すごくわかりやすい!株式の持分のまとめ

ポイント
  1. そもそも株式って何?
  2. 株式の持分ってなに?
  3. 少数株主持分とは?

目次 [非表示]

持分で貰える配当金

株式の持分で、その持っている株式が利益を上げると、それに対する配当金を貰う事ができます。

配当権利確定日とは?

配当金とは、文字通り、配当されるお金。つまり貰うお金の事を意味しますが、これには配当確定日と言うものがあります。
配当金は、いつ何時でも株さえ持っていれば貰えるわけではなく、いついつに持っておいて下さいねと言う日が存在しています。これが「配当権利確定日」です。基本的に上場している企業のほとんどが、決算月の月末を権利確定日に設定しています。

中間配当を出す場合は、決算の月から半年後の月末などになります。ですので、決算月が3月なのであれば、配当権利確定日は3月の末となり、中間配当を出すのであれば半年後の9月の末と言う事になります。

ただし、その月末が土日祝にあたる場合は、前日の営業日が確定日となるわけです。ですので、すぐに確定日を迎え、配当金を貰いたいのであれば、ここの企業だと配当金が出るだろうと予測し、その企業の配当権利確定日のギリギリ前に株式を購入すれば良いのです。ただし注意して頂きたいのが、この配当権利確定日に持っていても意味がないと言う事です。

権利付き最終日と言い、確定日の3営業日前に株式を保有しておくことが必要であり、その事が配当金や、優待などを貰える条件になっている事から、確定日の前日に持っていたと言う事では、配当金などを貰う事ができません。

イメージ図
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※26日の配当権利付き最終日までに株を購入します。配当権利落ち日とは、株を売ってもいい日の事を言います。そして末の31日に確定日が到来します。

少数株主持分とは?

少数株主持分とは、ある会社が子会社を所有していたとして、その子会社の発行している株式を親会社が一定の範囲で所有しています。その残った株式を他の企業や投資家などが所有する部分の事を少数株主持分と言います。わかりやすく図に表してみます。

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この図のように、左の親会社が保有している以外の株式を保有している株主の事を少数株主と言い、その持っている株式の割合を持分と言います。少数株主持分に関係するものとして、帰属する部分があります。

例えば親会社が子会社の株式を全て100%保有している場合は、子会社の資本はすべて親会社に帰属します。しかし、図のように、親会社が全ての株式ではなく、一定の株式を保有している場合は、親会社に帰属する部分と、少数株主に帰属する部分に分ける事になるわけです。ですので、この場合、投資と資本を相殺する場合、親会社が保有している部分については、その部分で相殺消去する事となり、少数株主に帰属する部分については、少数株主の持分にと言う風に振替える事になります。

持分で何ができるの? 実際例とともに解説

ここでは、株式の持分によって、実際に何が出来るのか上げてみたいと思います。

ホワイトナイトとは?

文字通り、ホワイトナイトとは、「白馬の騎士」とも呼ばれています。
ホワイトナイトは、敵対的に買収をかけられた企業の株式を、その企業と合意し、友好的な形で買い取る第三者です。この第三者の事をホワイトナイトと呼びます。
有名な事例を上げますと、ライブドアが2005年にフジテレビの買収をしようとした例が上げられます。

フジテレビ側からすれば、まさか買収されるとは思ってもみなかったでしょうから、いきなりピンチな状況下に置かれたわけです。ここで登場したのがホワイトナイト。旧ソフトバンクグループであるSBIが名乗りをあげたのです。ただし、事例の場合、SBIがフジテレビの株を買い取る事がなかった為、事態は収束を迎える事となります。

その他にも、明星食品の例でも、日清食品がホワイトナイトとなり、スティールパートナーズの保有する明星食品の株を買い取った事例もあります。つまり、敵対的に買収をする者が現れた時に登場する救世主のようなものとイメージして頂ければ良いのではないでしょうか。

M&Aとは?

M&Aとは、Mergers (合併)and Acquisitions(買収)の略で、企業同士や、複数の企業などを1つの企業にする、つまり合併したり、とある企業が他社の株式などを買収する事を意味しています。

ですので、例えば、自分の会社に不足している人やお金、技術などの経営に関する資源を補う事を目的として行われたり、事業自体を大きくさせる事や、再構築させる為に行われる経営の戦略の1つの事を意味します。

TOBとは?

TOBとは、Take Over Bidの略で、株式公開買付の事を意味します。
買付の期間、買付の株価、目標の株式の数を公告し、証券取引所を介さずに、不特定多数の投資家などから株式を買い付ける事を言います。基本的に、会社の経営に対する権利などを大きく左右するような買付をする時にこの方法が用いられます。

また、そのような大きな影響が出る取引を行う事を証券取引法が原則的にこの手法をとるように規定しています。上記で記載されている明星食品の例で言いますと、明星食品の株式を、スティールパートナーズが買い取った行為がTOBに該当しています。

MBOとは?

MBOとは、Management Buyoutの略で、会社側が、株主から株を買う事を表します。
企業の経営陣や、トップなどが、企業の株式を買い付けたり、譲って貰ったりすることにより、オーナーとなる行為を意味しています。このように、内部の人間が自社の株式を多く持つ事により、ホワイトナイトやTOBなどで登場する敵対的な買収者の買付を未然に防ぐ効果があります。

こちらも明星食品の例を持ち上げますと、この対策を行っていれば、株式の買付により、スティールパートナーズのような、敵対的な買収者が現れたとしても大幅な株式の買付を防ぐ事が出来たであろうと予測する事ができます。

ちなみに、その他にも2006年に起きた事例を取り上げてみますと、アクティビストファンドのダルトンから、サンテレホンが敵対的な買収を仕掛けられました。しかし、サンテレホンは、MBOで逆にダントル側の株式を買い取る事により、買収を防ぐ事ができた事例もあります。

トヨタ・ダイハツの事例

皆さんもよくご存知である自動車メーカーのトヨタとダイハツの完全子会社化の事例について掲載してみたいと思います。
上記記載の比率からもわかるように51%株を保有すると、その会社は子会社となります。ダイハツは、1967年から、トヨタと業提携をしており、98年にはトヨタが出資比率を51.2%に引き上げていました。

しかし、更なるトヨタ側の小型車開発を進める為、ダイハツと協力している範囲を広げる事を目的に、トヨタはダイハツの株を100%保有する事で、完全な子会社化にしたのです。これが出資比率の割合としてわかりやすいのではないでしょうか。この時、ダイハツの株の1株につき、トヨタの株の0.26株を割り当てて株式の交換が行われました。

株式交換とは、発行済みの株式の全てを、株式会社や合同会社に取得させる事です。存在している株式会社の株主が所有している全ての株を他の会社に全て移す事により、完全な親会社と子会社の関係を作り上げる制度の事を指します。

三菱自動車、ルノー・日産アライアンスの事例

こちらも皆さんご存知の自動車メーカーの事例です。
この件は、上記のトヨタ・ダイハツの完全子会社化とは違い、関連会社となります。三菱自動車工業株式会社は、日産自動車株式会社の一員となりました。内容は、三菱自動車への2370億円の出資の完了を受けて、日産が三菱自動車の株式を34%保有する事により、単独筆頭株主となりました。

この事により、三菱自動車は、日産側から、戦略や、業務、経営上のサポートを受ける事になりました。また、日産から出資して貰う事によっての効果として、三菱自動車の利益率と一株の収益が増加する事となります。このように、双方にメリットがある事を目的として、出資をし、子会社化をしたり、関連会社となったりして、関係性が生まれる事になります。持分によって形態が変わる事がわかって頂けたのではないでしょうか。

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