会社の定款ってどんなもの?定款・電子定款について総合的に解説

ポイント
  1. 定款って何?基礎知識
  2. 定款に記載する内容とは?
  3. 会社設立の流れについて
  4. 電子定款について

目次 [非表示]

皆さんは、定款(ていかん)と言うものをご存知ですか?または聞いた事があるでしょうか?

もしかすると、起業等をされた方にとっては、知っていて当然の事であったとしても、そうではない方にとっては、聞いた事がない言葉かもしれません。それに、読み方も難しいですよね。定款は会社を作る時に、関係してくる物の1つです。

今回は、その定款について、解説をさせて頂きたいと思います!

ちなみに、今回の記事内容につきましては、一般的に設立されやすい「株式会社」と「合同会社」についての解説内容をさせて頂きますので、予めご了承下さい。

1.定款って何?基礎知識

定款と言うものは、会社を起業して設立する際に、作る書類の事を言います。会社を作る時と言うのは、登記をしたり、構える事務所と契約をしたりと、大変忙しいスケジュールで設立する事になる方が多いと思うのですが、実はこの定款と言う書類も、会社を設立する上では必ず作らなくてはならない物とされているのです。

その定款に記載する中身には、様々な内容を記す事になっています。例えば、従業員の就業規則と言うものがありますよね?従業員が働く際、その就業規則の内容に沿って、労働する時間を決めていたり、の指針となるような物です。それと同じように、会社の指針を記すものが「定款」と言う事です。つまり、作る会社自体の組織をまとめる規約みたいな物と言う事です。

その定款を作る事により、そこに記された内容に従って会社運営を行っていくのです。

1-2.定款認証の効力とは?

次に、定款の認証について、解説をしておきたいと思います。意外かもしれませんが、実はこの定款を作ったと言う事だけでは、法律的にその定款の効力を発生させる事はできないのです。わかりやすく表現すると、不動産の登記と同じような要素です。

家やマンションを購入したとしても、その買ったと言う事実は残りますが、他の誰かに、この土地や建物、マンションは自分の物であると主張する物がありません。そこで、購入した土地等の不動産を、登記する事によって、第三者に「これは私の物だ」と主張する事が出来ます。

それと同様に、定款にも「定款認証」と言うものがあり、これは公証人役場に居る公証人によって認証を受ける事で法的な効力を発生させる事が可能となるのです。この認証を受けずに定款を作った場合、会社を設立したとしても、その設立自体が無効となってしまい、株主から無効が原因だと言う事で提訴される可能性が生じてしまいます。

まずは、定款認証と、その必要性や効力について、頭に入れておきましょう。

1-3.合同会社は定款認証はいらない?

上記では、会社の設立時には、定款を作成し、その認証を受けなければならないと申し上げました。しかし、作成後に認証については、必要とされていない会社形態があります。それが「合同会社」です。つまり、株式会社では定款認証を受けなければなりませんが、合同会社の場合は定款認証を受ける必要はないということです。

ではなぜ、株式会社には必要なのに、合同会社には必要ではないのでしょうか?まず、そもそもの定款と言うものは、会社の基本的なルールを定めたものであり、その内容に従って運営を行う必要があります。

認証を受けるに当たり、会社の発起人自身が作成したものであるのかどうか?や、設立後に争い等になった場合、その定款がどのような内容なのか?について、確定出来なかった場合には不都合が発生してしまいます。それらの事態を防ぐ為にも、確実に証明する事ができる制度であると言う事が新会社法の道標でも定義されているわけです。

定款の認証を受けていない場合に起こるトラブルとしては、例えば会社の相続等が発生したような場合や、定款自体を見つけたとしても、それが本当に設立された時の正式な物かどうかの判断がつきません。

つまり、改ざんされた可能性等の問題が発生すると言う事です。しかし、認証をしていた場合には、公証役場で設立された時に作成された定款の原本を確認する事が可能ですから、様々な証明をする事ができます。そこを理解した上で、株式会社と合同会社の違いについて考えてみましょう。

株式会社の場合、株式を発行する一方、合同会社は株式を発行しません。ここで明確に分かれる所は、株式会社は株式を発行し、その株主と会社を設立し経営をしている人が分かれると言う事を想定している会社です。

一方、合同会社の場合には、所有と経営者自体が分離する事がありません。合同会社の場合は、出資者となる社員(この社員とは、一般的な会社の社員と言う意味ではなく、合同会社の場合、設立する為に出資した出資者、つまり経営者全員が社員と呼ばれていますので、間違いがないようにしましょう)が、それぞれで会社の所有する権利を持っており、その全員が会社の経営に関与しており、定款を変更する場合においても社員全員の同意が必要なのです。

ですから、株式会社とは違い、トラブル等が起きにくいと言う考えから定款の認証は省略されるということです。合同会社特有の会社形態と言う特性によって、認証をする必要がないと言うわけですね。

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2.定款に記載する内容とは?

では次に、定款に記載する内容について、解説をしていきたいと思います。定款に記載する内容については、大きく分けて3つの分類があります。

絶対的記載事項

この絶対的記載事項と言うのは、「絶対」と付く事からお分かり頂けるように、必ず定款に記載しなければならない事項と言う事になります。その中身としては、「商号」「事業所の所在地」「事業の目的」「発起人の氏名と住所」「資本金の額」等が該当します。これらの事項は、絶対的な記載事項として定款に記載する必要があります。

相対的記載事項

次に、相対的記載事項です。これは、①のように絶対に記載しなければならないと言うものではありません。ただし、定款に定めておくと、結果的に効力を発揮させる事ができるような事項の事を意味しています。具体的な相対的記載事項としましては、取締役会の期間の記載や、株主総会における招集期間の短縮等が該当してきます。

任意的記載事項

最後の3つ目が、任意的記載事項です。こちらも、絶対に記載しなければならない事項には該当していません。ですから、記載が無かったとしても、定款自体が無効になる事はありません。つまり、設立する際に、会社として自主的に追加したい内容を記載する事項です。ただし、定款に記載されるわけですから、規則としては強い拘束力を発揮します。また、その内容については、法律にある定めの範囲内であれば、どのような事項でも記載して良い事になっています。

3.会社設立の流れについて

定款は、会社の設立をする際に、どのタイミングで作成されるのかについて、簡単な流れを見ておきましょう。まず、設立するにも、定款が必要なわけですから、最初の段階において定款の作成をする必要性が出てきます。定款の作成が終わりましたら、株式会社の場合は、定款認証を受けます。そして法人として登記を行い、設立に至るのです。

ですから、定款は会社の設立や、登記、認証を受ける前に、作成をします。

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4.電子定款について

会社の設立には、定款作成が必要だと申し上げてきましたが、定款には「電子定款」と言うものがあります。従来の定款の作成では、書面にて作成を行い、公証人役場において認証をしてもらうと言う流れが一般的でした。しかしながら、時代の流れと共に、現在ではインターネットやパソコン等が多く普及している時代です。

それらに伴う形で、2004年に、書面にて作成された定款だけではなく、PDF化された電子媒体によって、定款の送信をインターネットによって認証を受ける事が可能となっているのです。この電子媒体にて作成された定款の事を電子定款と呼びます。

ただし、注意点としては、定款のデータを送信したら終わりと言うわけではなく、実際に公証役場に行く事で手続きを受けた定款を受け取らなければなりませんから、ここは覚えておきましょう。

この電子定款にするメリットとしましては、従来の方法であれば、書面にて作成していましたから、その書面は課税の対象として印紙税を支払わなければなりませんでした。

その金額は、印紙代として4万円支払う必要があります。

しかし、電子定款の場合は電子媒体として取扱いが行われますから、印紙税は必要ありませんし、非課税と言う事になるのです。つまり、印紙代の4万円が必要ではなくなると言うことです。会社を設立する場合においては、設立費用として一定の資金を用意しておく方が良いです。ですから、少しでも節約が出来ると言うのは、大変メリットとなるわけです。

4万円と言っても、小さなお金ではありませんから、電子定款にして印紙代を支払わなくても良いと言うのであれば、そうした方が断然お得です。ただし、電子定款は、基本的にご自身で行わない方がベストです。

その理由としましては、電子定款を行うにも、それをする為の専用ソフトや、電子証明書の発行費用等がかかります。これをご自身で用意するとなると、購入するだけでも6万円以上はかかる計算になります。ご自身でするのは良いですが、4万円の印紙代を節約する為に、それ以上の金額を投資しても結果的にはマイナスになるだけです。

それでは、意味がありませんから、電子定款はご自身で行うのではなく、電子定款を行っている專門のプロにお願いする方が良いでしょう。会社を常に設立し続けると言うのであれば、電子定款が出来る物を購入しても良いですが、会社設立は、そう頻繁には個人で行う事はないと思います。ですから、手数料を支払って、専門家に依頼する事をオススメします。

また、依頼料についても、4万円と言う印紙代に比べれば圧倒的に安く済みますので、お近くの電子定款ができる士業事務所等で検索をかけてみましょう。

5.まとめ

いかがでしたか?

今回は、会社の設立における、「定款」について、総合的に解説をさせて頂きました。

定款は、会社を設立するには、絶対必要であり、作成しなければ起業する事が出来ないと言う事がお分かり頂けたと思います。

これから起業を検討されている方は、定款と言う物を理解した上で、しっかりと作成を行い、会社設立までに、こぎ着けましょう!

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