上手な銀行との付き合い方マニュアル(お金を借りるにはコツがあった!?)
- 銀行の付き合い方
- マメに自社の事業を報告し、信用を勝ち取ることが肝要
- 資金調達の際にも、事前に事業計画をしっかり見せておく
まずは個人間の例を出して考えてみましょう。昔からの親友から一時的に1万円を貸してくれないか?と頼まれたとして、あなたは親友に対して担保を提供することを要求するでしょうか?ほとんどの方は親友にお金を貸す行為に対して担保を要求することはないのではないでしょうか。
なぜあなたは親友のお金を貸してほしいという頼みに対して担保を要求しないのでしょう?それはおそらくですが、親友であれば担保などを要求しなくても間違いなく貸したお金をしっかりと返済してくれるものと信用しているからではないでしょうか。
では銀行が担保を要求する理由はなぜなのでしょうか?それは銀行はお金を貸してほしいという相手を基本的には絶対的に信用をしていないからと言えるでしょう。特にあなたがこれから会社を設立するのであれば、起業直後の会社は既存の会社以上に銀行に対しての信用度は落ちるものであると最初から認識しておくことが必要となってくるでしょう。
新規設立の会社であれば、お金を貸してほしいとお願いに行く前段階の事業活動を行うための必須なものである銀行口座の開設ですらなかなかできないということが数多くあることも理解しておくといいでしょう。本当に会社の銀行口座を作ることですら難しいのかと不思議に思う方は、GoogleでもYahoo!でも構いませんので一度「法人口座開設 困難」などの検索ワードで検索してみてはいかがでしょうか。
銀行を信用させなければいけないことは理解できたとして、一体どのようにすれば銀行を信用させることができるのでしょうか。
最適な方法はあなたの会社に利益が出ていることでしょう。お金を貸す側である銀行にすれば一番の注目は貸したお金が無事に返済されることであって、そのためには利益がしっかりと出ている会社であれば少なくとも問題ないだろうと判断することは相違ないということになります。
しかし本質的に言いたいことは利益が出ていればいいので利益をとにかく出してしまえということではないのです。上記で銀行があなたの会社の内情を把握していることを説明させていただきましたが、それはあくまでも過去から現在のことを理解しているのであって、未来のこれからの経営状態については銀行でもさすがに予知をすることは不可能ですので、把握することはできません。
これまでの経営状態がこのような状況であれば、今後も世界経済の状況が大きく変動しない限りはこのままの状態で推移するのではないかと予測する程度であるということになります。しかしこの程度の予測であれば、銀行に信用してもらって、実際にお金を貸してもらうためにはまだ不足していると言わざるを得ないでしょう。
あなたが銀行の担当者と対等な立場で話をして融資の相談ができるようになるためには、経営者であるあなた自身がどのようなビジョンを描いて会社のことを考えているのか?、長期的な目標として会社をどのように導いていくことを考えているのか?、長期的な目標を達成するための手法や成長の根拠はどのような部分にあるのかについてを、あなた自身の言葉で説明して担当者を納得させることが最も重要なことになると言えるでしょう。
では実際にどのような行動をすればいいのかを考えていくことにしましょう。
具体的な行動としては、最低でも1年に1回は会社の事業計画書(経営計画)を持って銀行の担当者に説明に行くといいでしょう。
銀行側から事業計画書を見せてほしいといったアクションを起こしてから行くのでは、本当に銀行と付き合う気があるのかを疑われてしまいかねませんので、積極的にアポイントをとって、あなたの方から積極的にアプローチをしていくことを心掛けるようにしましょう。
さらに好感度を上げて銀行の信用を勝ち取るためには、毎月の事業の進捗状況も報告しているといいでしょう。四半期(3か月)ごとでも構わないかもしれませんが、本気で銀行との付き合いがしたいと考えているのであれば、面倒だと思ったとしても労力を消費して状況を報告することは非常に有効であると言えます。
会社の経営者であるあなた自身が銀行に直接的に足を運ぶという行為が何よりも重要なことであることを忘れないようにしましょう。このような行動を積み重ねていくことで、銀行はお金を貸す側として会社に対して安心感が生まれてくることになりますし、上記でも説明している起業家にとっての銀行の存在の2つ目である、経営に関してアドバイスをいただける存在として機能してくることになるのです。
銀行との付き合いは会社を経営していくうえでは必須なことですから、付き合うのであれば上手な付き合いができるようになるようにしましょう。銀行を上手に使いこなすという考え方を持つことも大切になるのではないでしょうか。
そのためにも、銀行には担当者に会社を訪問してもらうのではなく、自らが足を運ぶ方法を選択しましょう。
皆さんも銀行の例え話として、「晴れた日には傘を貸してくるものの、実際に雨が降ると傘を取り上げる」というものを一度は聞いたことがあるかもしれません。
実際の生活で晴れた日に友人でも知人でも構いませんが、傘を貸してあげると言われたとして、あなたはどのような対応をするでしょうか?
対応としては2つが考えられると思います。
①今は必要はないがせっかく貸してくれるというのだから、ありがたく借りておこうと考えて傘を借りておく。
②今は必要ありません!困ったときに貸してくださいと言って傘を借りることを断る。
2つの行動の中で銀行と実際に付き合う際にはどちらが正解なのでしょうか?
答えとしては「どちらも正解であることもあり不正解であることもある」ということになります。
答えのその理由をこれから説明させていただきます。
お金(傘)を借りる場合の条件が非常に魅力的であれば、借りることを考えてもいいでしょう。例えば、借りたお金の金利負担額に見合うもしくは超える、各種の手数料(振込手数料やネットバンキングの利用料などです)が減額されたり無料になるのであれば考慮する価値は十二分にあるでしょう。
お金(傘)を借りる場合には、銀行でのあなたの会社の担当者ではなく、支店の責任者である支店長と懇意になるように心掛けるといいでしょう。
銀行が晴れた日にお願いに来るということは、銀行の支店全体が何からの原因でお金を借りてくれないと困っている状況に置かれているということです。ですから、せっかくですので支店の責任者である支店長と懇意になっておくのです。残念なことがら、銀行であっても会社の担当者である営業マンには何の権限もありませんから。
当然ですが、会社にお金を借りたとしても全くメリットがないのであれば、きっぱりと断りましょう!
銀行の支店長は人事異動で頻繁に交代することが多いですし、懇意になった関係が新しく就任してくる支店長に引き継がれるってことはまずありえません。
起業家なら、晴れた日に傘を借りる時は、ビジネスライクに行動することを心掛けるようにしましょう。
馴れ合いで行動したとしても、何もいい結果をもたらすことはありません。
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