ベンチャー・スタートアップ支援で起業!起業の0→1フェーズを超えた先の課題とは?
- ベンチャー企業が0→1から1→100へと変わる瞬間
- 人事・KPI決め・数値管理・・・ミドルフェーズのベンチャーが抱える問題
- どんな課題でも”人”に執着しなければならない
会社を大きくするためには、様々な課題がある。起業前・起業したばかりの0→1といえる頃の課題は資金繰りやサービス・プロダクト作りなど、どの起業家にもある程度共通する。しかし、会社がある程度まで大きくなった時の課題は一括りにはできない。
このサンプル探しが容易ではない1→100フェーズの課題に立ち向かう時に、起業家はどうするべきか?
ベンチャー・スタートアップを専門にコンサル・支援を行っている『株式会社Loveable』CEOの青木想さんにお話を伺った。
本日はよろしくお願いします。『株式会社Loveable』はどんなことをしている会社なんですか?
助っ人編集部
青木 想
メインはベンチャー企業のコンサル・支援です。事業計画を作ったり、人事計画を作ったり、経営企画を手伝っています。
あまり他では見ない事業ですよね。
助っ人編集部
青木 想
ベンチャー企業の0→1ではなく、1→100を作るところをお手伝いしているイメージですね。つまり、ミドル〜レイターステージのベンチャー企業が自走できるようにするのがミッションです。
どうして起業して、こういったお仕事を始めたんですか?
助っ人編集部
青木 想
もともと、リクルートで経営企画をやっていて、リクルートを辞めてからも経営企画の勉強会を開催させていただいていたんです。
その中で相談を受けることや手伝ってほしいと言われることが増えて、ニーズがあるならやってみよう、ということで起業しました。
経営企画というのは、ベンチャー企業の中ではずっと顕在化している悩みだったんですね。
助っ人編集部
青木 想
スタートアップやベンチャー企業の人たちは大体若いので、組織についてはほぼ未経験という人が多いんです。
0→1は気の合う仲間と一緒にただ前を向いて走っていれば良いんですが、ふっと後ろを振り返ると、がむしゃらに走ってきたので、色々なものを落としている。
でも、もう拾いに行くのは無理、誰かに拾ってほしい!となった時に、初めて「組織を作る」という問題に当たるんです。
「仲間」から「組織」にフェーズが変わる瞬間ですね。他にも、ベンチャー企業が抱えがちな問題ってありますか?
助っ人編集部
青木 想
フェーズによりますが、大体はKPIがきちんと決まらないとか、数値管理がまわっていないとか。あとは人事の課題。評価制度が整っていないとか、ビジョンやミッションが浸透していないとか。
KPIや数値管理に関しては、どうやってお手伝いしているんですか?
助っ人編集部
青木 想
基本的にはアドバイスしてタスクを投げて進めています。巻き取ることもありますが、その場合は本当にシードを作ってあげるだけ。
あとは経営者と営業の間に入っている人に「こうやっていきましょう」とアドバイスしたり。基本的には、散らかっている状態のところを交通整備してゴールを決めるやり方ですね。
目指すべきところを定めて、導く形ですね。
助っ人編集部
青木 想
順序だててあげたりとか、何が足りていないか言ったり。でも、本当に会社によってどこまでやるかはまちまちで、それこそ営業も一緒に行くこともあるし、具体的にビジネスモデルのブレストを一緒にすることもある。サービス自体のブレストを一緒にやることもあります。
これまでのご経歴をまとめると、リクルートで経営管理→外資保険会社で営業ということなんですが、どちらもすごく大きな会社ですよね。いま見ていらっしゃるのはまだ小さなベンチャー企業ですが、お手伝いする上でこれまでの経験が活きることはありますか?
助っ人編集部
青木 想
どちらでやっていた経験もいますごく活きています。どちらもすごく組織力のある会社で、ビジョンやミッションが明確にある。
そういった組織文化を徹底している組織2つに属したことで、組織にとっていかに再現性が重要か、0→1と1→100は全く違うということに気づくことが出来て、今の仕事にすごく役立っています。
2018年2月に起業されてから、今はまだ1年未満ですが、すでに12社も見られているそうですね。すごい密度ですが、価値観は変わりましたか?
助っ人編集部
青木 想
「人に執着しなければならない」というのは大きな発見です。たとえば、起業して間もない頃の数値管理は大きな課題です。
でも、それを突き詰めていった先には数値管理を回す人たちがいて、そこに携わる組織がある。結局どんな課題も「組織」や「人材領域」に帰結することに気づきました。どういう人を採用して、どういう文化を根付かせて、どういう評価をするか。
組織作りこそ、外からの目が必要ですよね。自分たちだと分からない。
助っ人編集部
青木 想
以前から組織対策をするためのコンサル会社はあります。人事評価制度を作りますとか、ビジョン・ミッションを一緒に考えますとか。
でも、本当は全てつながっている。でも、なかなかそこを一気通貫しているコンサルはないので、そういう仕事ができたらいいなと考えています。
起業には、どんな人が向いていると感じますか?
助っ人編集部
青木 想
極論を言うと、成功しているスタートアップでは2パターンに分かれます。人間的な魅力を物凄く持っている人か、データや数字を徹底的に分析出来る人か。
「人間的な魅力のある人」というのは、まずはサービスに対しての情熱があるのが大前提です。このサービスを絶対に成功させたい、世の中に売り出したい。その思いの純度が高ければ高いほど良いです。純度が高いというのはどういうことかというと、このサービスで本当に世の中が良くなって欲しいという気持ちが強いこと。
そういう純粋な欲求が強ければ強いほどうまくいきます。ただ、一方で純度が高いと儲からなくても良いと思う人もいて、それは絶対にダメ。やっぱりお金を稼ぐというのは絶対に必要で、自分で1年やって、1円も売り上げがあがらなかったら辞めたほうがいい。
「データや数字を徹底的に分析できる人」というのは、データや数字を元にしてうまく営業したり、サービスを磨いていける人のことです。自分がどういうタイプか見極めて、違うタイプの人をジョインさせられると良いですよね。
今やっている事業で大事にしていることはありますか?
助っ人編集部
青木 想
ひとつは、数字の話しやビジネスの話しをする仕事だからこそ経営者、起業家の一番の理解者、応援者でありたいというスタンスはいつも持っています。
落ち込ませる人ではなく、励ませる人でありたい。経営者は孤独だし、道なき道を進むから応援してくれる人は大事なので、いつも自分が相手にたいしてポジティブでいられるようにしたいというのはいつも考えています。
二つめは、理想と現実の間を埋められる存在でありたいということです。私のやっている仕事は「組織はこうあるべき」「こうしたほうが良い」というような理想論。でも実際にそれがうまくいかないからこそ、妥協点を見つけたり、歩み寄る場所を見つけたり、理想を追いながら完璧を押し付けないということです。
先ほどお話していた情熱的な理想と現実を見る経営センスの話。その間をとっていくんですね。
助っ人編集部
青木 想
100%の理想形はこうだけど、それをやろうとしたらすごく時間がかかるし、巻き込まないといけない人がたくさんいる。そんな時に、「どこから手をつけたらいいんだろう」と悩ませたらいけない。
まずは、どんなことが出来るか提示することが大事で、これが出来たら次はこうなりますよ、と完成形を見せてあげることも大事です。第三者として、理想と現実のギャップをちゃんと埋められる人でありたいと思っています。
いま、たくさんの会社のビジョンを見てきていると思うのですが、青木さんや株式会社Loveableのビジョンは?
助っ人編集部
青木 想
短期的な目標ではなくて、10年後くらい15年後くらいの大きなビッグビジョンとしてあるのは、色々な人にスタートアップのビッグマザーとか、成功の女神、と言われるくらいになりたいです。
起業家というのは、年齢を問わずビジネスを大きくしたいとか、世の中に価値を提供したいと考えている人たちなので、そういう彼らをずっと応援できる人でいたいですね。
青木さんのお仕事は続けれれば続けるほど知見が溜まっていくので、これからさらに大きな力になれますね。
助っ人編集部
青木 想
やはり、起業は男性の多い世界なので、女性でそういう人はいないんです。そこに女性の視点を、というわけではないですが、母みたいな人がいても良いのでは、と思っています。
そのために今からの10年は自分の経験値も上げていかないといけない。今の私の価値はリクルートと保険会社で培った11、12年の資産でできている。
でもここから先さらに自分のバリューを発揮するにはさらに知見を求めていく必要があるなと。そこが目下の課題です。
青木さんが起業家を応援していくほどに、起業にチャレンジしやすい世の中になっていくと思います。本日はありがとうございました!
助っ人編集部
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