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アメリカのフランチャイズ専門ポータルサイトが「システムの収益」「市場拡大」「安定性と成長」などの指標を基に作成している「世界フランチャイズ企業ランキングTOP100」を見ていくと、トップ10までをアメリカ発のフランチャイズが独占しています。
ここではトップ10にランクインした企業や上位にランクンしている業界の特徴について解説していきます。
上位10企業をピックアップ
実際のランキングを見ていくと、マクドナルドが2016年度に引き続き2017年度でも1位となっています。
2位以下を見ていくと、2位はケンタッキーフライドチキン、3位はバーガーキング、4位はサブウェイ、5位はセブンイレブンとなっています。トップ5のうち、セブンイレブン以外は全て飲食業のフランチャイズという結果でした。
6位以下を見ると6位はレンタカー会社のハーツ、7位はピザハット、8位から10位は全てホテル業で8位から順にマリオットインターナショナル、ウィンダムホテルグループ、ヒルトン・ワールドワイドとなっています。
このうち、特に堅調な伸びを示しているのが3位にランクインしたバーガーキングです。バーガーキングは日本ではそれほどなじみ深いハンバーガー屋さんとは言えませんが、海外では特にアジア太平洋や中国、ラテンアメリカ、カリブ海地域といったところで絶大な人気を誇っています。
トップ100にランクインしたものを業種別で分けてみると、最も多かったのが飲食業界で、トップ100の中に39社がランクインしています。次いで意外にもクリーニング業が12社もランクインしており、以下自動車関連の会社が6社、ホテルとヘルスビューティー関連の会社が5社となっています。
飲食系フランチャイズの特徴
これまで人気のフランチャイズ企業をチェックしてきましたが、人気のフランチャイズ店に加盟したからと言って全員が成功するとは限りません。自分のお店を成功させるためにはその業種の特性をよく理解しておくことが重要になります。まずはトップ100に最も多くランクインしている飲食系のフランチャイズ店の特徴からチェックしていきましょう。
飲食系フランチャイズ最大の強みは世界的に馴染みのあるブランドの味を提供できるという点です。絶大な信頼性と安心感を開店直後から獲得しているようなものなので集客しやすい状況を作れます。調理マニュアルや運営ノウハウもしっかりしているのでお店の運営もスムーズにおこなうことができるでしょう。
一方でやはり競合が多いというのは最大のデメリットと言えるでしょう。そして個性という点では個人で開業したお店にはかないません。
成否を分ける要素としては立地条件がかなり大きく影響するので開店前には徹底的なマーケティングを行うようにしましょう。
小売業の特徴
商品を仕入れて販売する業種を小売業と呼んでいます。セブンイレブンなどのコンビニエンスストアはこの小売業の枠組みになっていますが、ひとくちに小売業と言っても色々な種類があってさまざまな商品を扱うものもあれば商品を絞って販売する専門店もあります。
小売業の中ではやはりコンビニエンスストアのブランドネームが高いこともあって人気です。しかしいくら有名コンビニエンスストアのフランチャイズ店になったとしても売れ筋の商品をいち早く察知し、安く仕入れるノウハウを身につけておかなければ生き残ることができません。
サービス業の特徴
物を提供するのではなく、形のないサービスを提供するのがサービス業の特徴です。ホテルやヘルスビューティーなどはこのサービス業に該当します。
物を売る職種ではないため、在庫を抱える必要がありません。これはお店を運営していく上で大きなメリットと言えるでしょう。また業種によっては店舗を構えず、自宅で事業をおこなうことも可能です。
一方で形のないサービスを提供するため、お客さんになかなか良さが分かってもらえないのがサービス業のデメリットと言えます。
近年、日本初のフランチャイズが注目されています。
以上見てきたように、人気のフランチャイズはアメリカがほぼ独占している状態ですが、実は近年日本発のフランチャイズの世界進出が徐々に盛んになってきていて、海外から大きな注目を浴びています。
例えば「おそうじ本舗」は地元の家電メーカーと協力し、3000店の加盟を目標にして海外進出をもくろんでいます。そのほか牛丼のチェーン店である「吉野家」は2015年時点でアメリカに100店以上の出店に成功していますし、ラーメンチェーン店である「一風堂」もニューヨークにお店をオープンさせると1日に600人以上の集客を確保するなど精力的な広がりを見せています。
日本食に関しては「和食」がユネスコの無形文化遺産に登録されているため、海外から大きな注目を浴びていて、「吉野家」や「一風堂」といった飲食店が海外で高い人気を獲得したのは日本食が世界的に高い地位を獲得していることが大きな理由となっていることは間違いないでしょう。
そして近年は食の安全性がとても重要視されるようになりました。日本の品質管理レベルの高さは世界的にも有名で、日本で作られた食事なら安心して食べられるという信頼感を与えているのも海外で成功している大きな要因になっていると言えます。
またアメリカ発のフランチャイズは徹底的なマニュアルによった画一的なサービスの提供がここまで世界的な人気を集めている大きな理由となっていることは間違いありませんが、日本初のフランチャイズはそれとは全く逆の現地の風土や風習に合わせた店舗運営マニュアルや品質管理マニュアルの作成をしています。
特に日本人特有のきめ細かな接客サービスを最大限に生かした接客マニュアルやお店を開店した後のアフターケアに関しては世界からとても高い評価を得ていて、日本発のフランチャイズが世界的に大きな注目を集めている要因と言えるでしょう。
日本型コンビニのファミリーマートも現在は海外に8000店を展開するに至っていますが、これだけ多数の店舗をオープンさせることが出来たのは相手に合わせ、地域に貢献するビジネスをするといった考え方を貫いたためといって間違いないでしょう。
海外で自分の会社のフランチャイズを展開するにあたっては日本色を前面に押し出すよりも、出店する国や地域の文化を上手く取り入れたマニュアル作りをすることが大きなポイントになっていると言えます。
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