個人事業主なら知っておくべき所得税の基礎知識 計算方法や法人税との違いなど

ポイント(この記事は5分で読み終わります)
  1. 収入・所得・課税所得の違い
  2. 所得税の計算方法
  3. 所得税と法人税の違い

個人事業主にとって一大イベントである確定申告。1年間の所得にかかる所得税の額を計算し、税金を支払うための手続きです。

会社員であれば、勤務先が計算して納税まで行ってくれる所得税ですが、個人事業主は自ら年間の収入と経費を集計して税金計算を行わなければなりません。所得税は、自らが申告・納税をしなければならないので、基礎知識をしっかりと抑えておく必要があります。特に、事業で得た収入と所得税計算の基礎となる所得は違うので注意しましょう。

今回は所得税の基礎知識として、収入と所得の違い、所得税の計算方法を説明します。また、個人事業主として事業を行うか、法人化して事業を行うか、どちらが税金面で優遇されているのかを考えるために、法人税と所得税の違いを紹介します。

1 収入・所得・課税所得の違い

所得税は、1年間(11日~1231)で得た収入にかかる税金です。しかし、収入すべてに税金がかかるわけではなく、収入を得るために使った必要経費の額や所得控除額を差し引いた「課税所得」の額をもとに、決められた税率を用いて所得税額が計算されます。

税額計算の基礎となるのは、収入ではなく課税所得なので、収入と課税所得の違いを正しく知る必要があります。まずは、収入と課税所得、そしてこの2つの中間に位置する所得の関係を説明します。

1-1 収入と所得の違い

収入は、1年間の売上とほぼ同じと思っていただいて構いません。厳密には、事業上の売上だけでなく、株式の配当や不動産から得られる賃貸収入なども含まれます。年間で稼いだ総売上が収入となります

一方、所得は、収入から仕入原価や事務所・店舗の賃借料、従業員の給与などの経費を差し引いたものです。これらの経費は、「必要経費」といいます。簡潔にまとめると、収入と所得の関係は以下の式のように表すことができます。

収入-必要経費=所得

1-2 所得と課税所得の違い

所得税額計算の基礎となる「課税所得」は、所得から所得控除と呼ばれる各種控除を差し引いた金額となります。

所得控除とは、家族構成や個人的事情の違いから生じる担税力(税金を負担することができる能力)の違いを考慮して、課税の公平性を図るために所得税額計算にさいして差し引くことができる項目のことです。

なお所得控除は全部で以下の14種類があります。

  • 雑損控除
  • 医療費控除
  • 社会保険料控除
  • 小規模企業共済等掛金控除
  • 生命保険料控除
  • 地震保険料控除
  • 寄付金控除
  • 障害者控除
  • 寡婦()控除
  • 勤労学生控除
  • 配偶者控除
  • 配偶者特別控除
  • 扶養控除
  • 基礎控除

詳細については省略しますが、多額の医療費がかかっていたり、保険料を支払っていたりする場合は、控除できる金額が増えるかもしれないことに留意しておきましょう。また、基礎控除はすべての人が対象となり、38万円を無条件で控除できるものとなります。忘れることのないようにしましょう。最後に所得と課税所得の関係が以下のようになっていることをもう一度抑えておきましょう。

所得-所得控除=課税所得

こちらの記事も合わせてお読みください。
確定申告って何?個人事業主で経理がわからない方必見!

2 所得税の計算方法

 前章では、所得税の計算方法の基礎となる、課税所得について簡潔に説明しました。所得税額は、課税所得をもとに以下の式によって算定されます。

 所得税額=(課税所得×所得税率)-課税控除額-税額控除

 課税所得に関しては前章で解説しましたので、ここでは所得税率と課税控除額、税額控除について説明します。

2-1 所得税の税率

 課税所得を求めたあとで、課税所得の金額に応じて下表の税率および課税控除額を使って、所得税額を算定します。

 

課税所得金額

税率

課税控除額

195万円以下

5

0

195万円を超え 330万円以下

10

97,500

330万円を超え 695万円以下

20

427,500

695万円を超え 900万円以下

23

636,000

900万円を超え 1,800万円以下

33

1,536,000

1,800万円を超え 4,000万円以下

40

2,796,000

4,000万円超

45

4,796,000

所得税は、課税対象額が大きくなるほど、より高い税率を用いる累進課税制度を採用しています。そのため、上記の表のように税率および課税控除額が段階的に定められています。

2-2 所得税の控除項目

先ほど所得控除として、所得から減額することのできる各種控除を解説しましたが、それとは別に税率を掛けたあとの所得税額から直接控除できる項目があります。それが、税額控除と呼ばれるものです。

代表的な税額控除は、住宅借入金等特別控除です。これは、住宅ローンを組んでマイホームを新築、取得または増改築等をした場合、一定の要件を満たした場合に、一定期間(10年または15)、税額控除として所得税の負担が軽減される制度です。

個人事業主の方は毎年確定申告を行いますが、サラリーマンでも住宅ローンを組んだ時に住宅借入金等特別控除を受けるときには、自ら確定申告しなければならない、という意味でも代表的かつ有名な税額控除です。

これ以外にも寄附金に関する控除など、さまざまな税額控除があります。前章で紹介した所得控除に比べると利用する機会は少ないですが、税額そのものを控除するインパクトは大きいので、確定申告の最後に必ず税額控除の漏れがないか確認するようにしましょう。

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