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とにかく起業したいのであれば、フランチャイズは頼もしい味方になってくれます。
実績ある経営法を取り入れられるので、ビジネス経験が浅くても実績を上げられるでしょう。
ただし自分に合ったフランチャイズでなければ上手くいきません。
そこでここではフランチャイズのメリット・デメリットを踏まえ、起業成功のために必要なフランチャイズを選ぶ際のルールなどについて解説します。
フランチャイズの概要
フランチャイズとは、フランチャイズ本社と契約を結び、その企業の看板や経営方法、商品やサービスを使用する権利を得ることです。
分かりやすい例を挙げるなら、コンビニのオーナーになることでしょう。
本社と同じ名前のコンビニを経営し、本社の商品流通網やビジネスノウハウを利用しながら経営するのです。
0からの起業とは違い、フランチャイズ本社からサポートを受けられるのが最大のメリットです。
商品の仕入れ、販売、集客、商品開発、雇用形態など、ビジネスに必要な要素をそろえた状態から起業できるので、ビジネス経験が浅くても安心して経営していけます。
フランチャイズのメリットを知ろう
フランチャイズ最大のメリットは、初めての起業だろうとまず失敗しないことです。
最初からビジネスのノウハウが整っているため、フランチャイズ本社のマニュアル通りに進めていけば、無理なく業績を上げていけます。
またすでに確立しているビジネスモデルだけでなく、本社が研究して取り入れた最新のノウハウにも触れることができるので、生きた知識が身につくメリットもあります。
実績ある手段を身につければ、いつか独立して再起業する際にも大きな武器となるでしょう。
起業にかかる初期費用を大幅に削減できる点もメリットです。
商品仕入れだけでなく、店舗改装費や賃貸料、人件費に広告費など、店舗経営にかかる費用は多岐にわたります。何の後ろ盾もなく店舗経営を始めるならば、初期費用は1000万円ほど見積もる必要があります。
しかしフランチャイズを利用すれば、起業開始のインフラが整っているので、初期費用も200万円程度で済ませられます。
フランチャイズ本社に掛け合えば融資を受けられる場合もありますし、起業における資金問題を解決しやすくなります。
フランチャイズにデメリットはあるのか
起業に最適とも思えるフランチャイズですが、考えようによってはデメリットもいくつかあります。
たとえば本社のマニュアルに従わざるを得ない点。
ビジネス知識に乏しく、起業はしたいけど右も左も分からないうちは、マニュアルに従ってさえいれば結果が残せる点はむしろメリットに映るでしょう。
しかし実績を残せるようになってくると、店舗経営に自分の色を出したくなるのが人間です。
そこで初めて、フランチャイズ本社が起業イメージを損ねる行動に制限をかけていることに気づくのです。
せっかく起業したのに、自店舗が本社に支配されているような錯覚に陥ることもあります。
また、フランチャイズ本社のイメージが自店舗へ大きく影響を与える点もデメリットになり得ます。
たとえば本社で不祥事が起きた場合、その名前で経営しているフランチャイズ加盟店は全店舗が打撃を受けます。
世間のイメージが悪い店舗名で経営している以上、自分がどれだけ頑張っても店舗経営は傾いてしまうでしょう。
フランチャイズ契約終了後、再起業に制約がある点もデメリットのひとつです。
本部のブランド力が大きければ大きいほど、ノウハウ流出を防止しようと制約をかける傾向にあります。
契約終了後、既定の年数が経過するまで同業種での出店を禁じるなど、契約の内容次第では再起業の足かせとなることも覚えておきましょう。
自分で経営する意思が必要
フランチャイズは起業が容易になり、ビジネス知識を現場で身につけられる魅力的な起業手段ですが、確実に成功する類の話ではありません。
あくまでもビジネスの一環であり、起業ノウハウの対価にロイヤリティを支払う、企業と顧客の関係性が生じるのです。勝ち馬に乗るつもりでフランチャイズ契約を結べば痛い目を見るでしょう。
あくまでも自分が店舗経営する意思が大前提で、それを手助けしてもらう契約を結ぶのだというビジネス意識が大事なのです。
「何事も自己責任」という意識を忘れないようにしましょう。
フランチャイズ本部に従って店舗経営のノウハウを学んでいくと、まるでその起業に就職したかのような錯覚を覚えてしまうものです。
そうなると経営が上手くいかなくなった際、つい従業員が会社に不満を漏らすように、本社の方針が悪いと錯覚してしまうのです。
開業すぐは収益が安定せず、ロイヤリティの支払いやノルマが重くのしかかってくることもあるでしょう。
また優秀なビジネスノウハウも、地域が違えば通用しないこともあります。
上手くいかない時、本部が悪いと考えていては自分の経営能力が育ちません。
フランチャイズはある程度の実績を約束してくれますが、やはり「ある程度」なのです。
店舗経営が良くなるのも悪くなるのも自分次第。
本社の指示に従って一喜一憂するのではなく、自ら経営を引っ張っていく意思を持ちましょう。
フランチャイズを選ぶためのルール
フランチャイズを選ぶ上では、従うべきルールがいくつかあります。まずはフランチャイズ本部の評判をチェックすること。
過去の業績や不祥事の有無、世間の評判などを調べましょう。
少なくとも年単位でその企業と付き合っていくのですから、本社でトラブルが起こった際の影響力は知っておくべきです。
また1社だけ調べると情報に偏りが出てしまうので、ライバル企業もいくつか並行して調べると良いでしょう。
次に想定収益をチェックすること。
どれだけ稼ぎを得られるかは、当然フランチャイズごとの契約内容で大きく変わってきます。
営業利益率(売上高から売上原価と販売費を差し引いた値)、投資回収期間(投資した資金が何年で帰ってくるかの指標)、労働分配率(企業が生産した資産のうち、どれだけが労働者に還元されているか)を調べ、十分な収益が望める企業との契約を進めましょう。
最後にロイヤリティとサポート体制をチェックすること。
企業ごとにロイヤリティの支払額が定められており、ロイヤリティが無料の場合もあります。
ただ、ロイヤリティが安ければ良いのかと言うとそうでもありません。
ロイヤリティは言わば授業料のようなもので、自分がどれだけノウハウや経営法を学べるかの指標にもなるからです。
どれだけロイヤリティが高くとも、その金額の分だけ経営分析や店舗改善のノウハウを学べるのであれば、むしろありがたい話でしょう。
またトラブル処理や広告手段を具体的に指示してくれるのかといった、経営をどれだけ手助けしてもらえるかのサポート体制も調べておくべきでしょう。
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