フランチャイズの法定開示書面の内容はどうなっているのか

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フランチャイズ契約がなされる際には法廷開示書面を用意することが必要となります。このことは中小小売商業振興法や独占禁止法によって定められています。フランチャイズ契約を結ぶ時には法定開示書面をよく確認しておくことが大切です。

法定開示書面の具体的な内容やチェックするべきポイントなどについて詳しく解説します。

法定開示書面の基本的な事項

フランチャイズ契約を結ぶ際の法定開示書面には第一に企業の基本的な事項が記載されます。

具体的にいうと、本部の事業者の氏名や住所、資本額、子会社などの情報が明記されています。本部事業者がどのくらいの規模を持っていて、どのような事業を行っているのかを知ることが出来ます。フランチャイズ契約を結ぶということは本部のノウハウや看板を使った商売を開始するということです。

それゆえに本部がどのくらい安定した事業を行っているかは非常に重要となります。フランチャイズ契約を結んだ後に本部の事業が頓挫すると、加盟店には大きなマイナスの影響が出てしまうからです。

法廷開示書面には本部事業者の直近3事業年度の貸借対照表や損益計算書や特定連鎖事業の開始時期なども明記されることになっています。これらの情報から本部事業の安定性をチェックすることが出来ます。

フランチャイズ契約を結ぶにあたってはこれまでにどれくらいの数の加盟店が参加しているのかも重要な問題となります。その部分については法定開示書面の中にある「直近の3事業年度における加盟社の店舗の数の推移」に記載されています。

一般的には順調に見える企業でも意外と加盟店の数が減っていることもあります。そのことを確かめられる重要な項目です。

実際の営業にかかわる項目

法定開示書面には実際の営業にかかわる項目も多く含まれています。例えば営業時間や営業日、休業日、本部の出店に関する制約なども明記しなければなりません。フランチャイズ加盟店では基本的に本部の認めている営業日や営業時間を守る必要があります。

店舗が任意で休業を決めてしまうと店舗ごとに営業日が異なるようになるため、消費者の利便性が下がってしまうことになります。また、休業日がないことを強みにしている企業もあるため、その場合も加盟店は従わなければなりません。それゆえに営業日や営業時間の項目を詳しくチェックする必要性が高いといえるでしょう。

昨今では加盟店の事情に合わせて例外的に、契約とは異なる営業日や営業時間を認めるケースも存在します。ただし、本部が認めないケースもあるので営業時間や営業日は自らのライフスタイルに合っているか確認しておく必要があります。

フランチャイズ契約は期間が終了して延長しなかった場合、解約という形になります。契約途中で一方的に解約すると違約金が発生することもあるので、基本的には期間満了で契約を解除することが多いです。

法定開示書面には解約後のことも記載されています。競合禁止や秘密保持義務など、違反すると後々裁判沙汰になってしまうことも含まれます。記載内容にある禁止事項が理にかなっているかについて確認しておきましょう。

金銭にかかわる決め事

法定開示書面には金銭にかかわる決め事も多く書かれています。具体的にはロイヤリティの計算方法や赤字の際の負担、保証金などがそれにあたります。ここは法定開示書面の中でも特に重要性が高い部分であり、トラブルになると裁判に発展するケースも存在します。ロイヤリティの計算方法は複雑になっていることも多く、わからない場合は本部に直接聞いてみることが大切です。

また、契約違反をしてしまった時の違約金についての記載もあります。フランチャイズ契約を結ぶことを考えている方の中には違約金に関してあまり詳しく確認しない方もいます。それは契約違反をすることはないと初めから考えているからです。

しかし、やむを得ず途中で契約解除するケースや意外な契約違反などにより、違約金を支払わなければならなくなることは珍しくありません。それゆえに違約金の項目も必ずチェックしておきましょう。

公正取引委員会のフランチャイズガイドライン

公正取引委員会のフランチャイズガイドラインには、法定開示書面の中で特に開示することが望ましい項目が挙げられています。ここでの項目は開示しなければ法律違反ということではありませんが、極力開示することが求められます。

その具体的な内容としては商品等の供給条件、指導項目、金銭の性質などがあります。中小小売商業振興法で定められている項目に比べると、やや抽象的な内容となっており柔軟な書き方が可能です。書き方次第で良く見せられる可能性もあるので、加盟を検討しているときには一層慎重に確認する必要があるといえるでしょう。

売上予測は必須ではない

フランチャイズにおける法定開示書面には売上予測が含まれていません。中小小売商業振興法を見ても、フランチャイズガイドラインを見ても売上予測の記載を必要としている文言は存在しないというのが実際のところです。

しかしながら、多くの企業は売上予測を書面に含めています。これは売上予測が記載されていた方が加盟希望オーナーに安心して、加盟してもらうことが出来るからです。売上予測を法定開示書面に含める場合は根拠ある事実や合理的な算出方法に基づくものであることが条件となっています。

根拠なくとにかく儲かるというような文言に含めることが出来ません。つまり、実際に法定開示書面に売上予測が載っていた場合は、ある程度の根拠に基づいて計算されていると考え参考にすることができます。

JFA自主開示基準

フランチャイズガイドラインの項目は比較的大まかな内容となっていることもあり、日本フランチャイズチェーン協会のJFAでは自主開示基準を公表しています。その内容についてはJFAのホームページ上からダウンロードできます。ガイドラインよりも細かい内容となっており、こちらに従って法定開示書面を作成している企業もあります。

法定開示書面は本部にとってもフランチャイズ加盟店にとっても重要なものです。後から困ることのないようにその内容には細部まで目を通しておきましょう。

フランチャイズ契約について何らかの理由で裁判となった場合は、法定提示書面の内容が争点となる可能性もあります。どうしても心配な場合は弁護士などに依頼して、内容をチェックしてもらうということも有効となります。

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