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コンビニオーナーも立派な起業!ベンチャーマインドを持つべき商売

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現在では様々なサービスが可能になり、生活インフラとして絶対的な存在になりつつあるコンビニエンスストア。公共料金の支払い、宅配サービスはもちろん、住民票の取得や宝くじの払い戻しに至るまで。ただ、提供サービスが増えれば増えるほど、従業員の労働量は爆発的に増え、その割に賃金が上がっているとは言い難い。仕事としての人気は下降の一途を辿っているように見えるが、全体の店舗数は増える一方である。

なぜ「コンビニオーナー」として起業する人が増えているのか?

アルバイトからそのまま社員に昇格し、2店舗の新規立ち上げに携わった男性にインタビューさせていただき、コンビニエンスストアの経営・運営のヒントをインタビュー内容からストーリー形式で迫っていきます!

Yさん(取材させていただいた方)が語るコンビニ経営の実態

Yさんは元々クリエイター系の専門学校を卒業し、フリーランスで活動していた。

といっても実績もない若者がいきなり食べていけるわけもなく、同じくクリエイターとして活動している友人たちとシェアハウスをしながら極貧生活を送ることになる。

そんな中でもなんとか生活していたYさんであったが、運の悪いことに、提携先の会社のトラブルに巻き込まれ、いよいよ仕事がなくなった。「好きな仕事!」などと言ってる場合ではなくなり、藁にもすがる思いでコンビニバイトの面接を受けた。

無事面接に合格し、フリーターとして生活を立て直したYさんだったが、本人も意図せず、マーケティングや店舗運営の才能が開花。そのままコンビニの2号店、3号店の立ち上げを任されるようになる。

B to Cの奥深さ

Yさん「これは運が良かったんですけど、そのとき入った店舗は、基本的にアルバイトでも、ある程度の裁量を持たせるのが通例で、接客だけでなく発注、在庫管理、商品のレイアウト、今後推していく商品など、あらゆることに口出しできるので、色々なことにチャレンジできました。」

雑貨関連の発注を任されたYさんは、本部の担当社員に基礎的なデータ分析を習い、消費者の反応を丁寧にヒアリング、試行錯誤の先の反応を基に様々な工夫をしていった。働き始めて1年目で自分が発注した商品カテゴリが前年比で164%の売上を記録し、小売業の奥深さに気づいたという。

Y「そのとき何が流行ってるかなんて、オーナーは(小声で)おじさんだからわからないじゃないですか(笑)だからまずは、人気アニメ関連の商品など流行りものを揃えたんです。店舗の立地としては若い単身者もファミリーも多かったから。あとその地域は人口と世帯収入が多いという情報があって、つまり子供でもお小遣いが多いんですよ。だから多少高くても買ってくれるかなと思って (笑)」

「適切な商品を、適切に発注し、適切な位置に配置すると商品は売れた。商売として当たり前のことだが、マーケティングの入り口としては正解だったと思う。」とYさんは振り返る。接客面では、顧客との関係を良好に保つことを徹底し、常連客と食事にも行き、遊びにも行き、とにかく情報を仕入れた。

売れることがおもしろくなり、運営にも興味を持った。本部の担当社員に教えてもらった「仮説→行為→検証」の価値観を様々な業務に対して遂行し、試行錯誤を繰り返した。

失敗も成功もあり、これはこれで良い仕事だなと実感したという。

そんな中、オーナーから「二号店を立ち上げるから店長をしないか?」と切り出される。

はじめての店長

Yさん「当時のコンビニなんて、今もそうだけど次の仕事への腰掛的なところがあるでしょう。だから店を任せられる人材はなかなかいないんです。面白がって仕事をしていて、世間感もある程度分かってる若年社員候補ってのが僕しかいなかったんです。良い機会だったので、正社員にしてもらう約束で店長を引き受けることにしました。。「やりたい仕事」は一旦そこで諦めました(笑)」

2号店の商圏は事業所が大変多く、客層も穏やかな好立地であったが、立ち上げは甘くなかった。

Yさん「1年目がホントだめだった。コンビニは夜の売り上げがメイン。事業所立地だと夜はみんな帰っちゃう。売り上げが伸びなければ営業費も使えない。人件費に限りはあるけれど、それ以前に従業員が確保できない。当時からコンビニはアルバイトとしては割に合わない仕事になってましたね。人もいないし、従業員も不慣れな子ばかりで、常に監督してないと不安。気が付けば400連勤とか、38時間休憩なしの連続勤務とか…。オーナーは休めと言ってくれますけどなかなか…。」

鬱のような症状も出始める中で打開策を毎晩考えた。結論として従業員を増やすために、まず社内満足度を上げることを目標にした。

Yさん「従業員のプライベートまで踏み込んでとにかくコミュニケーションを取りました。ご飯とか遊びにもしょっちゅう連れて行きました。一緒にジムに通ってみたり、悩み相談もしこたまやりました。仕事はつまらなくても仕事仲間と一緒にいるのは楽しいという環境を作りたかったんです。それに早くこの状態を抜けたかった。」

少しずつだが、空いたシフトを埋めてくれる従業員が増え始め、無理をさせた分はさらにケアに努めるようにすると。募集するまでもなく、従業員が友達を連れてきてくれるようになり、人はすぐに埋まった。Yさんは次の手を打った。

人間関係の構築は仕事そのもの

Yさん「顧客との接点作りの中で『常連同士とか、常連客とアルバイトを繋げる』というのは独自の取り組みだったと思います。『バイト同士じゃなく客と喋れ』というのは最初から言い続けてました。短い接客時間で会話を成立させるにはそれなりのスキルが必要です。レジを打っている間にどれくらいの情報量をやりとりできるか。それをお客様相手にやらせるんですけど、これって今考えたらピッチトレーニングの類ですよね(笑)」

顧客との会話の中で、話を隣の従業員に振る。その従業員が顧客との関係を構築する。会話が多くなれば店の信頼度も上がり、近隣のコンビニから客を奪う結果となった。

人員に余裕が生まれ、母店のときのような従業員主体の店づくりができるようになると、売上は勝手に伸びていった。責任者として必要なスキルを獲得するため、バックオフィスの部分も改めて勉強した。これらの経験をひとつの「モデル」として運営し続け、2年半後、3号店の立ち上げもYさんが担当した。

マーケティングは消費現場で行われるべき

Yさん「接客って最高のマーケティング手段だと思うんです。それにマーケティングこそ消費現場で行われるべきだとも思っています。消費者に寄り添った事業形態が作れますから。

お客さんの顔色を直接見て分析する、感想を聞く、スタートアップ界隈で言うところのペルソナが1日1000人以上来る、数字はPOSが勝手にデータ化してくれる、それを分析するノウハウは教えてもらえる。全部タダですよこれ(笑)」

コンビニオーナーのメリットは、ただ単に利益だけでなく、ビジネスパーソンとして大きく成長させる可能性があるとYさんは語る。

コンビニの店長を辞め、今の仕事に就くまで

Yさん「3号店を出すころには、現場での様々な視点からのマーケティング、ブランディング、分析、コミュニケーションスキル、あらゆるものが身につきました。明らかに成長しているという実感を持てるほどに。そうすると会社にも成長スピードを求めるようになってしまったんですね。そこで少しオーナーとの考え方のズレが生じました。ほんとに多くの方たちに独立を勧められましたが、もっと成長して大きなフィールドとスピード感で仕事をしたいと思ったので退職を申し出ました。今考えれば独立しときゃよかったかなってちょっと思ってます(笑) 正直、やり方次第では十分な報酬、時代の流れやビジネストレンドを肌感覚で獲得できます。ゼロイチのスタートアップと比べるとよっぽど恵まれた環境でスタートできる、ハードルの低い起業モデルだと思います。フランチャイズって改めてすごいなと思います。」

転職にあたり、引継ぎ業務に入った。

Yさん「テクニカルなことはマニュアルにも書いてるんで教えやすいんですけど、ベンチャーマインドを持って仕事をするということを伝えるのは苦労しました。こればかりは自分で気づいていくしかないですからね。対話を通して、「ビジネスをやってる気にさせる」というか、まず入り口に立たせるということを意識しました。その上で、周りにアンテナを張って、小さなチャレンジをし続ける重要性は伝えられたかなと思います。」

現在は転職し、スタートアップやアトツギベンチャーをサポートするイノベーション拠点で職員として働いている。

ネットの噂の真相

・Yさん「ネットでよく言われるような、廃棄直前の弁当を値下げしたとか、商品を従業員に買わせたとか、そんなこんなで裁判沙汰になっているとか取りざたされてますけど、そんな事をして文句言ってるオーナーは経営センスがないだけですよ。」

とバッサリ。

「確かに、本部側の思惑としてその地域でこれだけ売りたいからと、大量の発注を打診されることもありますけど、本当に無茶な数字なら僕は断ってましたし、それでも本部としっかり話し合って発注量を決めるようにしてました。本来「仕入れたものを売る」のが仕事ですし。フランチャイズである以上、本部との良好な連携を築けないならコンビニオーナーにはならない方がいいですね。」

当然ながら、オーナーがどれだけ体を張っても利益がでない事もある。ただ、その場合は本部側が別店舗を用意し、移店させることもある。

Yさん「そのオーナーさんは家族で経営していて、立地のせいで10年くらいホントに儲かってなかったようです。人件費も抑えに抑えて、オーナーもずっと夜勤に入って、配達もして、寝る時間も3時間あるかないか。それでも経営努力を怠らなかったんです。そして本当に厳しい状況になったときに、すでに売り上げが立っている直営店にFC店として移店されたんです。経営努力の塊みたいな人だったのですぐに良い結果を生みましたよ。10年苦労して良い結果が出るんですからビジネスとして考えたら苦労した期間は妥当じゃないですかね。」

直営店を作る事情

Yさん「直営店って、僕の感覚では立地のいい場所ではなく、すこし経営難度の高い場所にある傾向が強いんじゃないかと思います。理由としては、他チェーンに出されると困るけど、FCオーナーをそこに入れても儲けを出す事は難しいので、本社の力である程度良い環境を作り、フランチャイズオーナーに譲るというのが戦術なんじゃないかなと。」

コンビニの経験とこれからの自分

Yさん「商売を知らない素人でも経営・運営のノウハウを実践で学び、本部の助けも得ながら、地域や他店舗とのコミュニティを築き、刺激を受け合って切磋琢磨しながら経営者として腕を磨ける。その中で、ベンチャーマインドを持って働けば、他業種が喉から手が出るほど欲しがるスキルが身につく。実際、ただの貧乏クリエイターだった僕は今、大企業や行政のキーマンと接点を持ち、議論できる土俵にまで上がってこれた。ビジネス視点を持ったおかげで、本来やりたかったクリエイティブな仕事も舞い込むようになってきました。」

これからについて

「まだまだシーズ先行というか、社会課題解決と言いつつ自分の技術を前に出したい起業家志望の人は多いと思います。もっと本質の部分を大事にできる起業家が増えればいいなと思っているので、今後もそういう環境づくりに関わっていきたいですね。」

とYさんは語る。

おわりに

今回は、実際にコンビニ運営を経験し、またその経験を現在の別の仕事に還元させて挑戦を続けているYさんにインタビューさせていただきました。

コンビニ経営の酸いも甘いも経験した上で、Yさんにとっては、人生をプラスに変える良い経験になったとのことでした。

これからコンビニ経営を検討している読者の方も、素人からでも大きな成長に繋がるフランチャイズ起業も一考に値するのではと思います。

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