自動車分解整備業に関する開業や許認可、登録等を総合的に解説!

ポイント
  1. 自動車分解整備業ってどんな仕事?
  2. 自動車分解整備業の許認可について
  3. 自動車解体整備業における、認証工場・指定工場とは?

目次 [非表示]

3.自動車解体整備業における、認証工場・指定工場とは?

国土交通省の情報によりますと、自動車分解整備業には、国から認可を受けますが、それには「認証工場」と「指定工場」の二種類が存在しています。自動車分解整備業として、これから開業を考えられている方は、こちらの知識を頭に入れておいた方が良い為、解説をしておきたいと思います。まず、「道路運送車両法49条第2項」の法律によりますと、「分解整備」と言うのは、原動機、動力伝達装置、走行装置、操縦装置、制動装置、連結装置を取り外して行う自動車の整備、または改造を言うとされております。

この、分解整備を行おうとする場合、地方運輸局長の認証を受けなければならないわけですが、この認証を受けた工場の事を「認証工場」と呼びます。

一方、「指定工場」と言うのは、上記の認証工場のうち、設備や技術、管理組織等について、一定の基準に適合している工場においては、申請をすることによって、地方運輸局長が「指定自動車整備事業」としての指定をしているのです。

この指定を受けた工場のことを、「指定工場」と呼ばれていると言うことになります。

つまり、指定工場と呼ばれるには、まず認証を受け、認証工場になった上で、更なる一定の基準に適合し、再度申請することで指定工場として名乗ることが出来ると言うわけなのです。

3-1.認証工場と指定工場の具体的な違いって何?

次に、それぞれ2つの工場の、具体的な違いや、メリット等について解説をさせて頂きます。2つの工場には、わかりやすいように、見える場所にそれぞれ認定をされていると言う証となるプレートの表示がなされていますので、すぐにどちらの工場であるかは、把握が出来ると思います。

認証工場の場合は、基本的に費用を安く抑えることが出来る一方で、検査ラインと言うものを持っていない為、車検に出す場合、車検場まで車を持って行かなければなりません。その理由から、車検にかかる時間が指定工場よりも、長くなってしまうのが特徴です。

一方、指定工場として認められている工場については、検査ラインの設置が行われていますし、国家資格取得者が居ますから、設備投資には認証工場より費用がかかってしまうものの、場合によっては1時間程度で車検が終わると言う場合もあり、利用されるお客様にとっては非常に便利な工場となります。

ただし、指定工場の場合は、もしも検査の基準を満たしていないような車を合格させてしまった場合、営業を停止されるような処分を受けることがありますから、この事からもお分かりの通り、認証工場に比べると、圧倒的に検査基準が厳しいと言うことになります。

ただし、お客様にとっては、その厳しさによって安全や安心を高める効果がありますから、利用される方も必然的に、指定工場の方が多いのではないかと推測します。また、大体街中にあるようなメーカ直系のディーラーや、スピード車検!等と謳っている工場は、基本的に指定工場の認可を受けていると言うことになります。判断がつかないと思われる場合には、前途にも解説があったように、工場の見えやすい場所にプレートが掲げられているはずですから、それを見て判断することができるでしょう。

以上のような事からすると、絶対に指定工場を選んだ方が良いのでは?と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、別にそのような事はありません。認証工場であっても、大変腕のいい整備士も居る場合も多く、どちらが良いと言う事は言えないのです。また、認証工場であれば、日数はかかるものの、値段を安くしてくれたり、融通が利きやすい等の利点もありますから、そこはお客様のニーズに合わせたサービスを提供する事が大切だと言えるでしょう。

4.自動車分解整備業として開業する

現在では、多くの自動車分解整備業を行う事業者が沢山あります。ですから、料金をいくらくらいに設定するか?や、お客様のニーズ、そしてサービスの多様化等、様々な点に目線を向けて、開業を考える必要があると言えます。また、自動車を取扱うわけですから、数千万円以上するスーパースポーツや希少な車の場合には高額な料金をお願いするケースも出てくる事でしょう。お客様に不満や、不安を抱かせない為にも、親切な説明や、料金体系をはっきりさせておく等の対策が必要だと言えます。

4-1.開業に必要となる資金の目安

まず、自動車分解整備業として開業する場合、重要なポイントは、認可を受ける為の要件を満たすスペースや場所の確保と、分解整備ができる人員が最低でも2名となっていますから、自分1人だけが分解整備ができるとしても開業する事はできないと言う点です。

従業員を雇うとなると、開業してからすぐに売り上げが出るとは限りませんから、半年から1年程度の一定期間の給与を確保しておく必要がありますし、認可の要件には「このくらいの高さやスペースが必要ですよ」と言う条件がありますから、よっぽどの事がない限り、自宅で開業すると言う方は少ないと思われます。

その場合、どこかの場所を賃貸したり、購入する等して場所の確保をしなければなりませんし、そちらも売り上げには関係なく、賃料やローンを支払う必要がある為、その資金についても見越しておく必要があると言えます。また、その他、店舗の建設にかかる費用や、内装にかかる費用、そして機械や設備の導入費用等も諸経費として計算上に入れておく必要があります。

勿論、これらの金額は、規模や、将来的に指定工場にするのかどうか?等の、それぞれの事情によって異なりはあるでしょうから、一概にこの資金があれば良いと断言はできません。まずは、どのような規模であるか?や、将来的にはどうしていきたいのか?等を具体的にイメージし、着実に準備を進めて行く事をオススメ致します。

おすすめの関連記事

ー会社設立の前に把握しておこう!ー
会社設立で気になる「設立日」「決算日」の決め方

ー知っておきたい経理のことー
確定申告って何?個人事業主で経理がわからない方必見!

関連記事