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所得税や住民税は所得に応じて納めなければならないものですが、少しでも減らしたいと思うのはもっともなことでしょう。
サラリーマンの場合には税金対策として副業を活用することも可能です。どのようにすれば副業によって節税することができるのでしょうか。
基本的な考え方から実際の方法まで確認し、実践してみましょう。
サラリーマンが副業で節税できるのはなぜか
サラリーマンは会社員として働き、給与所得を手に入れている人です。所得税は天引きされる仕組みになっているので、手元に入る給与からさらに税金を納める必要はありません。
給与所得は金額に応じて控除額が定められていて、給与収入から控除額を差し引いた値が課税対象となります。
これに対して副業によって得られる収入は給与所得ではありません。
どのような副業をするかによって分類は異なりますが、クラウドソーシングを継続的に行って稼いだり、お店を開いて商品の販売をしたりすれば事業所得となるのが一般的です。
クラウドソーシングでも単発で行っただけなら雑所得になるでしょう。また、不動産投資をすれば家賃収入に応じて不動産所得が入ることになります。
このような所得の中で事業所得と不動産所得は損益通算の対象になっているのが節税可能な理由です。
損益通算とは課税所得を計算した結果として損失が生じているとわかったときに、利益を得ている他の所得から控除することを指します。
例えば、事業所得が今年は100万円の赤字だったという場合には、給与所得が500万円あったときにも課税対象となる所得を400万円にできるのです。
総合所得に分類されている給与所得や事業所得、不動産所得や譲渡所得などはそれぞれの所得を合算して税額を計算するので、副業が赤字だったら課税所得を減らせると考えると良いでしょう。
この他にも、譲渡所得と山林所得も損益通算できますが、一般的な副業では事業所得か不動産所得になる場合が多いでしょう。
なお、雑所得になる収入については損益通算をすることができず、サラリーマンの給与所得と合算して節税に活用することはできません。
所得税を減らす目的で副業をするなら所得が事業所得や不動産所得になるように仕事を選ぶ必要があります。
損益通算で利益を生めるのかを考えて節税のメリットを理解しよう
損益通算によって給与所得にかかる税金を減らすには赤字にしなければなりません。
副業が赤字になって損をしているのでは節税をしても意味がないのではないかと考える人もいるでしょう。
しかし、事業所得や不動産所得は現金は増えているのに赤字になるという形にしたり、現金は確かに減ったけれどメリットも享受できたというお金の使い方をしたりできるのです。
事業所得や不動産所得では収入から経費を差し引いた金額が課税対象になります。
経費は事業を行う上で必要だった支出に相当するもので、課税対象とならない仕組みになっているのです。
具体的に考えてみると、例えば事業による収入が100万円あって、経費が150万円かかっていたら50万円の赤字になります。
この50万円は給与所得と損益通算をすることで課税所得を減らすのに活用可能です。
この経費の内容が何かによって副業による節税のメリットが生まれるかどうかが異なります。
事業で100万円の収入を得るために全て使ったのであればあまりメリットはないでしょう。しかし、少し工夫をすると当然あるはずだった支出を経費にできることもあります。
例えば、事業所として自宅を選び、自宅で仕事をした場合にはその仕事のために必要だった水道光熱費やインターネット代、さらには家賃すら一部を経費にすることができます。
副業で使うために買ったものは全て経費にでき、ボールペン一本ですら計上して問題ありません。
また、不動産投資の場合には経年劣化に伴って生じる減価償却費も経費に算入することができます。
建物の減価償却費は大きいので家賃収入が大きいときでも相殺してしまえることは多く、現金は増えているのに不動産所得は赤字という形にできる場合もよくあるのです。
このようにうまく経費を活用して損益通算をするとメリットを生み出すことができます。
副業の税金の計算方法を把握しておこう
副業が赤字の場合には損益通算で節税することができますが、黒字になった場合には税金を納めなければなりません。
その計算方法も知っておくことが大切ですが、実は総合課税ということがわかっていればそれほど難しいことはないでしょう。
事業所得の場合にも不動産所得の場合にも、収入から経費を引き去ったものが所得になります。
雑所得を得ていたときにも同様で、損益通算ができないだけで総合課税の対象なので給与所得などと合わせて計算する必要があります。
また、複数の副業をしている場合には個々に所得を計算し、総合所得に該当しているものは全て合算します。
そして、その合計金額から決まる税率と控除額を適用すれば今年に納めなければならない所得税がわかるのです。
所得の種類ごとに課税所得を計算した後、総合所得は合算するということを覚えておけば間違えることはありません。
さらに、副業によって税金がどう変わったかを知りたい場合には、副業による所得がある場合とない場合での税額を計算して差額を取ればわかります。
節税ができたかどうかは両方を計算してみないと判断できないのです。
節税するには確定申告が不可欠
サラリーマンが副業によって節税するには最終的に確定申告をしなければなりません。
自分で副業による所得と給与所得を合算して税額を算出し、その金額を確定申告書類に正確に記入しましょう。
もし副業で利益が上がっていたなら税金を納める必要があります。
しかし、損益通算によって所得税が払い過ぎになっていたという結果になった場合には、税金の還付を受けることができます。
そのための手続きとしても確定申告が必須なので節税を目指しているときには年度末に手続きを忘れないようにしましょう。
実際に確定申告をしてみると経費をいかにして増やすかが大きな課題だということがわかるでしょう。
ですが、副業で大きな利益を出してしまうとそれを相殺するような大きな経費をかけるのも難しくなりがちです。
したがって、トータルとして利益が十分に大きくなれば良いというスタンスで副業に取り組んだ方がストレスは減ります。
あるいは、副業で失敗しても損益通算できるから節税になり、それほど大きな損はしなくて済むと考えても良いでしょう。
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