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フランチャイズ経営は商売のノウハウや原料の流通網など、あらかじめパッケージされているため、ビジネスを軌道に乗せやすいメリットがあります。経営やマーケティングを学んだ経験のない人でも、資金さえ用意できればオーナーになれるのです。しかし、売上はあるのに思ったより利益が少ないという状況に陥るケースも見られます。
そこで、普通の会社とは違う売上の仕組みを解説します。
本部に支払うロイヤリティが発生
聞きなれないロイヤリティという言葉は、加盟店が本部に支払うお金のことを言います。本部の知名度、ノウハウ、物流網を利用する対価として発生します。簡単に言うと看板料のようなものです。
消費者の心理としては、誰も知らない店から商品を買うのは不安です。しかし、フランチャイズ展開している店なら知名度や経営の実績もあるため、安心してモノやサービスを購入しやすいのです。
商売のノウハウも一式セットになっているので、オーナーは販売活動に専念できる結果、売上を伸ばしやすくなります。
他にもフランチャイズに加盟してロイヤリティを払う代わりに、本部からたくさんの経営サポートがうけられます。コンビニの場合、店舗の立地選択や接客、効果的な販促から経営方法までしっかり指導してくれます。個人では難しい従業員の研修なども本部が面倒を見てくれるため、アルバイトの管理もやりやすくなります。こうした細かい雑務が減るのはオーナーにとってメリットが大きいです。
フランチャイズのロイヤリティの種類
ロイヤリティにはいくつかの方法がありますが、代表的なものが「売上歩合方式」です。加盟店の売上に対して決められた数パーセントを本部に支払う方法です。中には、売上が大きくなるほどロイヤリティの割合が低くなる本部も存在します。
パーセンテージは業種によって大きく変わりますが、飲食業の場合、3~10%が相場です。この業界は人件費と材料費の割合が大きく原価率が高いのが特徴です。そのため売上に比例して利益が上がりにくいため、ロイヤリティも低くなっているのです。学習塾は10~30%程度と飲食よりも高くなります。基本的に原価がかからないため、売上に対する利益が大きくなるからです。
歩合方式と同じくらいメジャーな方法が「定額方式」です。例えば毎月10万円といったように、売上額に関係なく決められた金額を支払う仕組みです。一見、歩合より支払額が少ないこともあるのでメリットが多く思えるかもしれませんが、何らかの理由で売上が減少した月も同じ金額を払う義務が発生し、長所ばかりではありません。
また、本部の中には「ロイヤリティ ゼロ」を掲げるフランチャイズもあります。しかし、0円としながらもシステム手数料や販売促進費などの名目で、一定の金額を請求してくる本部もあります。この場合、ロイヤリティではないですが、実質毎月支払うお金が発生するので定額方式の仲間に入ります。
毎月かかる固定経費に注意
フランチャイズでなくてもビジネスには経費がつきものです。事業を行う上で絶対に必要ですが、なるべくコストを削減したほうが利益は大きくなります。いろいろな種類の中から、代表的な経費について見ていきましょう。
飲食業のフランチャイズで最も高い経費が人件費と食材費です。経営の大切な指標のひとつとして「FLコスト」があります。
FはFood、LはLaborの頭文字をとったもので食材費と人件費を指します。一般的にFLコストは売上の60%以内に抑えないと利益が出ないと言われ、それぞれ30%に収めるよう努力しているオーナーもいます。展開する業種によって配分は様々で、その中でも立ち食いの飲食店やフードコートでは人件費を低く抑えることができます。
コンビニなどは土地や建物自体オーナーの所有物で家賃がかからないケースもある一方、塾など店舗を構える場合は毎月の賃料が発生します。家賃は立地により大きく変動し、駅前の人通りの多いビルだとグンと高くなる傾向があります。集客は見込めるけど固定経費が高くなりすぎると、売上に見合った利益が出ないことも考えられます。
経費を引いた純売上高からもらうオーナーの給料にも税金や保険料がかかってきます。給料が上がればその分税金もアップするので、手取り額が少なくなります。他にも、消費税や設備の修繕費など想定外の出費がかさむ場合もあります。このように、売上が多いからと言って「儲かった」という状況になりにくいのです。
売上をアップさせる方法とは
フランチャイズ経営は売れやすい分ロイヤリティが加算され、経費が高くなる傾向にあります。数か月店舗を運営すると、自分の給料を増やすための方法は、売上を上げるしかないことに気づきます。販売数を上げ利益を出すには「客数を増やす」「客単価を上げる」この2つの方法しかないと言われます。
お客様の数を増やすには新規顧客を獲得する、リピーターを増やすことが重要です。フランチャイズはある程度の知名度があるため、販促の効果が出やすいのがメリットです。従来のチラシ配布に加えて、スマホやパソコンでの販促を取り入れる企業が増えています。
客単価を上げる方法はまず、商品の値段を上げる、原価を下げる方法が考えられます。他にも、関連商品の購買をすすめるクロスセル、グレードアップした商品をすすめるアップセルという手法が有名です。
多くの場合、本部にはスーパーバイザーと呼ばれる店舗を巡回する指導員がいます。定期的に自分の店に来て、販促や接客法など売上をアップさせる、具体的なアドバイスをしてくれるありがたい存在です。彼らは業界の最新情報をもっていて、お客様の動向や好みなども分析しています。どんなに工夫しても売上が頭打ちになったときは、本部に相談することも可能です。
優良なフランチャイズの選び方
売上を上げて自分の給料もアップさせたいなら、どこに加盟するのかしっかり選ぶ必要があります。
まず大切なのは、経営理念が自分の方針と近いフランチャイズを選択したほうがいいでしょう。会社の軸ともいえる経営理念は、加盟後もそれに基づいて活動することになります。同じ気持ちを共有しているなら、売上が伸び悩んでも協力して状況を打破できる可能性が高くなります。
開業後のサポートの手厚さも重要なポイントとなります。フランチャイズは経験のない人が始めるケースが多いため、開業前の研修の内容だけに注目しがちです。しかし、本当に大切なのは独り立ちした後に起こるトラブルや悩みを解決することなのです。スーパーバイザーの巡回の頻度や赤字になった場合の対応などサポートの充実度も確認しておきましょう。
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