フランチャイズオーナー希望者必見!東大卒金融マンが実体験から教える、フランチャイズの失敗回避術
- 商売開始の決断に必要不可欠なのは裏取り。そのポイントは?
- 自分の力と、選ぶ舞台。勝率を高めるための要素を分解。
- 自分の責任で、自分がやるという覚悟。
古川)わかりやすいのはグーグルに「フランチャイズ」と入れて、「コンサルタント」と入れるといっぱい出てくるのですけれども、極めてみんな本部サイド、本部寄りの人たちなんです。
もちろんそれ自体が悪いわけではない。なぜなら彼らはフランチャイズ業界についてもっとも詳しい人たちであるので、彼らを味方にできれば非常に良いということはあるんですけども。
個人的につながるルートがあれば別ですがそうでない限り本部からお金をもらうことをなりわいとしている人から本部に不利な情報をディスクローズしてもらうということは非常に難しい。
特に、ネットとかで本部の悪いことなんか書けないわけなので。どれだけネットを探したりしても、見つけるのは難しいわけです。
ひとつ、デューデリジェンスのなかでよくある方法が、たとえばフランチャイズ本部を入れてですね、「訴訟」とか、「トラブル」とか、そういったキーワードをちりばめることによって、問題があったら匿名掲示板で騒がれてるとか、そういったことでチェックするというのは、これはひとつのテクニックとしてあるんですけども。それでひっかかるケースもあります。
実際に、私も調べたフランチャイズ本部での話。「少しあやしいな」と思って、加盟検討を止めてたんですけども、実はその本部を仕掛けてた社長が全然違う業界の本部もやってて、そこがブログでだいぶ叩かれてた。
要は都合のいい数字ばかり出して加盟を集めてるんだけども、実は撤退率が非常に高いということをブログで書かれていた。
それが最後どうなったかというと、おそらく本部だと思うんですけども、ブログサービス元の方にプレッシャーをかけて「なんの根拠があって、こんなこと書かせてるんだ」というような展開になって、その後そのブログは更新がとまってしまいました。
これは、ネットをしっかり見ていて気づいた例なんですけれども。もう今、ああいう、ネットでのネガティブ情報というのは消せるんですよね。たちの悪い大手本部なんかは、ネットのネガティブ情報を潰す専門家に金を払ってるとも聞きます。
伊藤)もう、いたちごっこ。
古川)私なんかは、ある本部で絶対ダメと思ってるところがあるんですが。どんなキーワードを入れてもヒットしない。実際の説明会も僕は行ってみたんですけども、わりとこう、宗教がかったようなものでした。
「これ俺だったら気づくよ」とおっしゃると思うんですけども、雑誌をコンビニで買って良い本部を発掘しようと思ってる加盟候補者だとすると、かなり騙されるのではないかと思います。
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伊藤)目の前の人が古川さんにとって、ものすごい大切な人だとするじゃないですか。
この人がフランチャイズに加入したいと言ったとき、どうやって指導していくんですか。フランチャイズやめろとは言わない?
古川)やめろとは言いません。ただ、ふたつ非常に大事なことがフランチャイズで起業する上で必要で、そこの確認なくして加入するのは高リスクだと思うんです。
ひとつはやっぱり自分の能力ですね。業界のことがわかっているか、フランチャイズのことがわかっているか、あとは、どの本部がよくてどの本部が悪いか、どういう人がやってるか、と、そういったいわゆるデューデリジェンスの能力プラス、たとえば「ウェブマーケティングを個人でもできるのか」とか、「ブログの書き方わかってますか」というような、あとは「販促ってどういうのがあるか、自分でわかってますか」という個人の能力のところ。また、横のつながりを持っているか、しっかり情報をつなげてくれる仲間を持っているかという個人の人的能力のところだったり。
これがたとえばY軸だとすると、Y軸を上の方に上の方に伸ばすという、この能力。
あとひとつはビジネスモデルですね。Y軸がどんなに上の方に高くても、選んだ本部のビジネスモデルが衰退するときには本部ごと沈みますので。Y軸が高くてもX軸の動きについていけないとすると厳しい部分があると。そのふたつ。
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伊藤)古川さんが加入しているところだと、本部サイドってどんだけ最初オープンしたとき手伝ってくれるんですか?
古川)スポーツ系の本部はだいぶ手伝ってくれました。備品リストを用意してくれて、この備品はここで買うっていうふうに。
たとえばアマゾンとかヤフーショッピングのリンクを全部張って、それを全部自分で押していけば発注できるとか、そんなリストを。楽は楽ですよね。備品の店内への設置までやってくれました。
もうひとつの本部も内装とかそんなあたりは全部手配してくれました。
伊藤)初月~3カ月、販促みたいなところは実質的に手伝ってくれないんですか?
古川)スポーツ系1店舗目のオープンのときは事前に2週間くらいかけて、たとえば街宣車を運転して近所を走り回るとか。派手なチラシを作っていっぱいまいてくれるだとか、駅前で本部の人がティッシュを配ってくれるとかそういうことをやってくれました。
伊藤)「こういう層、このくらいの商圏があれば」、「このやり方でやれば」というのを織り込んで事業モデルとして成り立っている場合、それはどのくらいの確率で実現します?
古川)そうはなりません。
今考えてみても、最初の頃もらっていた事業モデル、たとえば「この物件だったらこの事業モデル」、「このくらい人が住んでいて、このくらいの確率で入るのでこのくらいの推移になるでしょう」というのは今考えてみるとかなり……(笑)。
今は自分のレベルも上がっているので、商圏分析は自分でやります。ただもちろん本部にも商圏分析は作ってもらいますけれど。
伊藤)加盟するメリットは実質なんだと思います?
古川)基本的には成功モデルがあるとして、それを持っている本部なら価値がある。成功モデルに相乗りできる、モデリングすればいいといいますかね。
あとは立ち上げの速さですよね。いろんな販促をするわけなんですけれど、要は自分がイチからこうだろうではなく、やはり先の人たちがトライアンドエラーやってきたのを最初からピンポイントでいける。
余計な実験コストをかけなくていいのがあるのと。
あと、フランチャイズ本部によりますが、ピンチのときのサポート。 僕のところで言うと、店長が身体を壊してダウンしたときがあったんですよね。
そのとき、ワンオペなので本部がなければいきなり営業できないんですが、本部からヘルプを出してもらって店は回った。これはフランチャイズでなかったらありえなかったなと。
このへんのいざというときのサポート体制は入口のタイミングで僕は聞くようにしています。雇ったスタッフが倒れたとして、ヘルプくれますかと。
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