個人営業との違いとは?フランチャイズで美容室を開業するなら知っておきたいポイント

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美容師の年収は30代をピークに、40代から徐々に下がり始めます。美容室に数年勤務したらオーナーとして独立する美容師が多いです。独立して自分のサロンを持つのであれば、成功率が高いのはフランチャイズと提携することです。

この記事でフランチャイズの仕組みとメリット・デメリット、初期費用やフランチャイズ加盟店を募集している美容室や選び方を解説します。

フランチャイズの仕組み

フランチャイズ展開をしている美容室と提携すると、その美容室が持っているブランド力・経営ノウハウ・プロモーション・従業員育成ノウハウを利用できます。その見返りに、加盟店は売り上げの一部をロイヤリティーとしてフランチャイズ元に支払います。フランチャイズ元のことをフランチャイザーと呼び、提携しているサロンのことをフランチャイジーと呼びます。

ロイヤリティーは売上に対して毎月一定のパーセンテージでかかる場合と、売上にかかわらず毎月定額の場合があります。ロイヤリティーが定率の場合のメリットは、売上が低い月にはそれに応じてロイヤリティーも下がるので経営を圧迫しにくいという点が挙げられます。一方で売上が上がればロイヤリティーも上がってしまうため、大きな利益を生み出しにくくなります。

売上に対して利益率が低い場合や固定費が高額な場合は、定率制の方が定額制よりもロイヤリティーの負担が大きくなる可能性があります。 毎月定額の場合は、売上を伸ばせば伸ばした分だけ店舗の利益になるので、モチベーションを維持しやすいという点がメリットです。一方で売上が少ない月にも平等にロイヤリティーが課されるため、額によっては経営を圧迫する可能性があります。

フランチャイズに加盟するメリット・デメリット

一番大きなメリットは、サロン経営に関する専門知識が何もなくても、フランチャイザーから提供されるノウハウがあるので最初から安定した経営を見込める点です。もし完全にオリジナルのサロンとして独立するとなると、こうした経営知識はすべて自分で勉強しなくてはなりません。

次に、開業前にはサロンを開店する土地・物件の調査も必要ですが、フランチャイズ契約をすることで、その調査を代行してくれたり調査会社に支払う代金を負担してくれたりすることも多いので、開業資金の節約になります。

また、プロモーションもフランチャイザーが一括で行なってくれるため、個人開業ではできないような大規模なプロモーションができます。そして最初からある程度の知名度がある状態で開業できるため、個人経営よりも顧客が集まりやすいという点もメリットと言えるでしょう。

フランチャイズ加盟店を対象に研修を行なっている美容室も多いです。流行に影響されやすい職種なので、研修によって他の美容師と切磋琢磨する機会は個人営業の場合よりも増えるでしょう。

デメリットとして考えられるのは、売上によってはロイヤリティーが経営を圧迫しかねないという点です。人件費などは加盟している美容室側の支払いなので、必要経費を売上から差し引いた金額からさらにロイヤリティーを支払うことになります。ロイヤリティーの相場は定率であれば5〜10%、定額であれば10万円ほどです。

次に、フランチャイザーが一定の方針のもとすべての店舗で同じようなプロモーションを行なうため、ブランドイメージが固定されやすく、自分が思い描く通りのサロンにはできない可能性が大きいという点があります。売上が芳しくない時にはフランチャイザーに相談できますが、顧客を増やすために考えたオリジナリティーのあるサービスやプロモーション方法などはなかなか実現させられません。

また、フランチャイズ展開しているサロンと同様のサービス提供を求められるため、自分の店舗ではメリットが少なく負担が大きいサービスやプロモーションでも、フランチャイズ全体で提供しているならば協力しなくてはなりません。サービスに関しては自分の都合よりもフランチャイザーの都合が優先されてしまうため、自由度は低いでしょう。

初期に必要な資金

フランチャイズ契約を締結する場合は、個人営業よりも初期費用は安く済む場合がほとんどです。しかしフランチャイズの加盟には加盟金が必要になるので、こうした加盟金も含めて設備投資、賃料などで2,000万円〜2,500万円ほどの初期費用が必要です。店舗の内装にかかわる資金は変動が大きい項目のため、これより高額になる場合も多いです。

設備投資などには資金援助制度が用意されている場合もあります。

フランチャイズ展開している美容室

大手美容室の「モッズ・ヘア」は、充実した技術研修が特徴です。ロイヤリティは5%です。契約期間は10年で、10年経過前の途中解約には解約金がかかります。直営店を含めても店舗数が多いので高い知名度と安定した技術力が評判の美容室です。

スピーディーなカット提供で売り上げを伸ばしている「イレブンカット」も、フランチャイズ加盟店が多く、ロイヤリティは6%で、契約期間が5年と短めです。低価格帯の美容室ですが顧客層が幅広く、毎年右肩上がりの成長を遂げています。

フランチャイズの選び方

どの美容室とフランチャイズ契約を結ぶかは、複数の説明会への参加やパンフレットの請求などを行なって十分吟味しましょう。説明会では複数の美容室にその場で質問もできるので、開業する際に絶対実現させたいことがある場合には、説明会での情報収集が効率的です。すでに多くのフランチャイズ展開をしている美容室であれば、安定した経営指導力が期待できます。

気をつけたい点は、今後の展望も見据えた上でそれを阻害しない契約内容であるかどうかです。例えば、契約内容によってはフランチャイズ契約をしたら契約終了後も美容室の営業が一定期間制限されるかもしれませんし、同じ土地でしばらく営業できないこともあります。フランチャイズを経て個人開業しようと考えている場合には注意が必要な点です。

契約期間もフランチャイザーによって異なります。 また、自分のイメージと合致した美容室か考えましょう。例えばオーナー兼美容師として活動する場合に、自身は丁寧な施術が持ち味なのに、スピーディーなカットをメインに提供している美容室だったら自分の良さが発揮できません。

最後に、ロイヤリティーの額や、どういったサポート体制があるかチェックし、自分の開業したい美容室を実現できるフランチャイザーと提携しましょう。

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