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フランチャイズとのれん分けには似た特徴があります。
しかしながらメリットやデメリットを細かく見ていくと大きな違いも存在し、どちらを選択するかによってその後の展開が変わってきます。
それゆえに双方の様々な違いを把握しておくことが大切です。
フランチャイズとのれん分けのそれぞれの特徴について解説していきます。
フランチャイズとは
フランチャイズはフランチャイズの本部と加盟店が契約を交わすビジネスのスタイルです。
本部は自店舗のノウハウや看板などを加盟店に提供します。
加盟店はそれらを使用して営業を行い、その見返りとしてロイヤリティを支払うことになります。
世の中には優れたノウハウを持つお店が多くあります。
ノウハウは本来著作権などで守られているので他のお店が真似をすることは出来ません。
しかし、フランチャイズでは本部がむしろ積極的にノウハウを提供する契約になっており、加盟店は最初から完成されたシステムで営業を開始できます。
本部にとってもロイヤリティによる収入が得られるだけでなく、自社の知名度を上げられるという利点もあります。
全国的な知名度を持つお店の多くはフランチャイズ展開をしています。
のれん分けとは
のれん分けは日本で古くから行われてきた商売の方式の1つです。
近年ではのれん分けが制度化されており、一部のお店にて採用されています。
のれん分けをしてもらうには、のれん分けの制度を用意しているお店でまず正社員として働きます。
その後店長に昇進し、高い技術と実績を積んでいく必要があります。
しっかりと力がついたと見なされると本部から独立出来るようになります。
これがのれん分けによる独立までの流れです。
独立後しばらくはサポートをしてもらえることもありますが、一定期間が過ぎると完全にその店舗だけで営業を行うようになります。
フランチャイズとのれん分けの大きな違い
フランチャイズとのれん分けの大きな違いとなっているのが技術を取得するまでの時間です。
フランチャイズの場合はノウハウの伝授が1日から数日で行われます。
これはあくまで研修という扱いになっており、営業するために最低限の技術と知識を取得することになります。
一方でのれん分けの場合は本部の店舗で実際に働きます。
働く期間は長く、独立開業までには1年から3年ほどかかることもあります。
フランチャイズの場合は店舗の外装と内装さえ整えば、すぐにでも営業することが出来ます。
開業までの期間は1週間から1か月ほどとなっています。
開業までの期間が短いのがフランチャイズの特徴であり、しっかりと時間をかけて技術を学ぶのがのれん分けの特徴です。
独立後の扱いもフランチャイズとのれん分けでは大きく異なります。
フランチャイズの場合は独立後も契約が続くので本部から送られてきた新商品を取り扱ったり、サポートを受けたりすることが出来ます。
ロイヤリティの支払いももちろん続きます。
のれん分けの場合は完全に独立した後は本部がそのお店に対して働きかけることはありません。
新しい商品を生み出したり、サービスの変更をすることもある程度自由となります。
全ての責任を負わなければならない代わりに、自由度の高い営業が行えます。
ただし、のれん分けにおいても店名を使わせてもらうことになる点はフランチャイズと同じなので、お店のイメージを大きく損ねるようなことは出来ません。
フランチャイズとの違いから見るのれん分けのメリットとデメリット
のれん分けの最大のメリットは高い技術を付けた状態で独立出来ることです。
独立する前に一度店長経験が出来るケースが多く、どのようにすればお店が繁盛するのかを把握できるので安心感が生まれます。
非常に高度な技術を持っているお店の場合、フランチャイズでその技術を完全にマスターできないケースも起こりえます。
のれん分けの場合であればたとえ難しい技術があっても、完全に取得してから独立することになります。
また、独立後は本部がそれほど関わってこないので、自分なりに工夫した営業をしやすいという利点もあります。
のれん分けのデメリットは開業できるまでに時間がかかることです。
完全に技術をマスターしたと判断されるまでは独立することが出来ません。
それゆえに3年以上が経過しても独立できないケースが存在します。
のれん分けとの違いから見るフランチャイズのメリット、デメリット
フランチャイズのメリットはすぐに開業できることです。
外装と内装の整備、システムへの理解が完了すれば開業可能となります。
開業した後も本部が開発した商品などが送られてくるので、自ら商品を考案する必要はありません。
システムが簡略化されているケースも多く、アルバイトやパートに仕事を任せやすいことも利点といえます。
デメリットは営業の自由度が低いことです。
フランチャイズの場合は独立後も本部からの意向に合った営業をしなければなりません。
新商品を作らなくて良いといえばメリットですが、新商品を店舗の判断で作ることが出来ないといえばデメリットになります。
とにかく自分の理想的な店舗運営がしたいという方には向きません。
のれん分けをしてもらう時の注意点
のれん分けをしてもらいたい場合は、どのくらい働いたら独立出来るかについて本部に尋ねておくことが大切です。
のれん分けをしてもらうつもりが全く独立の許可が下りず、結果として一般の従業員として働くだけとなってしまうケースもあります。
それゆえにのれん分けの時期は明白にしておきましょう。
また、独立後の契約の扱いについても重要となります。
のれん分けによる独立は、フランチャイズによる独立に比べると制約が緩いという特徴があります。
本部の意向に縛られずに運営出来ることがのれん分けの本来のメリットですが、企業によっては独立後も店舗に対して影響を強く及ぼすケースも少なくありません。
それゆえに契約の内容を事前に確認することが重要といえます。
のれん分けの場合は、しっかりと技術の伝授を長い時間をかけて受け取ることになります。
そのため、時間をかけないと取得できない技術を持つお店はのれん分けとの相性が良いといえるでしょう。
逆に言うとそれほど高い技術がなく、アルバイトであっても1日でマスターできるシステムになっているお店はあまりのれん分けに向かない可能性があります。
のれん分けを検討する際には独立するまでの流れを完全に把握しておくことが大切です。
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