セールス・営業のうまい人の考え方、ノウハウを大公開
- そもそも会社や商品・サービス、ビジネスの目的をわかっている
- お客様を喜ばすことが役割と腹落ちしている
- セールス・営業がうまくなるためのポイント
多くの営業マンと様々な場面でお話して感じることは、セールス・営業に対して苦手意識を持っている人が非常に多いということです。セールス・営業は言うまでもなく売り上げに直結することですし、苦手意識を持つこと自体が少し違うと思うので、そういった所が今回のテーマになっております。
セールス・営業に対する捉え方というのが本当に多くの営業マンは間違えています。まずは根底の理解というものが大切になってきます。
例えば
「何のために営業するのか?」ということや、
「会社って何のためにあるのか?」
といった、そもそも論的な部分ですね。
これには大きく2つの理解が肝になってくると思います。まずは、商品やサービスを提供している会社や事業の目的が一体何なのか。これを理解しておくことは大切です。
そしてもう一つ、会社や事業の目的実現から考えると、働いているあなたは何のためにいるのか。つまりビジネス上における自分の存在意義みたいなものですね。これらを理解することがセールス・営業を行う上で非常に重要なポイントとなってきます。
これら2つの問いの答えとしては「お客様の喜び」そのためなんですね。
お客様の喜びを実現するために会社や事業、そして商品だったりサービスだったりが存在しています。
つまり、人がいて会社になり、そして会社は商品やサービスを作る。その商品やサービスは何で出来ているかというとお客様のニーズによって出来ている。
ニーズを本当に満たせる商品やサービスであれば、お客様は喜ばれるわけです。
すべては「お客様の喜び」の上に成り立っているんです。
この論理を理解しておくことがとても重要で、もし、問いの答えに「自分の喜び」のためといった類があるとしたら、その認識は大きくズレています。上手くいかない理由というのは大概そういったところにあります。ビジネスにおいて我々の存在はお客様がいなければ成し得ないのです。
つまり、すべては“人”のため。この“人”はお客様だけに限らず、働いている人も含まれます。この喜ばす“人”は一体誰なのか、これを見誤らないようにしないといけません。
ここで会社の機能について少しお話をすると、大きく4つに分けられるかと思います。
まずはベースとして人、つまり理想のビジネスマンとしての自分の在り方があります。
先ほどの自分や会社は何のために存在しているのか、といった根底の部分で、お客様を喜ばすためのマインドということでした。
それから順に①~③のステップがあります。
①お客様の課題やニーズ
②課題解決のために商品やサービスづくり
③どのような方法で商品やサービスを知ってもらうか、販売するか?
お客様に喜んでいただくために①②で商品やサービスを生みだした後に、③である認知と販売があります。
認知と販売は一緒にセットとなる場合もありますし、別々になる場合もあります。
つまり、この③が今回のテーマである「営業・サービス」に当たるわけです。
営業マンの立ち位置というのは、会社の機能の最後の区分「知ってもらう」「買ってもらう」という部分になりました。
「知ってもらう」と「買ってもらう」のこの2つはハッキリ分かれている場合もありますし、曖昧な形で一緒になっている場合もあります。また、「知ってもらう」「買ってもらう」の後には、お客様に喜びをずっと感じて頂けるように顧客満足度を上げていく動きをしなければいけません。この部分は営業マンが担当することもあれば、会社によってはカスタマーサクセス、サポート担当の人が担うこともあります。
そもそも、ビジネス上で我々は何のために存在しているのかというと、これは社長でも個人事業主でも新人でも部長でも、営業マンでも、商品企画でも、経理でも、主語は誰にも当てはまることなのですが、
“すべてはお客様の喜びのため”
にあるということです。
目の前に困っている人がいて、自社のこだわりの商品・サービスでその悩みが解決し、本当にその人を喜ばすことが分かっていれば、誰だって確信を持ってお勧めしませんか?セールス・営業は決して自分のためにするものではないんです。
売れるセールス・営業マンのノウハウについて書きましたので合わせてお読みください。
「お客様の喜び」のために作られた商品・サービスを、どうやって知ってもらうかという会社機能の最後の役割にサービス・営業は位置します。そこでお客様に知ってもらい買っていただかないと、せっかくの「お客様の喜び」のために作られた商品・サービスが、肝心のお客様に届かないという事態に陥ってしまいます。
「これは絶対にお客様が喜んでくれる商品・サービスなんだ!」
という思いは、営業成績に大きく影響します。
考えてみれば当たり前ですが、本当に自信を持っている商品・サービスなのか、この商品・サービスはあまりよくないと思っているのかで、目の前にお客様を迎えたときに、営業マンのお客様に提案する姿勢、自信、そもそもの役に立とう、役に立てるという強い思いに大きく差が出ます。
提案力の強化、向上について書きましたので合わせてお読みください。
例えば、社長であれば会社機能の①~③の区分全部を見ていると思いますし、個人事業主の方も同じでしょう。その場合、①②の商品の企画開発に自主的にかかわっているので、いかに商品・サービスが「お客様の喜び」のためのものかをよく理解しています。商品・サービスがとても優れている、他社にはない強みをそもそも他社へのリサーチの中などで理解をしてつくっていたりするわけです。その結果、良い商品・サービスであることは意識の中に織り込まれているわけです。
ただ、一般的に営業マンは、自分とは関係のないところでつくられた商品・サービスを「売ること」が役割として与えられていますし、営業マン自身もそのように捉えてしまっています。実は大して自社の商品・サービスの強み、他社との違いなどを知らず、使ったこともなく営業している人が結構いたりするわけです。
このような営業マンと、絶対的に商品・サービスに自信を持っている営業マンとでは全然違った結果が生まれそうではないでしょうか?
営業マンで実質的セールス・営業のパートだけやっているという人であっても、自社の商品・サービスが「これは絶対にお客様が喜んでくれる商品・サービスなんだ!」ということを確信していないといけません。
たとえ商品企画に携わっていなくても、自社の商品・サービスについて誰よりも詳細に知っている状態でないとおかしいのです。
セールス・営業が苦手だと言う人にどういった所が苦手なのかを聞くと、
「無理にお願いしている感じがある」
「商品・サービスを押し売りする感じがある」
「そもそもお金をもらうことにネガティブな感じがある」
「断られることが嫌だと思っている」
があります。
これらは、セールス・営業の役割、そもそも会社の目的を理解していない典型なわけです。
会社にしても、セールス・営業の役割にしても、
“お客様を喜ばす”ことだったわけです。
「無理にお願いしている感じがある」
「商品・サービスを押し売りする感じがある」
「そもそもお金をもらうことにネガティブな感じがある」
「断られることが嫌だと思っている」
と感じてしまう、思ってしまう背後には、自分のやっていることがお客様を喜ばすことに繋がっているという理解や実体験がないことが原因としてあります。
セールス・営業に対しての完全に間違えた誤解を持ってしまっているということです。
寧ろ自社の商品・サービスがお客様の不安を解消するなら、自信をもって提案するべきです。
さらには使い方のアドバイスやアレンジなどを進言して、とことん悩みに応えてあげられれば信用を得ることにもつながります。
これが本来のセールス・営業の姿で、嫌なプロセスなど何ひとつないのです。
すべては捉え方の問題です。そもそも「何のために会社・事業は存在しているのか」その根底の部分を忘れないで、自社の商品・サービスに誇りをもっていること。このマインドセットがない限り、セールス・営業はいつまでたっても上手くいかないでしょう。
基本中の基本の話ですが、お客様あっての自分・営業マンなので自分の言いたいことだけを話す営業マンはダメです。
常に相手の目線にたって自分を考える視点が必要になります。出来る営業マンほど営業される側(=お客様)の視点に立ち、
「どんな営業マンなら会いたいか」
または
「こんな営業マンとは会いたくないのか」
という意識を常にもっています。
この問いの答えが明確になればなるほど目指すべき営業マンに近づけます。
「招かれざる客」から「歓迎される客」へ自分が変容するために、またお客様と長期的な関係を築くために、是非ともお客様の目線を大切にしてください。
そうすれば間違いなく選ばれる営業マンになれると思います。
お客様に何かを質問されたり、頼まれたりすることは、
その大小に関わらず間違いなくチャンスです。
それは自分に対して信用があるから頼んでいるわけで、その信用を裏切ってはいけません。期待以上の成果を出し、更なる信用を得るための貴重な機会であることを認識してください。
意外と多くの営業マンがそのことに対して鈍感で、普通にスルーしてしまっていることが残念です。
頼まれごとは試されごと。出来る限り迅速にスマートに、期待以上の成果を出せるように全力を注いで下さい。
信用できる営業マンとしてチャンスを得られるのか、または長期の関係性に発展するのか、でなければ次のステージのない残念な営業マンになるのか、ここが重要なターニングポイントです。
自分を絶対視しないためにも、常に営業マンとしてのレベルアップを図るよう努力することは大事です。
なぜならセールス・営業は自分が成長すればするほど売れるようになるので、
売れるようになってくるとどうしても慢心になりがちだからです。
常日ごろ自分自身を相対的に見る視点を持つこと。つまりどういう事かというと、日常において誰しも消費者としてセールス・営業されるシーンは大小問わず多々あります。
例えば、カフェやショップ等で感じたことを自分のスキルアップにつなげる。その時感じたことをメモして学びの習慣に変えるのです。
「こういう言葉遣いは素敵だな」
「これは気が利いた態度だな」
など、また逆もしかりです。
「こういう接客はよくないな」
等を反面教師にするのもいいです。大切なのは営業マンとしての成長のヒントを得るアンテナを常に立てておくこと。購入に至らなくても他者のセールス・営業を多く体験することは、セールス・営業の良し悪しを理解する貴重なチャンスとなります。
一般的にプロセスが大事と言われていても、営業マンという職種はどれだけ成果(数字)にコミットしたかで評価を問われてしまいます。
これは厳しい・厳しくないの問題ではなく、そういうものだということです。
ですから営業マンは数字に対して誠実に向き合わなければなりません。数字が悪ければ置かれる立場や精神状態も当然良くないでしょう。
しかし、自分自身を助けるのは自分自身でしかないので、いかに数字にコミットしていくのかが重要になってきます。
では、どうしたら数字を生み出せる営業マンになれるのか?
この問いに関しては、後にも先にも“行動”しかないと思っています。
数字を生み出すための意識や時間をどれだけ持つことができているか、この行動パターンが結果として営業マンの良し悪しを分けているように思います。
本来なら売れない営業マンほど人より動かなければいけないのですが、売れない営業マンほど動かない人が本当に多い。見込み客にも既存客にも会いに行きませんし、紹介してくれるようなキーマンにも会いに行きません。
総じてスピードが遅い、数が少ない、そもそもやらないといった感じなので、数字が出ないのも当たり前なんです。そうすると数字が出ないからセールス・営業に苦手意識を持つ、いっそう動かなくなる、モチベーションも下がる、評価も下がるといった負のスパイラルにどんどん陥ってしまいます。
反対に売れる営業マンはとにかく動きます。
意識無意識問わず、動かないと数字にならないことをよく理解しています。
また、自分の型(勝ちパターン)を持っている営業マンが多いので、数字にコミットしていって自信がつき、お客様も人を紹介してくれたりと好循環も生み出していきます。
売れる営業マンと売れない営業マンの差は行動パターンにあるのですが、ここで大事なポイントが一つあります。
“行動”を主観でとらえないことです。
いくら頑張って“行動”したプロセスがあったとしても、それが客観的数字として表れていなければ営業としての意味がないからです。
つまり、“行動”を客観的な数字として基準を持つ必要があります。
例えば、
①何人の人と会って話をしたか
②会った人から何件売れたのか
これらは営業マンがそれぞれに具体的数字目標を持たないといけません。②の売上に結びつく確率を上げるには経験値が必要になってくるでしょう。であれば、まず①の会う人の数をとにかく上げていって可能性を広げなければいけません。
この様に客観的数字によって自分の“行動”基準を図ることが大事。また先の項で話した2つの視点、お客さんから見た理想の営業マンのイメージ、日々の営業経験から自分を見つめなおす習慣、これらを合わせた3つの客観を自分の“行動”に反映させていってください。
会う人の数が増えていった場合、自分の時間も有限なので全てのお客様に同じように接していくには無理が生じてきます。誤解を恐れないで言うなら、お客様によってえこひいきすべきです。といいますか、しなくてはいけなくなってしまうのです。
これは良いお客様にのみ手厚く接し、後は手を抜くといった意味では決してありません。お客様の期待値に対して段階を分けていくという意味です。
まず大前提として、すべてのお客様に対して喜ぶことを提供しなければなりません。その上で、お客様の期待値にあった対応をしていくということです。なぜならお客様によって期待されていることは様々だからです。
例えば、頂いている金額に対して見合ったものを提供していくということが基本になります。10円しかもらってないのに10万円の価値を提供することはないわけです(できる仕組みがあれば最高なのです。)。
すべてのお客様に喜びを提供するためにも、うまく標準化して効率化すべきです。
オンラインで済ませられることや会う回数などを自分で考慮し、お客様をえこひいきする必要はあるということを理解しておいてください。
営業マンは数字がすべてであり、それ以外の事で自分を正当化することは出来ません。いかに真摯に数字と向き合いコミットしていくか、つまり契約数を上げていくことが肝心です。契約数というのはアポイント数と契約決定率の掛け合わせで決まってきます。先ほどの客観的数字のところで説明したとおり、営業マンとしての経験値がないのであれば、決定率を上げるためにもアポイント数を絶対に増やしていく必要があります。そしてアポイント数を維持したまま決定率を上げていくため、今度は現状課題のPDCAを回していく必要があるのです。
「アポ数×決定率=契約数」
この数式を頭に叩き込んで、それぞれの数字にコミットしていけば自ずと成果は数字になって表れます。数字は決して嘘をつかないし、そこに正面から向き合うのが営業マンなのです。
数字の達成が何よりも重要である営業マンにとって、セルフイメージや自分を信じる力といったマインドセットは非常に大切です。
営業目標の達成・未達成は営業マンのメンタルに大きく影響するものですが、これらは習慣化する傾向にあることに留意する必要があります。
例えば、目標の未達が当たり前になると、スタート時から
「どうせ達成できないだろう」
という後ろ向きなマインドになり、達成するための建設的思考回路に至りません。
究極的には
「やりたくない」
「達成しなくてもいい」
にすり替わっていきます。
このような未達の泥沼にはまってしまうと中々そこから抜けることが出来ません。まずは誰が見ても明確なように今月の目標をクリアにして、完全に達成するところからベクトルチェンジしていって下さい。
このときに、あまりに高すぎて物理的にも達成できないような目標設定をしてしまってはいけません。自信をつけるというタイミングにおいては、少し易しめの目標をわざと立てて、大きさではなく、達成されたという事実をつくっていくことも大切になります。
同じように達成も習慣化します。一度前向きなマインドを習慣化してしまえば、正のスパイラルがおこるでしょう。
先の項で述べた「アポイント数×決定率=契約数」の数値にちゃんとコミットすることで、達成を死守していきましょう。
営業マン個人の話でなく売れる営業組織の作り方についてはこちらに書きましたので合わせてお読みください。
よく売れる営業組織の作り方とマネジメント