シニアでも起業できる!〜セカンドライフの楽しみかた〜

更新日:2017.02.23

1.日本は高齢社会国家である

現在の日本は世界でも類を見ない凄まじいスピードで少子高齢化社会が進んでおり、65歳以上のシニア世代が国家の人口構成比で最大勢力となりつつあります。

 

そもそも日本の現状は少子高齢化社会というような生まれてくる子供が少なくて高齢者が増加している傾向にあると錯覚させてしまうような生易しい表現ではなく、高齢者が社会の主要構成になる高齢社会国家であると断言したほうが、よりシニア世代の重要性がクローズアップされるのではないかと個人的には考えています。

1-1.そもそもシニア世代って?

シニア世代とはそもそも何歳からかという問題もありますが、日本の企業の多くが労働者の定年を65歳と決めて運用しています。 また、WHO(世界保健機関)が発表しているデータでも65歳以上を高齢者として定義しています。 さらに国家などの人口構成比を計算する場合にも世界的なデータでは65歳以上の方を老年人口として計算することにしています。 ですから、ここでは65歳以上の方をシニア世代としてお話をしていくことにします。

1-2.人口比率から考えるシニア世代の重要性

総務省統計局が発表している平成28年11月1日現在(このデータが現在の最新の日本の状況となりますので、さらに詳しいデータが気になる方は総務省統計局でデータを入手してみてください)の年齢階層別の人口データを見てみますと、65歳以上の人口は男女合計で3443万9千人となっています。

 

そして日本の総人口が1億2695万人ですから、国民全体の27.1%がシニア世代であると言えます。 次に他の世代の人口構成比を挙げて考えていきましょう。 まずは、0歳から14歳までの人口は1601万3千人で国民全体の12.6%でシニア世代の約半数しかいないことになります。

 

そして15歳から64歳までの労働者として国内経済の原動力となる人たちが7653万3千人と国民全体で60.3%となっています。 このような状況を受け、毎年右肩上がりで増加し続ける社会保障費(ここ1年だけで1兆5000億円増加したとのデータが公表されており、このままいけばさらに金額は増加することになるでしょう)の削減目的から年金の受給開始の年齢も上昇しています。

 

年金財政は厳しいので現在よりもさらに上昇する可能性が高いでしょう。 現実的に65歳の年金受給開始年齢を70歳からに引き上げようとする法律改正を考えていることがニュースなどでも流れています。

1-3.今こそシニア世代の力が必要である

平均寿命が延びたことも、もちろんですが近年では定年退職を迎えた後も引き続き再雇用されるケースや嘱託契約をすることで、企業で働き続ける人も増えています。そしてこのようなシニア世代の引き続きの活躍は、企業にとっても有益であることと同時に、消費活動の一端を担っていることは間違いなく、シニア世代向けのビジネスが注目されています。

 

シニア向けの製品や商品の開発、サービスの提供は企業が利益を上げて業績を改善していくためには率先して取り組むべき課題となっているのです。 その理由は本当に単純明快でシニア層が人口構成で一番多いので顧客となる可能性の人数が必然的にどの世代と比較して分析してみても多くなるということになるからです。

 

そして、シニア世代も会社などの組織でリタイヤしたからといって、昔のご隠居のように自宅でのんびりと過ごすことが最大の楽しみであると考えている人ばかりではなく、自分たちの年齢ならではの経験や知識を活かして自らも活躍する場がないだろうかと活動的な意識を持っている方がたくさん存在しています。 というのも、日本の経済発展を支えてきた団塊の世代で、起業ブームが起きているからです。

2.シニア起業のポイントを理解する/h2>

2-1.シニア起業のよいところ

2-1-1.培ってきた経験を活かす事が出来る

まずは、シニアの方が、これまでの自分の人生で、どのような経験をし、どのようなジャンルに対するスキルがあるのか?
また、どのような人達と人脈があるのかを考える事が大切です。それによって、事業の成功にも繋がりやすいと言えます。
長年の、経験や人脈、スキルなどによって得たご自身の大切なものを、起業に役立てる事が出来るのは、若者や中高年の方に比べると圧倒的に高いと言えます。定年したからと言って、もう終わりとするよりも、せっかく得た知識や経験などを活かせるのはシニアの皆さんだけですので、是非その大切な宝物を今後の人生にも活かして頂きたいです。

2-1-2.資金面で考えると、若い人よりも有利

若い内に起業しようと思っても、大体の方には資金不足で諦めてしまうことが多いでしょう。起業するには、規模にもよりますが、ある程度の資金力がどうしても必要となります。シニアの方たちは、長年勤めてきた期間からすると、持っている資金も多いと考えられます。やりたい事業があっても、ある程度のお金がなければ始める事はできません。そう言った観点からすると、シニア世代だからこそ起業に踏み切りやすいとも言えるのではないでしょうか。

2-2.シニア起業で気をつけるべきポイント

2-2-1.家族や周囲のサポートの有無

定年退職をしました。子育ても一息ついてホッと一安心。これからは、もう少し自由に暮らして行こうと考えていた夫婦がいたとします。しかし、どちらか片方が、いきなり「起業するぞ!」と言っても、相手がすぐに「わかりました」と納得するでしょうか?中には、老後の為に貯めていた資金に手をつけてまで、いきなり会社を作ると言われると困惑する方もいらっしゃると思います。また、起業すると言っても、1人で生きているわけではありませんから、様々な観点から見てみても、家族の理解を得て、サポートをして頂く事はとても大切な事です。

2-2-2.起業時の初期投資額(退職金の問題)

シニアで定年後や早期で退職されてから、起業される方も多いと思います。その場合、大体がある程度の自己資金をお持ちの方が多かったり、退職金として、資金を持っている方の場合、その資金を使って起業されるケースが多数です。その場合はなるべく、大きな設備や、固定費などではなく、規模を小さめにし、起業する事をオススメします。そうする事により、老後の為の資金がなくなってしまう!などのリスクを回避する事が出来るからです。小さめに始め、軌道に乗ってこれば、そこで大きく成長して行く事も可能ですので、参考にしてみて下さい。

2-2-3.シニアだからこそ必要な健康管理

同じ人間と言っても、やはり長年生きてきたシニア世代の方は、若い人に比べて体調を崩しやすかったり、病気になる確率が上がると言うのは避けられない現実です。いざ起業したとしても、ご自身が体調を崩されては、会社の運営もままなりません。持病がある方は定期的に検診を受けたり、健康な方でも、しっかりと健康診断を受ける事が大切です。また、普段から食べる物にも気を配る事も重要なポイントと言えます。是非、ご自身に合った健康法などを使って、健康管理を行う事をオススメします。

2-2-4.以前の仕事上の立場とのギャップ

ずっと長年会社勤めをされてきた方は、ある程度の役職などがついていた方も多いと思われます。社内で段々偉い立場になると、社内では部下に頭を下げると言う事もないでしょう。しかし、起業すれは、ご自身がその会社の顔となります。取引をする相手の会社側にも、頭を下げたり、下手に出てお話をする事も必要となってくる事でしょう。また、社員などを雇用する場合も、偉そうにしていたり、前の会社ではこうだったから、これで通用するだろうと思っていては、離れて行ってしまうかもしれません。従業員がいなければ運営して行く事が出来ない場合、その従業員がいなくなってしまっては、会社にも影響が出るのは必至です。今まではこうだったと言う固定観念から解放され、ご自身はどのような会社や社内の空気などを作りたいのかも検討する事は、とても大切な事と言えます。

2-2-5.時代の流れを掴む柔軟性のある思考力

シニア世代の方たちが、若かった時代の頃よりも、インターネットを含め、便利な物が世の中には沢山、出回っています。その中には、逆にシニアの方にとっては「昔はこんな事をしなくても良かったのに、なぜ面倒を増やす事をするのだ」と思われる事もきっと多いのではないでしょうか。しかし、時代は流れて行くもので、どんどん見慣れないサービスや、機械なども導入して行く時代です。昔はこうではなかった!と頑固な考え方をしていれば、時代に取り残される事もあります。ですから、変化を認めると言う柔軟性のある思考力と言うのも、おのずと必要となってくるでしょう。

2-3.シニアのための優遇制度(資金・補助金・助成金など)

2-3-1.女性、若者/シニア起業家支援資金

政府系機関である日本政策金融公庫から、シニアの起業を応援する融資制度があります。シニアの方は55歳以上が対象となっており、借りられる金額は最高で7200万円となっています。こちらは支店がありますので、お近くで検索して見ると良いでしょう。
参考サイト:「日本政策金融公庫の女性、若者/シニア起業家支援資金」

2-3-2.一般社団法人・日本シニア支援機構

こちらは一般社団法人と言う団体が行っています。経営の改善を支援したり、様々なセミナーなども開催されています。こちらでは、シニア層の方々が生涯現役で活躍する事で日本経済が発展する事や、シニアの方々が生き甲斐を持った人生を送れる事を目的としていますので、参考にしてみて下さい。
参考サイト:「一般社団法人・日本シニア支援機構」

2-3-3.生涯現役起業支援助成金

こちらは厚生労働省が行っている助成金の支援制度です。対象となる年齢は40歳以上となっています。また助成金の金額の上限ですが、40歳から59歳までの方は150万円となっているのに対し、60歳以上の方は200万円と、50万円の差があります。
参考サイト:「厚生労働省内、生涯現役起業支援助成金」

2-3-4.「東京都/創業サポート事業」

こちらは東京都内で地域に根ざした創業を、セミナーや、融資などによってシニアの方の支援を行っています。融資に関しては最大で1500万円となっています。
参考サイト:「東京都、女性・若者・シニア創業サポート事業」

2-3-5.「福岡県70歳現役応援センター」

こちらでは高齢者の方の就業や社会への参加を支援しています。セミナーなども開催されていますので参考にしてみて下さい。
参考サイト:「福岡県70歳現役応援センター」

2-3-6.「ひょうご産業活性化センター」

こちらでは、シニア起業家支援事業と題して、起業や、第二創業を目指すシニアの方々に向けた補助金などの支援制度を設けております。
参考サイト:「ひょうご産業活性化センター」

3.シニア世代の起業が増えてる?

シニア起業のイメージ

2012年度に政府系金融機関である日本政策金融公庫が発表した新規開業実態調査でシニア世代の起業について調査がされています。 まず、シニア世代の起業は何をきっかけに行われているかという調査結果では、起業動機は以下の3つが多いということが分かります。 (複数回答可なので合計で100%を超えています)51.1% :仕事の経験・知識や資格を生かしたかった 36.2%: 社会の役に立つ仕事がしたかった 36.2%: 年齢や性別に関係なく仕事がしたかった

 

これを見ると、社会経験を長年積んできたことで、経済的なゆとりもあり、それなりに貯蓄もある人がシニア起業家になっているということが分かります。 こうしたシニア起業家の多くが、「定年をむかえたからといって、ただ引退するのはせっかくこれまで頑張って能力を身に付けてきたのに…」や「(経済的にゆとりがあるからこそ)これまで想い描いてきた夢を実現して社会の役にたつためには起業するほうが自分の思いを完璧に反映させることができる」など、情熱を忘れない人ばかりだと言えます。

3-1.シニア世代の起業成功例

シニア仕事のイメージ

シニア世代の起業といってもその事業形態は起業を考えて実行する方によって様々です。 日本で唯一の公的経営コンサルタント資格である中小企業診断士協会によると、「定年後に永年の夢や趣味を事業化して始めるビジネス、企業戦士として身につけてきたノウハウや経験をもとに早期退職優遇制度などを活用して定年前に始めるビジネス、地域やコミュニティの課題解決のためにビジネスとして立ち上げるなど、多種多様な事業形態となっている。」 といいます。

 

さて、中小企業診断士協会の調査の中から、シニア世代の起業の成功例を5つほど挙げてみますので見ていきましょう。 ただ、事例が必ずあなたの起業に役に立つわけではないでしょうから、あくまで参考として考えていただいて、あなたならではのオンリーワンの起業方法を考えていただきたいと思います。

3-1-1.イサムの漉き織(代表 椿原 勇氏)

新しい事業を始める前にも、織物会社を経営し、経営の知識を着実に身に付け、投影させてきた椿原勇氏は、織物会社の後継者をしっかりと育てあげ、自身の夢であった事業をスタートさせました。 それが、長年開発に力を入れてきた和紙(紙漉き)と繊維(織り)の技術を組み合わせた「漉き織」製品を世の中に広めることでした。 学び シニアらしい製品を事業化したことが成功の秘訣になっています。

 

椿原氏は「ひたすらニッチで高付加価値製品として受け入れられる市場を少しずつ開拓していきたい」と話しており、誰もができる事業ではなく、誰かしかできない事業をしっかりとカタチにすることがシニア世代ならではといえます。

3-1-2.着楽屋(代表 山下節子氏)

中古着物や着物のリサイクルを中心とした事業です。 なんと、代表の山下節子氏は、長年勤めていた会社を定年前の 58 歳で急遽退職しています。 家族の理解があったこともあり、市から起業支援の補助を受け、お店を開いています。 学び 眠っている宝の活用方法を提案していることが成功した理由といえます。
着物の生地を活かした現代ファッション用品や、作務衣などへのリサイクルを企画しており、様々な世代をターゲットとした事業戦略で長期的な経営を可能にしています。

3-1-3.カフェ らいさー(代表 村上孝博氏)

この方は、60歳で会社を定年退職した後、職業訓練プログラムの農業や米粉パンの事について学ばれました。
その直後、東日本大震災が起き、社会に役に立つ起業を志したいと言う想いから、米粉パン&シフォンケーキの製造販売事業として起業されました。
参考サイト:「カフェ らいさー」

3-1-4.NPO法人エガリテ大手前 (理事長 古久保俊嗣氏)

古久保氏は元々世界を舞台に活躍してこられた元商社マンの方です。
男女共同参画社会の創生に共感され、2004年に法人を設立しました。
祖父の子育て参画を促進するソフリエと言うプログラムを開発し、全国の自治体との協動をし、普及を図っています。
参考サイト:「NPO法人エガリテ大手前」

3-1-5.愛犬のお散歩屋さん・株式会社JTL(代表 古田弘二氏)

名前からもわかるように、犬のお散歩をビジネスとして起業されました。
全国のFCメンバー70名のネットワーク構築をし、3億円の年商を達成されております。
参考サイト:「愛犬のお散歩屋さん・株式会社JTL」

4.今こそシニア世代の力を

シニアのイメージ

ここまで、シニア世代の起業についてみてきましたが、彼らが起業で成功している大きな理由は、豊富な経験と高いスキルだと言えます。 日本の高度成長を支えたシニアの底力は凄いとしかいいようがありません。

 

シニア世代の方には、ぜひ、これまでの経験を活かし、社会に必要な事業をどんどんスタートさせてほしいです。 若い起業家には若い起業家にしか持てない視点が存在しているように、シニアの方には人生経験が豊富である方にしか持つことのできないビジネスに役に立つ視点が間違いなく存在しているはずですから、シニアであることを十分に生かせるようなビジネスを行ってほしいと思っています。

 

あなたが年齢的なことにもしかしてコンプレックスを持っていた起業をすることをためらっているのであれば、その部分を逆手にとった若手起業家では考えられないような事業活動が間違いなくできるのではないかと思っています。

4-1. 人口構成の最大勢力であるシニア世代のあなたにこそ・・・

政府が1億総活躍社会ということでニュースなどメディアでは女性活躍社会ばかりが取り上げられていますが、社会の人口構成の最大勢力であるシニア世代のあなたにこそ活躍していただきたいと強く願っています。

 

シニア世代の活躍は日本経済を活性化するだけでなく毎年のように国家財政に大きく圧し掛かってくる巨額な社会保障費や年金財政の悪化などの抑制にも繋がってくることになりますので、あなたの子供や孫のことを考えても志がある方には起業を考えていただけると嬉しく思います。

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