フランチャイズでの起業・独立の仕方が変わってきた?業界の選び方からその最新動向

ポイント
  1. データでみるフランチャイズ
  2. フランチャイズの意味とメリットは?
  3. フランチャイズ業界の動向や本部の選び方の注意点

目次 [非表示]

フランチャイズ業界の動向や本部の選び方の注意点

フランチャイズ業界を取り巻く環境の変化が急激に進んでいます。その動向について少しご説明します。全体を通じて言えば、労働力不足」ということが一番の問題となっています。店舗を出店することをイメージしていただければ想像しやすいですが、フランチャイズ事業の多くは労働集約型です。そのため、人の採用が全産業的に難しくなっている中で、既存のフランチャイズ関係者を悩ます大きな課題となっています。

労働力が不足すると、働き手が用意できず、そもそものオペレーションが成り立たなくなってしまいます。また、時間給などもどんどん高くなっています。そのため、当初考えていた収益のシミュレーションが当てはまらなくなってしまって、フランチャイジー側が利益を削り、赤字に転落するような状況にもなってきています。

労働力の確保をはじめ、ITの活用、そもそものオペレーションの見直しはもちろん、労働集約的にならないための工夫が今後のポイントになります。そもそも労働力を前提としているようなフランチャイズモデルだと、年々フランチャイジー側が利益を削るということにもなりかねません。今後、フランチャイズ本部の選び方にあたっての見極めの要チェック箇所として「労働力」がどの程度必要なのかということ。その認識をもっておいてください。ITをうまく駆使したり、人を前提にしないなどをしっかりと考えているフランチャイズモデルが相対的に人気になっていくと思います。人が採用できないことによって、オーナーが365日稼働するということもざらにあります。

また、今後、外国人のアルバイトがどのフランチャイズでも当たり前になっていくと思います。外国人採用にあたっては、スタッフ教育の問題があります。フランチャイジー側、店舗自体では実際にスタッフ教育をなかなかやりきれないことも多くなります。フランチャイザー側の姿勢が問われる問題です。

もうひとつのポイントは「高利益率のフランチャイズモデルや商品などをつくることができるか?」労働集約的な側面はある程度仕方ないにしても(すぐすぐ解決することはないですし、根本からなくせるものでもなかなかありませんので)、フランチャイジーに一定の利益が落ちないようなフランチャイズモデルでは、フランチャイズ事業自体が成立しなくなってしまいます。フランチャイザーはフランチャイジーが加盟する際に、加盟金という形で一定のお金を回収できる面があります。そのため、仮に事業モデルが破たんしていても、また、今後の人件費の高騰や、人の採用ができないことによって破たんする可能性が高率であったとしてもそのことを誠実に言うところは少ないと思います(こういうことが後々の大きなもめごとの種になるわけですが)。

※そのため、最近では、在庫を持たないことでリスクを極力減らし、オーナー一人でも店舗運営をすることができるフランチャイズ事業も着々と増えてきています。

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フランチャイジー側のポジティブな変化ももちろんあります。フランチャイジー側の最初のハードルはフランチャイズ事業開始時のお金の問題です。加盟にあたって、もちろんお金が必要になります。仕組みやブランドを借りる、教えてもらうためのお金です。フランチャイズ加盟にあたって必要になるお金というのは、フランチャイズ各社によって全く異なります。初期費用0円のところもあれば、数千万円かかるところもあるわけです。フランチャイジー側にとってここ数年で大きな変化があります。

1.それは極めてお金が借りやすくなったということです。

事業を開始するにあたって、フランチャイズで起業しようと思った場合、銀行からお金を借りて=融資を受けてスタートする人も多数います。起業したての人に対しての融資制度でいうと、日本政策金融公庫という、国が100%出資している起業家のための銀行があります。日本政策金融公庫の融資の条件がどんどん起業家にとって有利になっているのです。つい数年前でいえば、自己資金(=自ら持っているお金)と同等額程度の融資を基本としていました。つまり、自己資金が少ない場合には、あまり融資をしてもらえなかったということです。そのため若い人や、貯金をしてこなかった人は融資を借りにくいという傾向にありました。しかし、現在では、1割程度が自己資金で良いことになっています(昔よりも少ない自己資金であってもお金が借りやすくなったということです。ただし、自己資金はあるに越したことはもちろんありません。なぜなら、融資で得たお金は、いつか必ず返済しなくてはいけない借金ということなので)。そのため、お金を調達しやすい環境にあることは間違いありません。この点は明らかにフランチャイジー側にとってよい変化だと思います。

資金調達の仕方全般についてはこちらをお読みください。

2.フランチャイジーの担い手の裾野が一層広がっていく

AIをはじめとする技術革新や人口動態の急速な変化によって、産業構造が大きく変わりはじめました。結果として、大企業のサラリーマンを中心に、このままでは自分の仕事がなくなるのでは?という思いを持ちはじめ、自ら生きる術や稼ぐ力を持とうと考える人が非常に増えています(メガバンク3行は業務の効率化のために、数万人単位の人が今やっている仕事をなくしたり、機械化することを発表しています。その他の業界も同じ動きなわけです)。

また働き方の変化、寿命の長期化(100年時代)にあたり、働くことやお金の位置づけなども変わってきました。これまでは定年で働くことを止めていた方が、形態(転職、再雇用、起業など)は変わるものの、どんどんマーケットに残るようになっていくわけです。

ただ、このような方が自らアイデアを仕込んで、大きなリスクを取って起業するのか?といえばそうではないと思っています。ただ長年働いてきて、独立をしてみたい、貯金が少しある、もうサラリーマンは嫌だなど様々な理由を持っている人は多いと思います。このような人がまさに新しく(これまでもそうだったのだと思いますが)、フランチャイジーの担い手になるわけです。

3.フランチャイジーの高齢化による事業承継という局面

フランチャイズ経営者に限った話ではありませんが、2025年までに事業承継できないと見込まれている70歳以上の経営者が127万社近く日本にはあると言われています。

フランチャイジーの中にも、後継者がいないところはたくさんあります。このフランチャイジーの事業承継の問題は新しいテーマであり、フランチャイザーや他のフランチャイジー(メガフランチャイジーなど)が買い取るのかなど色々な方向性が出てくるのだと思います。なかなか考えにくいですが、可能性としては、事業承継できないフランチャイジーをフランチャイズの新規加入を検討している人に売却するというような選択もあると思います。既に長年にわたってその土地で事業を展開しているという定着感もあって、よい話になるかもしれません。

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・事業領域や事業モデル自体が今後どうなっていくのか?

一昔前に流行ったものであっても、一気にマーケットがなくなることが現在ではよくあります。ITの圧倒的な力や競合の追い上げが早まっていることがその要因です。そのため、よく目にするキーワードや事業、商品やサービスであっても、冷静に客観的に事業や事業領域を見る必要があります。特にフランチャイズ起業希望の方と話をしていて、本当によくないなと思うことがあります。それはフランチャイザーである本部の資料のみをみて色々な意思決定をしていることです。フランチャイザーは加盟してもらうことが最初のゴールなので、多かれ少なかれポジショントークになります(自社の優位の説明になるわけです。当たり前のことです)。そのため、客観性を持つことが何よりも大切になります。

よくメディアでみる業種やブランドなどはとても安心しますが、それはそれだけ人気=競合も多いということを認識しなくてはいけません。また流行り廃りのスピードが本当に早くなっています。客観的に今後そのフランチャイズが扱っている商品や事業領域がどのようになっていくのか?しっかりと分析する必要があります。フランチャイザー自体の分析をされる方は多数いますが、そもそものフランチャイザーの領域がどうなるのか?というマクロの分析をする人は一気に減ります。また競合との比較、実際に加盟にあたってボトルネックになるポイントなどの見極めは必須になります。

・ITの進歩やECとの優位性などを考慮する

高い利益率を実現することや、持続的な事業となるためにITの要素は外せないと思います。飲食店は、女性をはじめ働く人の増加によって、マーケットとしては成立する可能性は高いと思っています(もちろん新規参入などがそもそも多い業界ですので、競合との競争は熾烈です)。その点で言えば、ITという観点は少し薄れるかもしれません。もちろん業務効率などの観点でいえば必須だと思います。逆風に直面するのが、ネットで買ったほうがいいよねと思われるようなものです。もちろん事業モデルや何かネットを介在させない理由やメリットがあれば別ですが、コスト的に言っても、アマゾンをはじめとするECのほうが店舗家賃もかからないため、低コストを実現できるので優位にはたらきます。

・商品や事業モデルにおける差別化がどこまであるのか

フランチャイズに加盟することや、起業すること自体が目的になってしまっている人によくお会いします。絶対にあってはならないことです。フランチャイズ起業を考えている人は、特定の業種へのこだわりなどを良い意味でそれほどお持ちではありません。そのため、徹底的に強い事業モデルや商品を持っている、今後マーケット的にも有望なフランチャイズを見極めるべきです(もちろんご自身がオーナーとしてやっていくわけなので、全く興味のない分野はよくないと思います)。その意味で、フランチャイザーの商品や事業モデルの優位性などを徹底的に研究しましょう。実際に消費者として競合他社とあわせて体験することはもちろんです。実際に使っているお客さんの声をダイレクトに自分で聞いてみることなどしてくださいね。

・想定が変わることは当たり前。フランチャイザーの考えや経営戦略などを要チェック

フランチャイザーの経営陣がどの程度優秀で、どこまでのビジョンを持っているのか?をみることも大切になります。マーケットはどんどん変わっていきます。これは誰にも止めることができません。変わることはフランチャイザーの問題でもありません。そのため、想定が覆ることなんてあって当たり前なのです。そのため、想定が覆ることすら織り込まなくてはいけません。このようなことを言うと、では、何を信じたらよいのですか?といわれそうです。ここでポイントになるのが、フランチャイザーの幹部や会社としての考え方だと思います。世の中の変化によって、様々な想定が仮に崩れたとしても、その変化に柔軟に対応できるような力を有しているフランチャイザーなのか?ということはとても大切です。フランチャイザーとしてどこを目指しているのか、それは本当にそうなのか?(話をしていたり、実際にやっていることの中に矛盾はないか?など)をチェックすべきです。

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・再現性の高いオペレーションのモデルなのか

フランチャイジーとしては、1店舗で稼ぐことのできる金額はおおよそ決まってしまいます。立地による制限なども出てきます。せっかくやるからには、複数店舗を持ちたいと思ってやっている人も多くいると思います。複数店舗持つことによって、店舗間の人の融通が効いたりというメリットも出てくるので、フランチャイザーとしても提案してくることです。

この時にとても大切なポイントになるのが、オーナーでなくともできるオペレーションなのかどうかということです。もっといえば、フランチャイザーの事業が誰でもできる仕組みとなっているのかどうかということです。少し大げさに言えば、オーナーは自分の人生とお金を賭けて事業に挑んでいるわけです。そのため実際に店舗が複数になった際に店舗をみるであろう現場のサラリーマンやアルバイトの方とも温度感にしても真剣さにしても全く違うわけです。この感覚を間違えてしまうと、メンバーとの圧倒的な温度差が生じ、メンバーが定着しないということにもなりますし、お互いのストレスを生んでしまいます。オーナーは自分の事業なので、どんな努力をしても、時間をかけても、できるまで努力することが当たり前です。そのため、通常は難しいことでもできるようになってしまうわけです(人によって時間差はありますが)。オーナーだからできるということは往々にしてあることなのです。

そこでよく注意深くみるべきポイントが、オーナーが仮にいなくてもできる仕組みなのかどうかということです。もちろんオーナーが全く関与しないという想定をする必要はないと言われればそうなのですが、
36524時間働きたいわけではないと思いますし、働けるわけでもないのです。また多店舗展開を考えると、このオペレーションのしやすさや再現性の高さということはとても重要なポイントになるので、よくよくチェックをなさってください。

・依存型でなく自分の事業だという気概でのコミットを持てるか

フランチャイザーとフランチャイジーの関係性がとても大切です。両者は間違いないビジネスパートナーだということです。Win-Winの関係でなくてはいけませんし、お客さんまでいれれば、Win-Win-Winでなくてはいけません。

ただ、フランチャイザー側が、自信をなくし、フランチャイジーに迎合するようなことがあってはいけません。フランチャイザー自身も事業でやっているわけなので、毎年増収増益であるべきです。フランチャイザーが儲かることは非常によいことで、儲かったお金で、商品開発や、フランチャイジーの生産性が上がるような施策、ブランド強化などを推し進め、未来の顧客開拓をすればよいだけの話です。フランチャイジー側が儲かっていないのに、フランチャイザー側が儲かっているとかなりの確率で批判されます。もちろん、フランチャイズの事業モデル自体がありえない内容で、そこに原因があり、フランチャイジー側に利益が出ない構図なのであれば、これは文句を言うべきことです。しかし、例えば、自らの努力不足によって、同じフランチャイズ内で、立地などの条件が比較的近い店舗がしっかりと利益を出している場合には、フランチャイジー側の努力不足という可能性が高いかもしれません。両者はビジネスパートナーであり、役割が違います。そのことをフランチャイジー側も、フランチャイザー側もしっかりと認識を持って、良い意味での緊張関係、自立性を持って取り組むべきです。相手のせいにすることはとても簡単なことですが、相手のせいにしたところで問題が解決する話ではありません。

総じて、フランチャイズのシステム上、他責に近い、期待値や役割を間違えたフランチャイジーや、宣伝が誇大になりすぎて完全に誤解や嘘になっているフランチャイザーもいます。お互い誠実に、儲けあえる関係でなくてはなりません。

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