アフリカビジネスで起業! 初契約が取れるまでの理想と現実
- 起業に至るまでの経緯と、創業後の現実
- 初めてのコンサル契約!開業から10ヶ月目!成立できた秘訣とポイント
- 営業する中で学んだ、契約が取れなかった原因と、困ったお客さん実体験。
- 起業してわかった、「お金」と「心」の安定の大切さ
「ラストフロンティア」と呼ばれるアフリカ市場。
メディアでも「最後の市場」と期待されるアフリカ。多くの先進国で高齢化、人口減少が問題化するなかで、アフリカ諸国はこれから発展する地域として注目されています。わたしはこのアフリカを中心とする新興国で事業を立上げる企業のコンサルタント業として起業しました。
昨年(2017年)9月に個人事業主として開業し、10か月にしてようやく長期コンサル契約が取れ、食い扶持を稼げるようになりました。自信満々で事業計画を立てながらも計画通りに進まない現実に落ち込み、紆余曲折しながら初契約が取れるまでの悪戦苦闘の起業の現実をお伝えしたいと思います。
11年間、アフリカ市場向け海外営業と新規事業立ち上げの仕事をしてきました。商材は自動車。地方の中小企業から国内自動車メーカー系商社へ、さらに外資企業の日本法人創業メンバーへと、キャリアのなかで2度のヘッドハンティングを経験しました。
「アフリカ」×「自動車」×「海外営業」というニッチなキーワードの組み合わせで運良くマッチングされ、38歳と42歳の時にかなりの好条件で転職することができたのです。起業するまでのわたしは、ニッチなアフリカ市場で11年間の実務経験、事業立上げの実績があれば、独立開業しても仕事はできると、安易に考えていました。
実は過去に1度個人事業主として開業、失敗して会社員に戻るという痛い経験もあり、次は絶対に失敗しない、という自負もありました。
会社を退職した翌月の2017年9月に、個人事業主として開業しました。まずは知人の会社から声を掛け、会社を訪問し、現状と課題をヒアリング後、コンサルティング案をもって再度提案に伺うというごくごく一般的な営業活動をしていました。
知人の会社を一回りすると、次は知り合いの紹介、知り合いの知り合いと、次々にアポ取り、訪問、提案を繰り返し、仕事に没頭する充実感と、会社員生活からの開放感を味わいながら、毎日バタバタと忙しく過ごしていました。
訪問先のなかにはかつてのライバル会社もあり、お互いシェアを取り合った昔話に懐かしさを感じつつ盛り上がり、過去の栄光を思い浮かべながら自信を深めていました。しかし、気がつけばあっという間に3ヶ月が経過し、契約はゼロ件。当然、収入もゼロ。
会社員時代には考えもしなかった健康保険費や区民税などの支払請求が毎月届き、会社員時代のわずかな蓄えが減っていきます。かといって、出費は抑えられません。人脈を広げるといっては異業種交流会へ参加、スキルアップといっては勉強会やセミナーに出席、営業といっては知り合いを誘い会食するなど、「創業当初には欠かせない大切な出費、必要経費、将来への投資」などと考え、費用は惜しまず積極的に活動を続けていました。
会社員時代の蓄えは減る一方、想定していた契約も獲得できず、計画と現実のギャップに焦りが生まれます。そうなると、訪問先でもつい力が入って空回り、さらに状況は悪化していきました。
一人で起業し、相談できる人もなく、自問自答を繰り返した結果、自分の事業そのものに疑問を持ちはじめ、自信がなくなり、すべての活動が消極的になっていきました。
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専業のコンサルタントとしての自信を失いかけた頃、たまたまチャレンジャーズの伊藤健太さんのセミナーに参加したところ、衝撃を受けました。今まで成果が出なかった理由。一生懸命頑張っていたことが、いかに的外れだったか。
「マーケティングとは何か」を真剣に考えるようになったのも、このセミナーがきっかけでした。会社員時代のマインドや営業手法を、そのまま起業したばかりの個人事業主の仕事に投入しても、良い結果が出ないのは当然と理解できるようになりました。
それからは事業運営に対する考え方が定まり、見込み客の獲得、行動量の不足を補う施策、直近の入手を得ることに集中するなど、効果の出やすいことから手をつけていき、徐々に自信を取り戻すことができました。
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知人からの紹介案件は、全て成約に至りませんでしたが、外部のネットサービスを利用することで、一縷の望みが見えてきました。
スポットコンサルのマッチングサービス「ビザスク」の活用です。
自身のプロフィールと、コンサル可能な案件などを登録することで、短期限定で専門家のアドバイスが欲しい企業、個人などからコンタクトがあります。私の専門分野であるアフリカ関連の案件がどれくらいあるか不安はありましたが、思いつく限りのキーワードを盛り込んで登録してみました。
結果として東証一部上場企業の担当者からアフリカ事業戦略のアドバイスを依頼され、ようやくコンサルタントとして力を発揮できる時が来たとがぜん張り切りました。
しかし、現実は思い通りにはいきません。
自分のビジネスに対する甘さが原因か、プロ意識の低さが原因か。いま思い起こせば反省すべき点は多々あります。
スポットコンサル契約ですので、時間あたりのコンサルフィーを設定し、仕事をする度に報酬を得るのが基本です。ただ、何回か会って打合せをしているうちに、関係性が曖昧になってきました。
ランチや会食といった目的で呼ばれると新しいメンバーを紹介され、また事業アイデアも惜しみなく出し、求められれば知り合いを紹介……。結果的に無報酬で、色々とアドバイスすることが日常的になってしまいました。
こちらも初コンサル案件で舞い上がっていましたし、将来の上場企業とのつながりが出来れば事業が本格始動した際、長期契約の可能性もあります。そのようなモヤモヤした気分を抱えながら、他にコンサルのあてもないことから、ズルズルとこの関係性を断ち切ることができませんでした。
数ヶ月後、この企業のアフリカ事業が着々と進んでいると噂を聞いた時、はじめて自分の必要性がないのだと気がつきました。
初めての長期契約は、開業から10ヶ月経過した頃でした。登録したことも忘れていたコンサルタント仲介エージェントから突然の電話があり、クライアント候補先の事業内容や、アフリカ向けの新規事業プランなどを聞きました。
後日、担当役員の方と面談し、翌日には契約成立という、あっという間の出来事でした。しかも、私が想定していた、自動車関連の業界ではなく、ICT業界の企業でした。
自動車業界での経験が長かったため、自分の価値もその業界から求められていると勝手に考えていましたが、市場のニーズはどこにでもある、どんな業界、業種でも、コンサルティングのニーズはあると、自信がつきました。
参考までに、私がお世話になったコンサルタント仲介エージェントを紹介します。登録は無料ですので、試しにエントリーだけでもしてみることをおすすめします。
担当役員の方は同年代ということもあり、初対面から意気投合。考え方や、事業の進めかたが似ていたので、話がスムースに進みました。また、決裁権のある方だったので、即断即決で契約することになりました。
成立に至ったポイントしては、
・アフリカ事業の立ち上げ経験が豊富なこと。
・企業が不足している海外事業の立ち上げ人材として補完できること。
・担当社員の営業スキルの向上など、海外営業のための人材育成も可能なこと
でした。
当初の条件としては、フルタイムで対応して欲しいとのことでしたが丁重にお断りし、週1~2回、本社での進捗報告と、毎日夕方のアフリカ法人スタッフを含めたビデオ会議の取りまとめ役のみとなりました。
それ以外の日は独自の活動もできるようになり、次のクライアント開拓に時間が割ける、好条件の契約でした。これはスポットコンサルの件で自分の価値を安く売り込んでしまった経験から、自信をもって条件提案、交渉できた結果だと思っています。