独立、起業を考えている4タイプ解説〜意識高い系〜

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意識高い系のタイプの特徴としては、「心配性」「準備偏重」「机上」「真面目」ということが特徴としてあります。
もちろん良いことでもあるのですが、悪い風に働くとどのようになってしまうのかということをここではみていきます。

意識高い系のタイプは、頭が良かったり、真面目なため、一般的な正攻法で物事を進めようとします。
そのため、独立、起業をいざしようとなると、最初にリスクを考えます。どうしたらリスクを消すことができるのかということを考えてしまいます。
リスクを消すために入念な準備が必要とか、自分自身のパワーアップが必要ということで、勉強したり=机上で時間を使うことを増やしてしまいます。
アプローチの仕方が極めて真面目なわけです。

入試のような感じをイメージしていただくとよいと思います。
入念に時間をかけて準備=勉強をすれば、よくなっていくという風に思っているわけです。もちろん準備はすべきですが、大切なことは準備でなく本番でうまくやることです。
必要以上の準備偏重になってはいけませんし、準備が目的になったり、意味のない準備をしてはいけません。
常に結果からの逆算であり、その逆算をいかに早く実現できるかを考えるべきです。

意識高い系の人が陥りがちなパターンとは?

意識高い系のタイプの人は、とても真面目なため独立・起業を考えている人の中では過剰な準備をする傾向があります。ただもったいないことにお金の使い方も、独立、起業の準備に結構な金額を使ってしまうわけです。ここでいう準備は主に勉強などのゴールに直結するお金の使い方ではありません。

独立、起業をして多くの人が一番最初に困ることは、間違いなく売上が上がらないことです。意識高い系のタイプは、あまり泥臭い営業などをこれまでしたことがなかったりします。また悪く言えば、少し頭でっかちなので、独立、起業の実際ではなく、きれいなところをみがちです。

そもそも絶対に営業活動をしない限り売上は上がりません。
営業一筋でこれまでしてきた人だって、いざ独立、起業をしてみると売上に困るわけです。意識高い系のタイプは、そうすると営業活動をあまりしたことがなく、特に営業に対して苦手意識すらもっている場合も多くあります。本来はこの営業活動に最優先でどのように対処するかを考えるべきです。

このような状況にもかかわらず、意識高い系のタイプの独立、起業の準備として最高峰みたいに思っているのがMBAに通うことだったりします。
MBAが独立、起業という文脈において良い悪いということはとても難しい話なのでここでは控えますが、小さい会社、個人事業主として売上を出すということに対していえば全く不要だと思います。もちろん効果はあります。ただその効果というのに意味が本当にあるかは費用をみないといけません。費用というのはお金もそうですし、使う時間です。
その費用があれば、もっと圧倒的にダイレクトに仕事に繋がるような人脈形成をしたり、SNSの運用の仕方を学んだりしたほうがいいです間違いなく。性質が悪いのがあくまで準備のはずが、MBAなどに通って安心してしまうわけです。
MBAに通っている自分に酔ってしまっているといってもいいかもしれません。MBAが目的化してしまう人がいます。周りの人も選ばれし優秀な人でその中にいての議論、学びはとても面白いわけですそもそも。真面目ですし。

でもこのような人に限って決定的に独立、起業した後に売れなかったりします。
意識高い系のタイプはどんどん答えから遠ざかってしまうのです。
営業活動は絶対に必要で、最優先事項です実際の独立、起業において。MBAに通ってもその問題が解決されることはまずありません。

他にも、独立、起業したいものの今の自分では、漠然と何かが足りないので「資格」を取ろうと思ったりしてしまいます。資格があれば何かが変わると思っているわけです。そして資格を取るためにお金と時間を使うわけです。

 

僕はこれまで独立、起業のお客さんの中で、資格を使って独立する人のお手伝いもたくさんしてきています。弁護士、会計士、税理士、社労士、司法書士、中小企業診断士、医師、FPなどです。この人たちは、色々な理由がありますが、将来独立してみたかったので、資格があったほうがよいと思って資格を取りましたという人もいます。(もちろんやりたいことをやるためにはその資格が必要だったということもあります。)

このような人に限って、資格を取ったあとに、独立をしてもお客さんが獲得できずに事務所としてとても困っているということがしばしばあります。

これは当たり前の話で、資格取得と独立後の成功要因というのは全く違うからです。
資格をとっても自分で仕事を獲ってこないといけないわけです。この自分で仕事を獲ってくるということはどんな事業、やり方での独立、起業であっても基本は共通します。
結局は資格の有無ではなく、仕事を獲れる力があるかの有無が独立、起業においては極めて大切なわけです。

少し極端かもしれませんが、売上がない限り、支払う税金はほぼありません。
そのため順序としても優先順位的にも売上がどうやったら上がるかをひたすらに考えるべきなのですが、意識高い系のタイプに限って、売上がどうやったら上がるかと同じくらい、またはそれ以上に税金などの勉強をこのタイミングでしたりしてしまいます。

これは売上を上げることが体系化されていないこと(答えがなく一番難しい領域なので)、軽んじていること、やってみないと実際に頭の中ではわからないのでシュミレーションをしない、できないので準備をしにくいということがあります。

税金などは答えがあるため体系化されているので勉強しやすいし、何となく税金については知っておいたほうがいいなと思っているためだと思います。

税金というのは1つの例にすぎず、売上がない限り人を雇うことはまずないのですが、人についてのマネジメントの勉強をしてしまうわけです。

意識高い系のタイプの良いところ

・モチベーションがあり真面目なのでやることがあっているとよくなっていきます。
真面目な人がとても多いです。そのため確実に前進をさせることができます。ただ一番の問題は何をするかを間違えてしまうことにあったので、するべきことを間違えなければ、どんどん進んでいきます。ベースとして優秀な人が多いので、PDCAサイクルも良いサイクルに入ると自分でどんどん回すことができるので、時間とともにとてもレバレッジが効いてきます。また直向きさなどが相対的にあるのでモチベーションの波も少ないです。安定しているところがよいところです。コツコツ努力ができますし、時間軸の長い戦いができます。逆でもありますが正攻法を好みますので、突拍子もないような典型的な起業家っぽいアイデアややり方はあまり出てきません。

・全体感を掴むことが得意で、バランスがよい
バランス感が良い人が多いのでどこに行っても、誰と会っても同じような評価をもらうことができ、基本的に良い印象を持ってもらえます。また自分が自分がというタイプでもあまりないため、周りとの調和、協調性などにも優れているため、人当たりも良かったり、チームをつくっていくことが得意です。

意識高い系のタイプに必要なもの「目的思考」「現場」「環境」

・目的思考とは、目的から逆算をして最速最短で目的達成をするためにはどうしたらいいかということを常に意識することです。売上がなければ、人を雇うことはない、できないわけなので、まずは売上が上がることを確実にすべきなので、それはどうやったらできるかにフォーカスをすることが大切なわけです。

たとえば、ちょっとやってみましょう。

意識高い系のタイプのある人が、資格を取る理由は何かと考えてみると、
独立、起業したいものの営業ができないから、苦手だから、資格を取ろうとしているとしましょう。この前提としては、資格を取れば営業ができない、苦手という問題が解決されると思っているわけですが、本当にそうでしょうか。資格を取って資格を使って独立している人に話を聞いたらわかります。資格の力だけでお客さんが来ることはまずありません。必ず競争があり、営業活動があります。

このような意味で徹底的に目的思考になることが大切です。

・現場というのは、意識高い系のタイプは机上で考えることが多いので、実際のお客さんややっている人などに会いに行くということがとても大切です。
意識高い系のタイプに事業計画書をみてほしいと言われて、みさせていただくと、本当に絵に描いた餅のような事業計画書であることが結構あります。
本を読んでつくったんだろうなという事業計画書です。そこには真実味やリアルさを全く感じなかったりするわけです。それはリアルを知らないで机上で考えた計画だからです。

自信満々に事業計画書をみせてくれて、説明してくれるわけです。僕が聞くことにもご自身なりの回答が返ってきます。
ただその想定が甘い、リアルさがあまりにもないので、「〇〇さん、この計画をつくるにあたって、何名のお客さん(お客さんとして想定している人)にお会いしましたか?」と聞くわけです。今までそれなりに自信満々だったのが、3人ですとか、ひどい場合には、1人も会っていませんと言うわけです。

お客さんに全く会わない、知らないでつくった事業(事業計画書)なんて何の意味もない、ただの主観の机上の計画です。それでは絶対にいけないわけです。
そもそも事業計画書自体手段で、目的は事業をうまくやることです。事業をうまくやることから目的思考的に考えるべきです。

・環境というのは、環境によって人はそもそも形成されていると思っています。そのため何か自分のことを変えようと思うと、一番よい方法が環境を変えることだと思っています。環境というのは色々な意味がありますが、一番は早くできてとても効果的なのは、付き合う人を変えることだと思います。意識高い系のタイプは、良い意味で既に付き合いのある意識高い系のタイプとは引き続き付き合うべきですが、ここまで書いてきたような、「心配性」「準備偏重」「机上」「真面目」というキーワードのタイプばかりと付き合ってはいけません。

バランスの問題はありますが、是非、「現場型思考」「行動力に優れ」「目的思考」の人と付き合うようにしてください。一番は既に独立、起業をしてちゃんとうまくやっている人と付き合うことがよいと思います。それが一番早いですし無駄がありません。

既にうまくやっている人であれば、意識高い系のタイプの課題が瞬時にわかると思います。またそれに対しての答えが1つしかないことも。それはとにかく現場に出ること、やってみるということしかないということです。

既にやっている人とやっていない人、やったことのある人とやったことのない人というのは全く違います。是非、机上の話にならないように、誰も答えを持っていないのに(やったことのない人同士で議論をしても意味がないことも多くあります。)時間を使うことをやめましょう。やっている人と意識して付き合いましょう。

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著者プロフィール

伊藤 健太

伊藤 健太

2009年慶應義塾大学法学部を卒業後に、2010年株式会社ウェイビーを創業。
創業以来、一貫して、中小企業、個人事業主のインキュベーション(成長支援)に従事。
その数1,200社超。「世界を豊かにする経済成長のビジネスインフラを創る」というウェイビーの理念が大好き。
世界経済フォーラムが選ぶ若手リーダー選抜、徳島大学客員教授、スモールビジネス向け書籍7冊出版。