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起業手段の一つにフランチャイズに加入するという方法があります。日本でもさまざまなフランチャイズビジネスが展開されていますが、視野に入っている方はその特徴をしっかり把握しておくことが大切です。すべての人に適しているとは言えません。
自分に合っているかを見極めるために、フランチャイズビジネスのメリットとデメリットを確認しておきましょう。
初心者にはおすすめ!フランチャイズのメリット
まず、フランチャイズで起業する場合のメリットから見ていきましょう。
フランチャイズは、フォローやバックアップの体制が整っているという点が特徴です。独立したいけれど不安が多いという方には向いている開業手段といえるかもしれません。
・経験がなくても開業できる 経営やその事業の経験がなくても、開業できるというのがフランチャイズの大きなメリットの一つです。
本部が持つ経営ノウハウを活用することができます。開業までの準備のハードルが低くなりますし、時間的にも短縮できるのです。 開業の段階では、充実した開業サポートがあり、運営方法に関しては徹底した研修を受けることができます。
起業時には、法律、財務、税務、仕入れ、販売方法と押さえておくべきことがたくさんあるものです。本部はすでに、それらへの対応手段や手順を確立しているため、加盟店は比較的容易に稼働に移ることができるのです。
たとえば、店舗を確保すること一つをとっても、立地調査や業者選定、デザインなどをゼロから手配する必要はありません。販売する商品についても、本部経由で仕入れることができるため、業者選定や商品選択の手間も時間もかからないはずです。
このようにフォロー体制が充実しているため、事業主が販売活動に専念しやすいこともフランチャイズの特徴といえるでしょう。
フランチャイズビジネスを展開する企業の多くが、地域ごとにスーパーバイザーという担当者を配置しています。加盟店の管理だけでなく、事業主に対して、経営や店舗運営についての指導・教育などを任された人です。
事業主を集めて研修を実施したり、定期的にフランチャイズ加盟店を回って、チェックやアドバイスを行なっています。 開業や運営に関して、分からないことや不安なことがあるときも相談に乗ってもらえます。問題や疑問を逐次に解決していけるため、開業も運営もスムーズに進めていくことができるのです。
・集客に強い フランチャイズでの事業運営は、本部の知名度を活用できることもメリットです。
起業では、まず、市場に認知されることがはじめの課題となります。個人で事業をする場合、「売る」ことの前に、「認知される」ことに、コストと時間と労力をかけていく必要があります。すでにある知名度を使えることで、そのプロセスもコストも省くことができるのです。
市場に受け入れられヒットしやすい商品開発を行うのは、本部の役割です。スタッフの質の高い対応によってリピート客を獲得し続けるための接客マニュアルなども提供してもらえます。
さらには、開業後の広告や宣伝のための活動も本部が担ってくれることも大きなメリットでしょう。 本部は、個人では到底こなせない規模のマーケティングや宣伝活動を行うことができます。たとえば、TVCMを打ったり、販促のためのキャンペーン企画の告知や実施などが挙げられます。
運営方法やサービス内容は、各加盟店にも適用されていくものですから、ポスターや販促ツールなども本部から送られてくるものを活用できるはずです。質の高い施策で、効果的な集客が実現されるでしょう。
このように本部で集客のためのバックアップをしてくれるため、自店舗の集客のための活動負担やコストも抑えられ、安定的な集客が見込めるのです。開業して成功できる可能性の高い起業手段ともいえるでしょう。
経験者には不向き?!フランチャイズのデメリット
フランチャイズでの開業と事業運営には、デメリットとなり得る点も存在します。とくに、経営やそのビジネスの知識と経験が豊富な方にとっては、上記のメリットがデメリットとなることも多いです。デメリット要素をしっかりチェックして、フランチャイズでやっていくことが自分に適しているのかを判断してください。
・本部の意向に沿わなければならない フランチャイズでは、開業や事業運営の方法に関して、かなり詳細の規定やルールが設けられています。
実質、その規定やルールが契約内容となるため、加盟店は本部の経営方針や意向に沿って進めていかなければなりません。
確かに手厚いサポートがあり、バックアップ体制も充実している点はフランチャイズのメリットです。しかし、経験者にとってはその規制がやりにくさにつながることがあります。
たとえば、ブランドイメージや特質を保持するために販売できる商品が限定されたり、販売方法や価格なども決められていることが多いです。事業者が持つ独自のノウハウやアイデアを日頃の事業運営に反映できる可能性は低いです。他の加盟店と同じサービスを行なっていかなければならないため、オリジナリティを出して他店舗との差別化を図ることも難しいでしょう。
起業して、一経営者となったとしても、個人でやっていく事業に比べると自由度は低いという特徴があります。自分の思うとおりにやっていきたいという人にとって、フランチャイズは不満が多くなる可能性が高いです。
また、契約を解除(解約)したあとに、同業種で開業することに対しても制限が設けられていることがあります。ブランドのノウハウや手法を市場に流出させないためです。その制限の期間や内容についても契約時にきちんと確認しておきましょう。
・ロイヤリティを支払わなければならない フランチャイズ加盟店は、本部に対して毎月、ロイヤリティを支払っていく必要があります。
フランチャイズ契約の大きな特徴の一つです。ブランドの看板やイメージを経営上で活用していくことや、提供される本部の経営ノウハウや宣伝活動への対価となるものです。
フランチャイズに加入している限り、売上の一部を支払い続けていくことになります。契約内容によって異なりますが、月々の売上に対して○%となる契約や一律定額の契約があるので、契約時にしっかりと確認することが大切です。
フランチャイズ加盟店として開業するときには、設備的にも時間的にも低コストで始められる可能性がある一方で、ロイヤリティが発生し続ける点もしっかり考慮しておく必要があります。
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