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会社員として働くことを窮屈だと感じ、自由を求めて独立しようと思う人は少なくありません。実際、独立して仕事をするということは、自分が決めたルールに沿って働くことになるので、会社員よりも自由であることは確実だといっていいでしょう。一方、自由であることがすべての人にとって幸せであるとは限りません。
ここでは、自分にとって何が本当の「自由」なのかを考えていきましょう。
脱・会社員!独立して得られる自由とは?
会社員は、基本的に会社が定めたルールに従って労働力を提供することにより、給料を得て生活します。就労時間や休日、仕事の内容や進め方など、自分で決められるケースは少なく、会社の規則やマニュアルに沿って行っていくのが通例です。労使の関係である以上、自分の裁量ですべてを決めることは難しいでしょう。
一方、独立して自分が経営者になれば、時間の使い方も仕事の進め方も、自分の裁量で決められるようになります。何をどうするのか、仕事に関する選択がすべて自由になると思っていいでしょう。 これは今現在、会社のルールに沿って働くことに不満を感じている人にとってはとても大きなメリットになります。
「もっとこうすればいいのに」「もっと違うやり方があるのに」と思っても、雇用されている立場では明確な意思表示ができないケースも多々あるでしょう。しかし、独立すれば自分がそのルールを決める立場になるので、理想的な働き方を現実のものとすることが可能になります。
たとえば、1カ月のうち仕事をする日は15日間だけにする、1日の労働時間を5時間にするというような、会社員としては到底無理だった働き方もできるということです。また、仕事内容に関しても、業務命令によって行うのではなく、自分で仕事を選ぶことになります。独立したほうが会社員と比較して自由になるのは、紛れもない事実といえるでしょう。
自由と引き換えに失うものもある⁉
会社のルールから解き放たれ自由になるということは、自分の責任が大きくなることを意味します。なぜなら、会社員は労働者としてさまざまな権利が保障されており、雇い主には労働者の権利を守る義務があるからです。
たとえば、有給休暇の取得や残業、深夜勤務の手当、厚生年金の受給などは、会社に雇用されているからこそ得られる権利といえるでしょう。会社員は年末調整で払い過ぎた税金が戻ってくるケースが多いのですが、これも会社が本人に代わって税に関する処理を行っているからです。
しかし、独立すると労働者ではなくなります。たとえ、会社設立をという形式をとらない個人事業主であっても、経営者の立場となるため、労働者の権利は保障されません。休みを増やしたり、労働時間を短くしたりするのは自由ですが、その分収入が減ることになれば、元も子もないでしょう。
税の申告も自分で行う必要があります。そのためには、自分で知識を習得するか知識のある人にお金を払って依頼することになるでしょう。
会社員であれば、仕事でミスをしても上司などがカバーしてくれます。これは、組織で仕事をしているからであり、一個人が100%の責任を負う必要はありません。しかし、独立して経営者となったら、小さなミスはもちろん、自分の収入にダイレクトに影響する大きな問題を起こしたとしても、100%自分の責任です。
このように、すべてが自由であるということは、すべてを自分の責任で考え、行動しなければならないということでもあります。会社員を辞めて不自由になることはありません。しかし、自由には大きな責任が伴うことを覚えておきましょう。
自由のメリットを最大限に生かせるのはこんな人
独立を検討する場合は、自分の性格が自由であることのメリットを生かせるのか、客観的に判断することが大切です。
まず、自己管理ができることは最低限必要の条件だと思っていいでしょう。労働時間も働く場所も自由に決められるとなれば、自分を律することがとても重要になります。監視の目がない環境に置かれたとき、仕事を怠ける人は独立しても時間を有効に使えない可能性が高いでしょう。
一方、他人に見られていないほうが仕事に集中できる、1人で静かに仕事をしたいという人は、独立したほうが効率的に働けるかもしれません。 他人に頼らず、自分で調べるのが好きな人も、独立のメリットを実感できるでしょう。独立後は「わからないこと」が次々と出てきます。既存のマニュアルはないので、自分で調べて試し、経験を積んでいくことでしか解決法はありません。
会社員であれば報告、連絡、相談で解決するケースも多いのですが、この方法が推奨されるのは会社が積み上げてきた前例があるからです。独立すれば、誰かに聞けばすぐに答えがわかる境遇ではなくなるので、何が起きても自力で解決しようという心構えが必要です。
このように、独立して自由のメリットを最大限に生かすためには、徹底した自己管理と仕事に対するハングリー精神が必要不可欠になります。この条件を満たしている性格であれば、独立後も自分の目標に向かって有意義な日々を送れるでしょう。
一方、このような性格を持ち合わせていないにもかかわらず、単純に自由になりたいという理由で独立すると、すべてがうまくまわらなくなるリスクがあります。
自由を手に入れるためには、相応の努力と適性が必要であることを認識しましょう。
会社員だからこそ得られる自由とは
会社員であることを不自由だと感じている人も多いでしょう。しかし、会社員だからこそ得られる自由も確実に存在します。独立すればもっと自由になれると判断する前に、会社員の自由について考えてみましょう。
今現在、正社員として働いていて拘束時間や仕事量の多さに不自由を感じるのなら、雇用形態を変更したり、時短勤務を希望したりすることもできます。業務内容が自分に合わないのであれば、部署異動の希望を出してみるのもいいでしょう。
もちろん、すべての人にこのような選択肢があるわけではありません。なかには、そうしたくてもできない事情がある人も多いはずです。 その場合は、会社員である自分がすでに得られている自由に目を向けてみましょう。
年に1度、有給休暇を使って旅行に行っているのであれば、それも会社員に与えられた自由です。月給制で働いている場合、体調が悪くて休んでも給料が減ることはありません。これも「体調が悪ければ仕事を休める」という会社員だからこその自由と考えることもできます。独立すれば、休んでいながら給料をもらうことはできません。
2019年現在、会社員は老後、厚生年金が受給できることになっています。国民年金だけの受給と比較すると圧倒的に高い金額です。これは、将来的に多くのお金を使える自由といえるでしょう。
このように、会社員にも働き方や環境、考え方を変えることで得られる自由があることを忘れてはなりません。
あなたにとっての自由を考えて判断しよう
自由の定義は人それぞれです。会社を辞めて独立することが自由であるとは一概にはいえません。もちろん、独立したことによって、会社員時代よりも仕事を愛せるようになり、多くの収入を得て、自由を謳歌している人もたくさんいます。
自分にとって独立することが本当の自由なのか、働きながら時間を作り、労働者としての恩恵を受けることが自由なのか、改めて考えてみましょう。
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