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カフェは老若男女が集う場所です。最近では、単純にコーヒーを飲んで一息つく目的だけではなく、カフェで仕事をするフリーランサーを見かけたり、コワーキングスペースとして利用される事も多くなりました。
今回は、カフェの中でもフランチャイズカフェに焦点を当てて、その概要や、開業に際して必要な資金、また、具体的にどんな企業が加盟店を募集しているかを紹介していきます。
フランチャイズカフェってどんな形態?
フランチャイズ(FC)とは、フランチャイズチェーンとも呼ばれ、企業の運営本部(フランチャイザー)と加盟店(フランチャイジー)が契約を結ぶことで成り立つビジネス形態です。
加盟店側は、商標、ブランド名の使用から始まり、本部側より経営ノウハウの指導や技術サポートを受けることが出来ます。別の言い方をすれば、加盟店は本部から提供された「パッケージ」を利用して店舗運営をし、その対価として「ロイヤリティ」と呼ばれる特許権を本部側に支払う、というビジネスモデルになっています。
フランチャイズの加盟店になることで、その強力なブランド力が後ろ盾となり集客が見込める事に加え、開業資金の面でも、ゼロからのスタートと比べて低コストになりやすく、短時間で開業までこぎ着ける事も可能です。
世界で一番最初にフランチャイズが誕生したのは、アメリカと言われています。日本では1960年代から広がりを見せるのですが、一石を投じた最初の企業は、かの有名な「日本コカ・コーラ社」でした。
現在、日本での代表格といえばコンビニやファーストフード店で、これらがフランチャイズビジネスの成長を底上げしてきたのですが、カフェも「小売業(外食産業含む)」の一つの形態で、売上高の伸び率が著しい分野として注目を集めています。
また、小売業の他にも、最近では時代のニーズに合わせて、トレーニングジムや学習塾、介護ビジネスや清掃業といった「サービス業」でも、フランチャイズ加盟店の展開が積極的に行われています。
他の業種のフランチャイズとどう違うの?
ここでは、フランチャイズとして地位を確立しているコンビニ、カフェ以外の飲食業、そしてサービス業を、フランチャイズカフェと比較してみます。
まずコンビニですが、最も大きな縛りは24時間営業である点です。特に深夜帯の採用は男性のみという傾向があり、従業員が集まりにくいため、オーナー自ら深夜出勤を強いられる場合もあります。
それに対し、フランチャイズカフェで24時間営業の店舗はほとんどない事に加え、本部が加盟店に、立地条件に応じて営業時間を設定させてくれるケースもあります。そうなると自分の働く時間も決めやすくなり、比較的柔軟性の高い勤務体制を組むことが出来ます。
またコンビニ経営では、加盟店申請時に2名の専業者登録を求められる事が多く、家族経営を行う人が大半ですが、カフェの場合は独身の人でも問題なくオーナーになれますし、家族がいる場合でも、例えば配偶者が一般企業で働いていて、家族の理解を得た上で一人で開業という事も可能です。
カフェ以外の飲食業はどうでしょうか。飲食業はカフェに限らず、大手チェーン店であれば、接客から調理まで、基本的に仕事はマニュアルに沿って行われ、お店自体の知名度も高いので、パートやアルバイトの人材確保には困らないでしょう。
また、立地の良い場所に店舗を構えれば、オープン初日から多数の集客が期待できます。これらは両者に共通する事項でしたが、カフェと他の飲食業との大きな違いは、オペレーションが複雑かどうかにあります。
居酒屋やファミリーレストランはメニュー数が豊富なため、接客にしても料理にしても、従業員に覚えてもらうには時間と労力がかかります。しかし、カフェで販売しているのは飲み物や軽食がメインのため、オペレーションが簡単に済みます。したがって、カフェでは採用したばかりのアルバイトでも即戦力になりやすいという利点があります。
最後に、近年めざましく躍進しているフランチャイズのサービス業との違いです。
介護や理美容を例に取ってみると、開業のためには知識やスキルが必要な事が分かります。特に介護ビジネスは、今後も需要が伸びていく業界として知られていますが、たとえフランチャイズであっても、事業として始めるのであれば、介護保険法など国が定めた決まり事の十分な理解と知識が求められます。
全てのサービス業に専門知識が求められるとは限りませんが、この傾向が強いのは否めません。これに対し、カフェ開業のための知識は、事業本部から受ける研修である程度身につきますし、介護など国からの規制が多い業界と比べると、かかる規制は少なめであると言えます。
フランチャイズカフェを始める際はどのくらいの自己出資が必要?
フランチャイズカフェの開業に先立つ資金としては、大きく分けて、加盟料、保証料、開業前研修費、店舗建築費の4種類があります。
加盟料は、毎月継続的に支払う「ロイヤリティ」とは別立てで、加盟店が契約締結時に1回のみ本部に払うものです。本部が培ったビジネスノウハウやブランド名の使用料としての意味合いがあります。金額は一般的には、小型店は100万円前後、大型店舗は300~500万円です。
一部フランチャイズで本部では「加盟料ゼロ」を売りにしていますが、その場合、その他の項目を高い金額に設定している可能性が高いので、契約書にサインする前に詳細に確認する事が大切です。
保証料は、加盟店と本部間での金銭のやり取り(売上代金、ロイヤリティ、経営指導料、商標使用料、仕入れにかかる代金等)に際し、加盟店に債務不履行が生じた際に、該当する金額を差し引くための担保となるお金です。
こういった問題が起きなかった場合、保証金は契約終了後に返還されることが多いです。ロイヤリティや加盟料との兼ね合いで、設定額が各企業でまちまちのため、相場は決まっていません。
開業前研修費は、その名の通り事前研修にかかる費用です。カフェなどの飲食店では2か月間程の研修が用意される事が多く、交通費、宿泊代込みで50万円前後の出費が標準です。
店舗建築費は、店舗を構えるために物理的に必要になる費用の全てです。物件の取得から始まって、内装工事、調理器具やコーヒーメーカーの調達など、最低限必要な金額だけでも、通常は1,000万円以上かかります。しかしこの額も店舗の規模により当然違いますし、フランチャイズ本部も「条件付きで一部出資可能」など各々のルールがありますので、事前にチェックしてみて下さい。
加盟店を募集しているカフェの紹介
・郊外型喫茶店「さかい珈琲」 開業資金は3,000万円〜。東海地区を中心に展開し、少子高齢化の進む将来でも安定した経営を続けるためのノウハウを持つコーヒーチェーン店です。
- ドトールコーヒー
「高品質」と「低価格」を同時に実現し、言わずと知れた業界No.1のコーヒーフランチャイズ。「一杯のおいしいコーヒーを通して、お客様にやすらぎと活力を提供する」 という企業理念と共に行動できるオーナーを募集中です。 - 太郎茶屋鎌倉
通常の3分の2の価格(252万円〜)で開業が可能な和風カフェ。店舗での飲食だけでなく持ち帰り客も多いので、安定した集客が見込めます。自社窯元で作る独創的な食器類も特徴です。 - My Precious cafe葉山珈琲
自由度の高いFC(フランチャイズ)システムが特徴で、オーナーの意向に可能な限り沿う形で、店舗運営のアドバイスをしてもらえます。一流ホテルにも毎年評価される「本物の珈琲」も人気です。
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