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経営計画書の作成から効果的な運用で会社を変える方法

ポイント
  1. 経営とはそもそも何かということの理解ができる
  2. 経営計画書を作成することで経営者が変わり会社が変わる
  3. 経営計画書使って会社をよくしていく方法までご紹介

目次 [非表示]

経営計画書の作成の仕方から、効果的な運用までご説明します。中小企業の経営者が会社を一層成長させるためには、経営計画書というツールを活用することがとても効果的です。

経営計画書の作成は手段に過ぎませんので、ここでは経営とはそもそも何か、中小企業経営者が抱えるそもそも大きな問題とは何かということも合わせてご説明します。

経営とはそもそも何か

経営の神様と言われた、ピータードラッガーは、「経営とは、人を通じて物事を達成する業だ」と言っています。「人」を通じてということがとても重要な点です。ここで言っている人というのは、必ずしも従業員だけを指しているわけではなく、経営者自身、会社従業員、お客様、提携先、地域社会、規制当局などの全て利害関係者を指しています。

また、人を通じて=人を動かすということです。

人は何故動いてくれるのか?と言えば、もちろん現実的にはお金も必要でしょうが、合わせて、「素晴らしい未来」も必要になります。経営者の力量というのは、まさにこの「素晴らしい未来」を人に示すことができるか?だと思っています。なぜなら、お金だけで人が動くのであれば、お金を現在たくさん持っている会社はうまくいくわけですが、現実はそうではないですよね。

創業したてのベンチャー企業には大企業と比べてお金に余裕など微塵もありませんが、圧倒的に優秀な世界を変えるような人が集まっています。これは何故でしょうか?


まさに「素晴らしい未来の姿」で動かした結果だと思っています。つまり、未来を描くことが経営者の仕事だと言えると思います。

経営者の仕事は未来を描くことであって、未来のイメージのないところに経営はなく、繁栄はないです。優れた企業は必ず優れた未来像を持っています。

経営計画書とは

未来像をしっかりと具体化・言語化したもの、そこに数字をくっつけたものが経営計画書と言われるものになります。経営計画書は、会社にとって最も大切となる経営理念を実現することや、経営理念を実践するための経営を行うために、経営における戦略や実際の具体的な目標をわかりやすく示したものです。

何となく経営理念を持っている会社は多いと思います。また、何となく今年の会社の目標を持っている会社も多いと思います。しかし、経営理念を実際に実現するための具体的な道筋を明確にできている会社はとても少ないと思います。

つまり、多くの会社では、経営理念はつくっておしまいとなっており(または、経営理念を持っていない会社もあるかもしれません)、毎年何となくの目標を立てているという状況で、すなわち、何となく経営をしているという状態なわけです。

多くの会社の経営を航海に例えると、目標地点はとても曖昧であり、今のいる位置、これからまず目標地点に対して短期的に目指している位置など全然わかっていない中で、風や、波に任せて勝手に船が進んでいるような状況だと思ってください。


どうでしょうか?とても怖くないですか?

経営者の仕事は、未来を描くこと(=経営理念の実現やそのための具体的な戦略や目標)です。優れた会社は必ず優れた未来像を持っています。

ちなみに、経営理念を重視し、経営理念に基づき会社経営をできている会社は90%以上が、業界平均以上に成長し利益を生み出しているというデータがあります。
参考:ハーバード・ビジネス・レビュー
20207月号

経営理念を実際にツール=航海で言えば羅針盤として生かして経営をしていくことができるかどうかは会社業績を変えます。また、会社の目的である経営理念を実現するという意味で実は最も本質的なことです。ただ、多くの会社は実際にはできていないということです。

経営計画書というのは、まさに、経営者自身が会社の未来を描くことそのものになります。経営計画書を作成する過程の中で、経営理念を見つめなおしたり、経営理念を実現するための具体的な戦略、目標を決めていきます。経営計画書を作成することだけでも経営者として、会社として間違いなく視座が上がり、成長ができます。


経営計画書はいくつかのパートでできていますが、現在とゴールである経営理念の間を特に埋めていくことを考えることにもなります。35年後(中期経営計画)に我社はこうあるべきだという未来をデザインしていきます。素晴らしい未来を築くために、今何をしなければならないか、という現在の決定=経営計画書を作成することこそが真の目的と言っても良いです。

経営理念について詳しく書きましたのでこちらも合わせてお読みください。

経営理念を徹底活用で会社が強くなり業績アップする話

経営者は経営者の仕事をしていない大きな問題

経営者の仕事は間違いなく未来を描くことです。しかしながら、多くの中小企業の経営者の現状はどうなっているでしょうか?有名な時間管理マトリックスで見てみましょう。

「重要・重要でないこと」「緊急・緊急でないこと」を軸として時間を考えてみましょう。

 

 

緊急

緊急でない

重要

1領域

締め切り直前のタスク

クレームへの対応

2領域

人間関係作り

予防行為

最新再生(自分を磨くこと)

準備や計画

重要でない

3領域

無意味な電話やメールへの対応

突然の来訪

多くの会議

無意味な接待や付き合い

4領域

長時間、必要以上の息抜き

だらだらとした電話

 

1領域というのは、重要かつ緊急ですので誰もがこの領域は大切にします。

では、第
1領域の次に重視すべき領域はどこになるでしょうか?また、実際にあなたの日常はどの領域に時間を使っているでしょうか?

1領域の次に重視すべき領域は、緊急でないけど重要なことである第2領域になります。

ただ、実際の経営者はどのようになっているかというと、緊急だけど重要でない第
3領域に時間を使ってしまっていることが多々あります。第3領域の仕事は業務などのオペレーションであることが多いです。経営者がオペレーションに入ることを否定しているわけではありません。それは、経営という仕事ができていればの話です。経営者にも関わらず、経営の時間が取れず、オペレーションをしているというのは本末転倒です。

経営者が緊急だけど重要でない第3領域に時間を使ってしまっているということは、会社の未来という意味においては致命的と言っても過言ではありません。

緊急だけど重要でない第
3領域から生み出されるものは、会社の未来を強くするものでしょうか?よく考えてみてください。

もちろん実際の中小企業の経営者は、現場に入りつつ、経営もしないといけないという状態の人が多いです。この状況を前提としつつ、徐々に経営者としての仕事に比重を移していくことも含めてやっていく必要があります。

いつかそうなったらいいなではそうなりません。経営者が第
3領域の仕事を仕事と捉えて、今日も忙しかったと思ってしまっているようでは絶対にいけません。

良くある経営者としての問題

中小企業経営者は経営者の自覚がない!?

経営者が経営者の自覚を持っていないことがあります。これは経営者の仕事がわかっていないということが原因です。自分1人で創業をしたような人にありがちです。自分1人の時には当たり前に自分自身が全ての仕事をしなければいけませんでした。しかし、人を雇用した時点(本来はそれ以前より)以降、経営者としての仕事や役割、仕事を理解しなくては、会社を発展、成長させることはできません。

この経営者自身の役割り、仕事がわかっていないことは多くの経営者を見ている中でとても感じてきたことです。

短期志向で考えている経営者が多い

中小の経営者の場合、時間管理マトリクスでも書きましたが、どうしてもプレーヤー、オペレーション参加が仕事のようになってしまっている場合が多く、物事を長期視点やゆったりと考えることができていません。結果として、目先、短期志向に陥ってしまっており、経営者の仕事である未来を考えることができていません。

経営者が変わらないと会社は変わらない

色々書いてきましたが、経営者自身が決定的に意識改革、自分の仕事、役割認識をしませんと経営ということはうまくいきません。経営とは人を通じて物事を達成する業でしたが、この人の最初は経営者自身だと思ってください。自分自身をどんどん変えて、成長させていきましょう。

 

こちらも合わせてお読みください。

中小企業が成長できない要因と成長するために経営者が変わるべき話
ワンマン経営・ワンマン社長の特徴と卒業や改善の話

会社を成長させ続けるための中小企業のためのマネジメントの話

経営計画書を作成する意味やメリット

ここでは、経営計画書を作成する意味やメリットについて詳しく書いていきます。

経営者としての視座を変えることや経営者自身のトレーニング

このことはずっと書いてきている通りです。経営計画書で考えることは、良い経営をしていくために考えなくてはいけない問いが多数あります。経営計画書作成を通じて、今まで考えたことのない経営の問いや漠然に考えていたことに向き合うことで、様々な気づきや、経営者自身の視座の変化、覚悟、意識などが大きく変わります。

長期思考の習慣づけができる

多くの中小企業経営者は、短期志向に陥りがちでしたが、経営計画書は基本的に未来の時間軸について考えることが多くあります。そのため、短期志向の習慣から、経営計画書作成の過程で時間軸を短期から中長期で考えるようになっていきます。

経営理念・経営目標・戦略がクリアになる

そもそもの目的である経営理念、経営目標、戦略などが一気にクリアになります。そのことによって、間違いなく業績向上、従業員成長、顧客などの満足度アップなど、様々な会社にとって重要な目標が達成されやすくなります。

社内外、大きな安心に繋がる

経営計画書の存在によって、今までは会社がどこに向かうのか、どうやって実現するのかなど全く見えていなかった状況に、明確な方針が出来上がります。

従業員の目線で言えば、この会社にいてどれだけ成長できるのか?この会社にいてどれだけ収入は増えていくのか?など中小企業においてはとても曖昧な、場合によっては全く見えていない会社も多くあります。このような状況を打破でき、従業員のやる気、生産性などが格段に上がっていくきっかけになります。

従業員だけでなく、社外の取引先、お客さん、金融機関など全ての人にとってプラスの効果があります。多くの中小企業は短期志向で、目指しているところが不明確な中で、しっかりと経営計画を作成している会社があったらどのようにみられるでしょうか?とてもしっかりとした会社だなと社外の印象はまるで変わるわけです。

経営計画書の作成によって、社内外にとても大きな安心が生まれます。

経営計画書の作成にあたってのポイント

ここでは経営計画書作成のポイントについて、中小企業の経営者が陥りがちな失敗を先に書いておきます。

まずとにかく作ること

経営計画書の目的は作成することではもちろんありません。(作成する過程での効果も絶大ですが)また、終わりがないものともいえるため、時間がいくらあってもなかなか完成しない性質です。考えるべき項目なども、はじめて作成する経営者からすると時間がかかるものや、なかなかイメージがわかず放り出したくなってしまうようなものもあります。

そのため、作成することを途中で断念してしまったり、作成自体が目的となってしまうなどということがありますので注意です。考え方としては、まずとにかく作ることです。

下手でもよいのでまずつくること。その後、どんどん時間とともにブラッシュアップをしていけばよいです。

途中でやめない、必ず結果を出してくれる

経営計画書は作成過程、運用と本当に素晴らしい結果を出してくれるものです。作成していて難しいなと感じるのは、まさに成長しているということなのです。そのため、途中でやめるということはしないと最初に決めましょう。

オリジナリティーや立派を目指さないで、良いものを真似する

こだわればそこに終わりはありませんし、立派なものを作成することが目的でもありません。実際の運用のこと、まず作成することを考えて、こだわりすぎたり、立派なものを目指しすぎないようにしてください。また、とても大切な視点として、他社などの経営計画書などはホームページなどで見ることができたりしますので、自分の良いなと思う会社を調べてみたりしつつ、良い内容はどんどん真似をしてください。真似をすることでスピードが一気に上がっていきますし、運用をしていく中でどんどんブラッシュアップされて、オリジナリティーが生まれてきます。

経営計画書は作成よりも運用が大切

経営計画書は作成そのものよりも、作成後の実際の運用がとても大切になります。経営計画書は航海で言えば、羅針盤になりますので、経営計画書をツールとして全社活用していくことで全社一丸となって目的達成を目指すことになります。経営計画書を作成して満足してしまっている会社も多数あります。作成だけではその効果の23割程度しかありませんので、運用が何よりも大切、作成後が勝負だということを覚えておいてください。

経営計画書の作成の全体像

経営計画書の作成にあたって考えなければいけない最低限の項目をご説明します。

経営計画書と言っても、全世界で共通のフォーマットがあるわけではありませんので、正解があるわけではありませんので、一般的に共通する項目とします。

経営理念や基本方針など文書で作成される部分

1つ目は、経営理念や、経営基本方針、個別方針など、基本的に文書で作成される部分があります。この部分は経営理念、経営基本方針、個別方針など、まさに会社の目的から目的達成のロードマップである戦略や目標、そのために重視することなどを書きますので、最も大切な部分となります。

・経営理念など
・経営基本方針
・個別方針(戦略、商品やサービス、人材育成
/採用/人事評価、お客様対応、クレームなど)
などがあります。

損益計算書や全社目標、個人目標など数字で作成される計画

2つ目は、1つ目の文書部分の内容をより具体化するために数字に落とし込みます。数字部分として、35か年の損益計算書を作成したり、経営計画書において特に重要とする会社の数字目標や、部や課などの目標、さらに、個人の目標までを落とし込みます。

35か年の損益計算書(売上等の計画書)
・経営計画書においての重要数字の全社、チーム、個人の目標設定など

経営計画書作成後の運用の全体像

経営計画書は作成以上に、運用していくことでとても大きな効果を発揮します。運用というのはまさに経営そのものになりますので、運用をしっかりとやっていきましょう。経営計画書の運用としては大きく下記があります。

経営計画の発表会を実施する

作成した経営計画書を発表する機会をつくりましょう。年に1回必ず実施をしましょう。経営計画発表会には、全社従業員はもちろん、取引先、お客さん、家族、金融機関など貴方のビジネスに欠かすことのできない人を最大呼ぶようにしましょう。

経営計画書の日次~月次運用

経営計画書を毎日しっかりとツールとして使いこなすことができるかが運用における大きな成功ポイントになります。たまに経営計画書を確認するというような運用では効果は薄いです。そのため、経営計画書の中で数字目標を作成する際に、必ず個人レベルにおける目標を定めておくことが大切になります。個人レベルの数字目標は毎日できたかできなかったという形で判断できる状態にします。そのことによって、従業員個人も、上司も、経営者も全社の経営計画書の進捗を意識することができるからです。日次ベースで無理のない自然な運用を目指しましょう。また週次、月次などの単位においては、チーム、全社などでミーティングをするなど取り決めをしましょう。

もちろん、ミーティングすることが目的ではありませんので、ミーティングが目的化しないように、何のためのミーティングなのかということをしっかりと決めましょう。

四半期などでの運用

3ヵ月単位で、進捗を見るようにするとよいと思います。

1年という単位だと、期間が長すぎてしまい間延びしてしまったり、目標が遠すぎるように感じてしまいます。1か月だと逆に短すぎてしまうので、3ヵ月を1つの単位として、月次、週次などを捉えることができると効果的です。

年間振り返り、翌期以降の計画書の作成

1年間を1つのサイクルとして経営計画書は運用をしていきます。1年が終わる少し前より翌期以降の計画書の作成をはじめます。また1年が終わる頃には、1年の振り返りをしっかりと行って、翌期以降の経営計画に気づき、反省などを反映していきます。

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著者プロフィール

伊藤 健太

伊藤 健太

株式会社ウェイビー代表取締役社長
徳島大学客員教授
世界経済フォーラム(ダボス会議)メンバー


慶應大学卒業後、23歳の時、病気をきっかけに、小学校親友4名、資本金5万円で起業。

10年間で10,000人を超えるスモールビジネス支援の実績を誇り、
スモールビジネスが、「早く、大きく、強く」育っていける01クラウドシリーズを展開。

経営、マーケティング、マネジメント論に定評があり、全国多数の経営者に慕われ、
銀行、経営者団体、上場企業などからの講演実績も多数。

「自分で稼ぐ力を身につける本」や「起業家のためのマーケティングバイブル」など著書6冊。
日経新聞、エコノミスト、NHKなどメディア出演多数。