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全国展開をする飲食店や量販店、コンビニエンスストアなどはすべて直営店で成り立っているわけではありません。そのほとんどがフランチャイズ店で構成されています。しかし一目見ただけでは、直営なのかフランチャイズなのか見分けることはまず出来ません。
ここではフランチャイズの意味と役割、直営店との違いなどをお伝えします。
フランチャイズっていったい何?
フランチャイズの意味は、企業がそこに加盟した人や法人に対して、名称や商標などの使用する権利を与えることを言います。そして権利を与える企業のことを「フランチャイザー」と呼び、加盟した個人又は法人を「フランチャイジー」と呼ぶのです。
加盟する側は権利を使用できる代わりに、フランチャイザーに対して加盟金を支払うことが一般的です。加盟金は1度だけの支払いですが、加盟金の金額が大きい企業もあり、一括払い以外にも分割払いが可能な所もあります。
フランチャイズとは元々、アメリカで誕生したビジネスモデルです。それは遡ること100年以上前の1850年代になります。その後アメリカでは1900年代に、自動車産業をはじめとしたフランチャイズビジネスが定着するようになりました。
そして日本でそのシステムが普及したのは、その約50年後の1950年代に入ってからです。そして現代では飲食業や小売業、コンビニやドラッグストアなど幅広い分野で、フランチャイズビジネスが展開されています。
そしてフランチャイズ店に加盟した人は、店の「オーナー」として仕事を任されることになります。仕事内容は業種により違いますが、主に従業員の育成や品質の管理、商品の品出しなどを含めて、多岐にわたることが多いです。
一度フランチャイズに加盟すると、契約期間が決められていることが多く、その間は店の主として働くことになります。
直営店とは?
一方で直営店とは、フランチャイズ本部が直接に店の土地や設備、建物を用意して開業する店のことです。その店舗で働く従業員は本部直属の社員が担当します。そしてフランチャイズ店では、店主が「オーナー」と呼ばれることに対して、直営店では「店長」である事が多いです。
他にもフランチャイズ店を「フランチャイズチェーン」と呼ぶのに対して、直営店では「レギュラーチェーン」と呼ぶ場合もあります。それ以外の特徴として、直営店では経費や売り上げなどもすべて本社で管理をします。従業員の採用や育成なども本社の社員が行います。
フランチャイズのメリットとデメリットとは?
フランチャイズシステムを利用して開業するメリットは、すでにネームバリューのある店の看板を掲げてスタート出来るという事です。個人経営でスタートする場合には、名前を一躍有名にするためには、血のにじむような努力が必要になる場合があります。しかしフランチャイズを利用すれば、初期から有名なコンビニや小売店の店舗としてスタートさせることが出来ます。
そしてフランチャイズ企業側にもメリットがあります。それはスピード感をもって多店舗展開が出来るということです。フランチャイズシステムを利用すれば、開店する土地を探す手間なども省くことが出来ます。他にも従業員の育成などもフランチャイズオーナーに任せることが出来るので、さらなる時間の節約にもなるのです。
このようにフランチャイズシステムには、加盟する側と企業側の両方に大きなメリットがあるのです。
逆に加盟する側のデメリットとして、売上げや粗利益の一部を毎月企業側に支払わなければならないことがあります。これは「ロイヤリティ」と呼ばれる費用です。ロイヤリティの支払い方式は「定額方式」と「売上歩合方式」、「粗利分配方式」の3つに分かれます。
定額方式は毎月一定の金額を本部企業に上納します。売り上げ歩合方式は、売上げから決まったパーセンテージを支払う仕組みです。粗利分配方式は、売り上げから売上原価を差し引いた粗利、つまり売上総利益から決められた金額を本部に上納する仕組みです。
そして本部側のデメリットとして、フランチャイズ店では、たくさんある店をコントロールする事が難しいという点があります。本部ではその為に「スーパーバイザー」や「エリアマネージャー」と呼ばれる指導員を、フランチャイズ店に定期的に派遣して、売上げアップなどに繋がる適切な指導をしています。
直営店のメリットとデメリット
直営店のメリットは本部直属の社員が店をやり繰りしているために、フランチャイズ店に比べて小回りが効くという事です。
フランチャイズ店のようにスーパーバイザー等を派遣する必要もありません。他にも売り上げのすべてを本部の収益にすることが出来るという点もあります。フランチャイズの場合には、ロイヤリティという形での収入が本部企業に入ります。しかし売り上げや粗利のすべてを徴収するわけにはいきません。
デメリットは直営店だけで全国展開をするには、時間が掛かり難しいという事があります。日本でフランチャイズビジネスを展開している企業では約2割が直営店、残りの約8割がフランチャイズ店であると言われます。この数字から見ても、フランチャイズシステムを利用しなければ、全国展開には長い時間がかかってしまい、ライバル社に後れを取る事にもなりかねません。
フランチャイズと直営店の違いとは?
フランチャイズ店ではそれぞれオーナーが違います。そのために店の規律の厳しさもそれぞれ違うことが多いのです。特に従業員の髪型や服装に厳しいオーナ―もいれば、さほど気にしないオーナーもいます。オーナーとしても、本部から言われた基本的な規則は守らなくてはいけません。しかし細かい規則に関しては、店ごとに違いがあるのがフランチャイズ店の特徴でもあります。
一方で直営店では規則や規律が大変厳しいことが多いです。フランチャイズ店ではラフな服装で働くことが出来たとしても、直営店では厳しく指導されることがあります。そしてフランチャイズ店では、パートやアルバイトはその店の従業員として雇われますが、直営店では本部直属の採用になるので、規則の緩い店はほぼありません。
このようにフランチャイズ店と直営店では、規則の差や働く従業員の所属なども全く違います。もしも働く場合であれば、フランチャイズ店の方が規則もやや緩く、店舗も多いので仕事が見つけやすくやりやすい傾向にあります。もしも働きたい店があれば、直営かフランチャイズのどちらなのか店に聞いてみるのも良いかもしれません。
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