フランチャイズ加盟から営業開始までにかかる初期費用

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独立企業の選択肢としてフランチャイズ加盟を選ぶ場合、事業開始前と事業開始直後に必要な初期費用があります。どの業界のフランチャイズを選ぶのかによっても金額や名称が異なってきますが、必ず負担しなくてはならないものです。初期費用の見通しを立てて事業計画を立案しなければ安定した経営につなげることはできません。

ここでは事業開始前と直後の初期費用について確認します。

事業開始前に必要な費用

フランチャイズに加盟して事業を開始する前に必要な費用は「加盟金」「保証金」「研修費」などです。このうちフランチャイズ加盟前に必要な費用が「加盟金」と「保証金」です。

フランチャイズ加盟のメリットは、フランチャイズ本部が長年かけて培ってきた経営のノウハウや抜群の知名度を誇る看板、ヒット商品などを始めから地域独占でパッケージ使用することができるという点です。これにより最初から自分の力だけで事業を開始しようとする場合と比べて信頼度が格段に高くなります。

この圧倒的な有利さに対する対価として支払うのが「加盟金」です。業種やフランチャイズ本部によっても異なりますが、数十万円から数百万円が相場となっています。

詳しくは後述しますが、フランチャイズ加盟店は毎月の売り上げからその一部をフランチャイズ本部へ支払わなければなりません。これは「ロイヤリティー」と呼ばれています。毎月定額という契約もありますし、月の売り上げの何%かを負担する場合もあります。

この支払いが滞ったときにフランチャイズ本部がその損失を補填するための原資として加盟店が支払うのが「保証金」です。「保証金」は預かり金ですからほとんどの場合は契約終了の際に返還されます。

「研修費」とはフランチャイズ加盟にあたって確認しなければならない経営上の注意点やブランド使用における規約等について、フランチャイズ 本部からレクチャーを受ける授業料のようなものです。数日から一週間程度かかる場合もありますし、一泊二日や二泊三日など泊まり込みで行われる場合もあります。費用は数十万円が相場となっていて、中には夫婦同伴にて参加必修というフランチャイズもあります。

事業開始直後に必要な費用

フランチャイズ 加盟店として実際に事業を開始すると必要になる費用が、「商材仕入れ」「地代家賃」「ロイヤリティー」「人件費」「光熱費等運転資金」です。

このうち「地代家賃」「光熱費等」は本部との契約内容によって、本部と加盟店の折半となる場合から9:1など負担割合が決められていることがほとんどです。

「商材仕入れ」は加盟店の資産となるので、多くの場合は本部からの貸付という形になっています。貸付ですから金利がついて返済しなければならないものです。多くのフランチャイズは毎月の売り上げから分割返済していく形式を採用しています。ただし消費期限や賞味期限のある商品が売れ残った場合は廃棄しなくてはならず、その廃棄分は加盟店の負担となります。

「人件費」はほとんどのフランチャイズで加盟店の完全負担となっています。

「ロイヤリティー」は毎月の売り上げから本部にその一部を支払うものです。最も一般的な方式が「売上歩合方式」です。これは月の売上のうち毎月数%を本部に支払うという契約で、売上高に応じて支払う金額が変わってきます。なお売上が上がれば負担する割合が減っていくというフランチャイズもあります。

また「定額方式」という契約もあります。毎月決まった額のロイヤリティーを支払えば、残りはすべて加盟店の手元に残るという方式で、売上が上がるほど手取りが増えるという分かりやすくシンプルな契約です。営業努力によって売上が向上した場合、その努力と成果を最も感じやすい方式です。

「粗利分配方式」という形式もあります。これは総売上額から原価を引いて残った利益を本部と加盟店とで分け合う制度です。本部に支払うロイヤリティーの割合は30%から70%程度が相場となっています。

初期費用から見るフランチャイズ加盟

初期費用として必要な費用の内訳を確認したら、その総額で比較検討する必要があります。起業する業界を決めて、どのフランチャイズに加盟するのかを検討する際には「加盟金と月々のロイヤリティー」の総額で比較検討します。一見して加盟金が高くても月々のロイヤリティー負担が少ないという場合もありますし、加盟金0円をうたっていても月々のロイヤリティー負担が大きい場合もあります。

また、家賃や光熱費などの運転資金の負担割合も大きなポイントとなります。本部と加盟店の間で5:5なのか9:1なのかによって毎月の収支が全く違ってきます。

商材仕入れについても細かく契約内容を確認する必要があります。多くは加盟店負担となりますが、棚卸供託金のような名目であらかじめ売れ残りに対する費用を分割して負担していく形式もありますし、毎月完全に買取という方式もあります。とくに食品のような消費期限のある商材を多く扱う業界なのか、衣類や機械類などのように消費期限をあまり気にしなくても良い商材を扱う業種なのかによっても変わってきます。

このように初期費用から見ると、フランチャイズに加盟して独立起業する場合に考えるべきなのは「どの業界に参入するか」ということです。

期限切れの商材を破棄するなど、あまりにもロスが多い業界で多額の加盟金やロイヤリティーを負担する契約を結ぶことには、それなりのリスクが伴います。

フランチャイズ説明会などで示される経営のモデルケースや収支の見込み通りに事業を継続できれば問題ありませんが、そうならなかった場合、加盟店側の手取りが想像以上に少ないことも珍しくありません。

また24時間営業が通例となっているような業界では「人件費」が大きな割合を占めてきます。深夜帯での人手不足は深刻な問題ですから、人件費削減といって時給を抑えてしまっては募集をかけても応募が全くないということにもなりかねません。かといってあまり高額な時給を提示すると加盟店側の負担も大きくなります。

かりに従業員が想定通りに集まらなかったとすると経営者が自ら店頭に立たなくてはならなくなります。本来経営方針や営業戦略について考えなくてはならないところ、連日現場で忙殺されてしまうことになってしまいます。業界通例の営業時間帯も重要な検討材料となります。

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