日時が影響されるので、希望の日に受理されない可能性もあるので注意が必要です。
なお、登記の完了には申請してから数日から2週間程度かかるケースが多いですが、実際の必要日数は各法務局やそのときの混み具合により異なります。ほかにも申請内容に不備が認められる場合は修正が求められます。修正箇所が多すぎるとその申請を取り下げて再度申請し直すということもあります。

 1-2 会社設立日を決める2つのポイント

会社の設立日は、何かの記念日や縁起がいい日にすることも可能です。しかし、企業経営者なら知っておきたい2つのポイントがあります。

①開始したい業務の都合に合わせて決める
業務を開始したい日時にあわせて会社設立日を決めていくという方法もあります。例えば、「この日から業務を始めなければビジネスチャンスを逃す」といった経営上の都合です。また、業務の開始にあたり特定の許認可を取得しなければならない場合、その許認可が必要な時期までに設立登記を完了する必要があります。そのため設立申請はその設立登記の完了予定日から逆算して決めることになるわけです。

②均等割による節税を考慮して決める
法人住民税のひとつに、都道府県・市町村に事務所や事業を設置することで徴収される均等割があります。均等割には都道府県民税の均等割と市区町村民税の均等割の2つがあります。

・ 均等割の種類
1.都道府県民税の均等割
2.市区町村民税の均等割
ここでは会社の設立日に関係する市区町村民税の均等割について紹介しましょう。

・東京都特別区で会社を設立する場合
例えば、東京都内特別区で会社を設立して事務所を設置した場合、その均等割は(特別区内に事務所または寮等を有していた月数/12)×税率(年額)で計算されます。
市区町村民税の均等割=(事務所を持っていた月数÷12)×税率
なお、月数は暦に基づき計算され、事務所等を設置していた期間のうち1月未満の端数は切り捨てです。ただし、事務所等が設置されていた期間がその事業年度を通じて(つまり、全期間で)1月未満の場合は1月になります。

・会社設立日=4月2日、決算日=3月31日とすると5900円の節税
税率は法人の資本金や従業員数などにより異なりますが、例えば、一般の法人で資本金1,000万円以下、従業員数が50人以下の場合、その均等割の税率(年額)は70,000円です。しかし、上記の会社が2016年4月2日に設立し事務所を構えた場合、均等割額は11月/12月×70,000円=64,100円になります(※100円未満切り捨て)。2日での設立・事務所の設置となった4月は1月未満の端数扱いで切り捨てになるのです。そのため年間では11月分の均等割となり70,000円-64,100円=5,900円の節税となります。

2 会社の決算日とは

ここでは決算日の設定や変更など法律上のルールについて説明していきましょう。

 2-1 決算日の法律上の扱い

会社の決算日は自由に決められます。ただし、会社設立日から1年を超えて設定することはできません。会社を設立するさいに定款で会計年度を定めることになり、それに伴い決算日の設定が必要になります。会社計算規則では、会社の会計年度は1年を超えられないとされているので通常1年で設定され、会社設立日から1年以内に決算日を設定するわけです。

日本の上場企業の場合、3月を決算月にする会社が多いですが、これは行政の会計年度に合わせるなどの経営上の都合により設定された結果で、法的な理由からではありません。自社の経営上最も有利で都合の良い月に決算日を設ければよいのです。

 2-2 決算日の変更

事業を開始してからでも決算日や会計年度を変更することは可能です。簡単ではないですが、以下の3点の手続きが求められます。

①定款を変更するための株主総会による特別決議
定款には事業年度が決められているため、それを変更しなければなりません。定款を変更するには株主総会を開き特別決議を得る必要があります。定款の変更については決算月を変更するだけなので、大した手間はかからないでしょう。また、小規模な会社、特に同族会社などは株主総会の開催の手間も費用も多くはかからないので、変更の負担は比較的小さいといえます。

②税務署への「異動届出書」の提出
株主総会の決議後は、所轄の税務署等へ異動届出書を提出します。その際に変更した定款の写しが求められる場合もあります。

③取引先への連絡
これは法的な手続ではないですが、経営の観点から銀行などの取引関係のある金融機関や主要な取引先へは変更の件を連絡しておくべきでしょう。特に金融機関には変更の理由などを簡単に説明しておいたほうが余計な疑念を持たれずに済むかもしれません。

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