個人事業主も税務調査の対象になる?

ポイント
  1. 税務調査とは、一般的には税務署が納税者の申告内容につき帳簿等を確認して誤りがないか確認すること
  2. 税務調査には「強制調査」「任意調査」の2種類がある
  3. 7月~12月が税務調査が入りやすい時期

事業に関する税務調査といえば、その対象は法人と思っている方が大半ではないでしょうか。実際法人に対する税務調査のほうが多いですが、個人事業主を対象とする税務調査も少なくはありません。国税庁が平成29年11月に発表した「平成28事務年度 法人税等調査実績の概要」によれば、法人に対しては9万7千件(実地調査率3.4%)の実地調査が行われました。

一方、個人に対しては7万件(実地調査率1.1%)となります(「平成28事務年度における所得税及び消費税調査等の状況について」より)。実地調査率では分母の大きさから個人の方が低くなっていますが、件数では個人も法人に対し決して引けを取らないことが分かります。

そこで今回は個人事業主に対する税務調査の流れや、税務調査が入りやすい時期、調査項目などについて解説していきます。

1 税務調査とは

税務調査とは、一般的には税務署が納税者の申告内容につき帳簿等を確認して誤りがないか確認することをいいます。つまり個人事業主のような所得等を申告して納税するもの(以後 納税者と表記します)に対し、その申告内容に間違いがないかを調査することです。

簡易な修正などであれば納税者に文書提出を求めたり、税務署などに呼び出して申告を修正させることで済む場合もあります。

しかし実地調査では納税者の拠点に訪問して帳簿等を調査したり、納税者の申告に基づく取引の相手方を調査する反面調査などが行われます。

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2 税務調査の方式

税務調査には「強制調査」「任意調査」の2種類があります。それぞれ見ていきましょう。

 2-1 強制調査

強制調査とは国税局査察部(通称「マルサ」)が国税通則法に則って行う調査で、裁判所が発行した令状を基に強制的に行う調査です。脱税金額が巨額で悪質と認められたものについてのみ行われるため、売上規模の小さい個人事業主や一般の納税者にはあまり関係のない調査となります。

 2-2 任意調査(間接強制調査)

任意調査は国税局調査部、税務署の調査官等によって国税通則法にのっとって行う調査です。ちまたで言われる「税務調査」とはこの調査のことを指します。個人事業主もよく任意調査の対象となります。

任意とありますが、実際は正当な理由なく拒絶した場合には懲役・罰金を受けるため「間接強制調査」と呼ばれています。

税金に対する質問を行える「質問検査権」を有する調査官等が調査を行います。個人事業主もこの質問に対する黙秘権はなく、虚偽の陳述をしたり、答弁をしない場合は罰則規定があります。

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3 税務調査が入る理由

税務調査が行われる理由は、適正な申告・納税を求めるためです。会社経営者や個人事業主が行った確定申告に基づき、適正な申告・納税が行われていないだろうと調査官が判断し、調査します。

利益が大きく出たときや、消費税還付などでここ数年と特に変わった申告がされたときなども確認するといった理由から税務調査が行われるケースもあります。

日本においては所得税をはじめとして多くの税において申告納税制度が採用されています。納税者自身が申告する以上制度の無知により誤って申告されたり悪意を持って不当に過少に申告されたりする恐れがあるため、独自のデータとノウハウに基づき税務調査が行われています。

平成28年に確定申告をした人の数は638万人に上ります。その中で限られた人員・時間で調査を行わなくてはならない以上、税務署は不正申告の可能性の高い順に調査を行います。

そのため、税務調査が入るという通知が経営者のもとに来た時点で、税務署の調査官は既にある程度の情報・確信を持っていると考えたほうが良いでしょう。

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4 個人事業主に税務調査が入る時期

国税局の事務年度は7月1日から翌年の6月30日となっています。そして職員の人事異動発令日は7月10日となっており、実質この日から一年間が始まることになるわけです。

「7月10日〜年末まで」が税務調査が入る時期といわれています。年明けからは確定申告に関する繁忙期に入り、個別の調査を行う余裕がないためとされます。

また、人事考課の一番のポイントとなる税務調査実績は年末までが大部分を占めるとも言われます。

個人の申告期限は3月15日、法人の決算期で多い3月末決算の申告期限は5月末で約2か月のズレがあります。7月の税務調査開始から数カ月は個人事業主を主体に調査を行い、その後は年末まで法人の税務調査が多くなるとも言われています。

いずれにせよ7月~12月が税務調査が入りやすい時期といっていいでしょう。

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