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創業時に大きな問題となるのが固定費です。なかでも毎月かならず発生するオフィス賃料は無視できないほど事業資金を圧迫します。そこで注目を集めているのが田舎での起業です。とくに田舎でのIT関連業種の創業は、マスコミなども大きな関心を寄せています。
そこで今回は田舎でIT関連業種を創業する際のメリットやデメリットについて考察します。
IT業種が田舎で起業するメリットとは!都会では得られない田舎ならではの魅力をチェック
創業する経営者の多くは都会で事業を始めます。いうまでもなく人口の多い都市部の方が新規の仕事や顧客を得やすく、それだけビジネスチャンスが広がることも多いからです。
ただ、IT関連業種に限ってみると、こうした創業当初のスキームが必ずしもすべての事業者に当てはまるとは限りません。なぜならIT関連業種の場合、営業や業務の多くをオンライン上に集約することができれば、オフィスの場所は都会であっても田舎であってもほとんど仕事に影響しないからです。
こうしたIT関連業種の強みを充分に活かすことができれば、固定費を節約できる分だけ、田舎は都会以上に収益の上げやすい場所といっても過言ではありません。なにかとデメリットばかりがクローズアップされる田舎ではありますが、こうした事業資金の節約にはもってこいの場所だという点を押さえておくようにしましょう。
田舎での操業で得られる最大のメリットが固定費の安さです。たとえば首都圏における20坪以上50坪未満の小型ビルのオフィス賃料は1坪当たり15,000円から30,000円程度の価格で推移していますが、それが地方、とくに周辺を田畑に囲まれた田舎ともなると1坪当たりの賃料が5,000円以下にまで下がります。
さらに空き家となった古民家を借り上げてオフィスとして使う場合では、月額50,000円程度の家賃で済むことも少なくないなど、首都圏と田舎とではオフィス賃料に大きな差があるのは明らかです。
毎月発生する固定費の中でもオフィス賃料が占める割合は決して小さくありません。この固定費を大幅に下げられるのが田舎で起業する最大のメリットだといえるでしょう。
田舎で起業するもうひとつのメリットが注目度を上げやすい点です。とくに過疎化が進行している地域での起業は、その地域はもちろんのこと全国のマスコミからの注目も引きやすく、創業当初から大きな反響を呼ぶことが少なくありません。創業直後は顧客の獲得にも苦労するのが一般的ですが、このようにして注目を集めることに成功すれば、顧客の獲得も格段にスムーズになります。
また、古民家をオフィス代わりに利用するケースでは、地域コミュニティーとのつながりを深められるチャンスも生まれます。ちょっとした食べ物や生活物資のお裾分けなどに恵まれる機会もあるなど、地域に根差した職場環境を活かせるのも田舎で起業する大きなメリットです。
見逃せないデメリットを分析!田舎ならではの事情は起業前に把握しておきましょう
田舎での起業には毎月発生する固定費などを節約しやすいといったメリットがあります。その一方で起業する際には田舎ならではのデメリットがあることも忘れてはいけません。とくに田舎で起業するメリットよりデメリットの方が上回る場合には、事業継続そのものが困難となる場合もあるので、田舎が潜在的に抱えるデメリットにはとくに注意を払うことが大切です。
まず、田舎でIT関連の事業を始める場合、安定したオンラインを構築できるのかどうかは必ず確認しておきましょう。なかでもスマホで頻繁に使うWi-fi関連の通信環境などは、起業前によく調べておくことが大切です。
都会では当たり前のようにつながるWi-fiですが、田舎ではサービスそのものが提供されていない場合があります。また、繋がっている場合でも通信速度が極端に遅く、仕事では使い物にならないといったケースも考えられます。こうしたデメリットも考え、田舎でIT関連の企業をする場合には、事前に通信環境などをよく確認しておくようにしましょう。
IT関連業種の大きな魅力はたった1人でも事業を開始できる点にあります。パソコンやスマホといった機器や基本的な通信環境があれば、都会と変わらない環境で働くことも可能です。ただ、田舎で起業する場合、将来的に事業が軌道に乗ったときに、どうやって従業員を確保するのかも考えておく必要があります。
なぜなら人口が少ない田舎では、都会のように求人募集を行ってもすぐに人が集まるとは限らないからです。とくに過疎化が進行した地域では、募集そのものが困難で、都会で人を集めなくてはならないケースも考えられます。田舎で創業する際には、こうした従業員不足の問題に直面する可能性があることも考慮しておきましょう。
IT関連業種のメリットはオンライン上で顧客を獲得できることです。事業内容や規模によっては顧客獲得のすべてがweb上で完結するといったケースもあります。ただ新規顧客の獲得に対面営業が欠かせない場合、田舎では顧客の獲得に苦労することも考えておかなくてはなりません。そもそも人口の少ない田舎ではビジネスパートナーとなりうるクライアントの数自体も限られているからです。
こうした問題の解決は一事業者にとって容易ではありません。営業のために田舎から都会に頻繁に出かけているようでは、そもそも田舎で起業するメリットも失われてしまいます。
このように田舎で創業する際には、新規顧客の獲得は難しいといったデメリットがあることも押さえておきたいポイントです。
デメリットはITの強みで回避!田舎起業は地域に根差した事業で飛躍
IT関連の事業を田舎で創業する場合、通信インフラが脆弱であること、従業員の確保や新規顧客の獲得が難しいといったデメリットなどを考慮する必要があります。なぜならこれらの問題は一企業では解決できない事柄がほとんどだからです。
こうした諸問題を軽く見ていると、たとえ事業が上手くいっていたとしても、とたんにこれらの問題が噴出して経営危機に見舞われる可能性も出てきます。ただ、こうした問題は事業内容や起業するエリアを慎重に選べば回避できる場合が少なくありません。
また、田舎での創業には固定費を安く抑えられるというメリットもあります。IT関連業種の最大のメリットはどこでも仕事ができる点です。こうしたメリットを最大限に活かせば田舎での創業は十分に可能です。
もし、何かITを活かした事業を始めたいと検討しているなら、田舎ならではのゆったりとした時の流れを感じながら、地域に根差した事業を展開してみるというのも良いのではないでしょうか。
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