【第13回】シニア起業で勝ち組になる秘訣〜経営コンサルタントのメニュー例「再就職支援サービス」
- 再就職支援サービスを知る
- サービス展開の考え方
- カウンセリングとコーチングスキルが大きな武器になる
雇用調整マスタープランの後工程は「再就職支援サービス」です。新聞の経済欄を見て気づくことですが、大手企業の希望退職者募集の記事をよく見かけます。内容は、希望退職者募集の条件として、下限年齢(〇〇歳以上)、募集人数、加算退職金の月数、最後に「再就職支援サービス」を付けることが明記されています(稀に明記されていない記事もある)。
雇用調整は早期退職制度実施による目標退職者数確保を前工程とし、このことによって発生した退職者に対する「再就職支援サービス」を後工程として完結します(【第12回】末尾に掲示した雇用調整マスタープラン工程表参照)。新規参入する経営コンサルタント(ここでは数あるコンサルタント名の総称)起業家は雇用調整の後工程である「再就職支援サービス」を正しく理解しておくことが大切です。再就職支援サービスのプログラム構成を精査するとキャリア開発、ビジョン設定のプロセスが理解できます。
これらは企業研修の売れ筋のテーマです。教材があれば企業研修講師の仕事ができるようになります。クライアント(早期退職者のこと=再就職活動者)は再就職支援プログラムのサービスを享受する期間中、キャリア・カウンセラーの全面的支援を受けます。キャリア・カウンセラーはカウンセリング(メンタル及びキャリアの両分野)とコーチングのスキルを有する者があたります。
カウンセリング(メンタルカウンセリング及びキャリア・カウンセリング)及びエグゼクティブ・コーチング(ビジョンコーチングを含む)の両スキルを修得することによって「再就職支援サービス」のキャリア・カウンセラーの仕事ができるようになります。退職者の送り出し企業は「再就職支援サービス」を専門業者に業務委託します。
経営コンサルタント起業家はその専門業者にセルフマーケティング手法を使って売込み、合意すれば専門業者よりカウンセリング業務を託します。前職経験が営業管理職、製造技術管理職、経理財務管理職等が歓迎されます。人事管理職はその次となります。キャリア・カウンセラーは3ヶ月ごと更新の業務委託契約が一般的です。双方が望めば、話し合いの結果、年間契約或いは若年から壮年層の場合は期間の定めのない契約へ移行することもよくあります。
再就職支援業者においてはクライアントの入所受け入れ(再就職支援サービスを受けるために専門業者の施設に通い始める者のこと)が月次でバラバラです。クライアントは当初5日間ほどは毎日通ってきますが、以後週一回の通所となります。キャリア・カウセラーの受け持つクライアント数は業務委託主(専門業者)と話し合いで決めます。したがって週実動5日のうち2~3日が施設内での仕事となります。
キャリア・カウンセリング(標準60分/人)を主体として、レジメ(履歴書・職務経歴書のこと)制作支援、求人情報提供、クラアントが応募を希望する会社へ本人に代わって電話による直接売り込み代行、面接対策(模擬面接のロールプレイング)、定着対策(大企業病の払拭/意識改革)などが仕事になります。
この直接売り込みの時に人事出身者はクライアントの品質レベル、技量レベルをなかなか評価できないので業務委託主からみると歓迎度は営業・技術・経理財務の次点にならざるを得ないのです。ただし、しばらく従事すれば努力次第で比肩できるレベルになりますので心配は要りません。
再就職が決定すると新たに受け持つクライアントが一人追加されます。以後同じ。固定給と一人再就職が決まるごとに報奨金支給という制度にしているところが一般的です。ビジネスパーソン時代、会社勤めでは一社専業でした。脇目も振らず働いてきました。経営コンサルタント起業家はその習性から仕事の範囲を「あれか」「これか」「それか」いずれか一つづつ完結させていくのが仕事と考えがちです。