目次 [非表示]
フランチャイズにはさまざまな業種が存在します。その中でも気軽さで人気を集めているフランチャイズが「移動販売」です。
そこでこの記事では、移動販売フランチャイズの始め方を解説します。フランチャイズの仕組みやメリット・デメリット、必要な費用、選び方など、大切なポイントが数多くあります。ぜひ、起業するうえでの参考にしてみてください。
移動販売フランチャイズの流れ
移動販売フランチャイズを開業するには、まずフランチャイズ本部との加盟契約の締結が必要です。そのうえで加盟金や研修費用を支払う代わりに、フランチャイズ店の商標の使用や、移動販売に必要な知識や技術の習得をすることができます。
また、本部から開業に関するさまざまなサポートを受けることもできます。移動販売車両の購入や、営業に必要な許可の取得など、開業のための具体的な準備を行い、オープン日に営業を始めます。
なお、開業後は定期的に本部にロイヤリティを支払う必要があります。
移動販売の品目
移動販売にはさまざまな種類があります。最も多いのは軽食メニューです。ホットドッグやバーガーなどのパン類、焼きそばやラーメンなどの麺類、おにぎりや丼などのご飯ものというように、メニューは非常に多彩です。また、クレープやかき氷、アイスクリーム、ワッフル、ドーナツなどスイーツ系や、タコス、ケバブなど珍しい料理もあります。
出店する場所や見込まれる客層などによって売れるメニューは変わるため、移動販売の品目はよく吟味しましょう。
移動販売フランチャイズのメリット・デメリット
事業を行うには、その業種の強みとともに、リスクも押さえておくことが大事です。移動販売フランチャイズにはメリット・デメリットがあります。
例えば、移動販売フランチャイズの大きなメリットの1つに、開業資金が抑えられることが挙げられます。短期間で起業できることがフランチャイズの魅力ですが、開業資金で高額が必要な場合は、自己資金の不足分として金融機関などに融資を申し入れるなど、資金調達を行わなければなりません。融資を受けるためには必要書類の準備や審査など、手間や時間がかかります。
その点、開業資金が安くすむ移動販売フランチャイズであれば、自己資金のみで費用をまかなうことも不可能ではないため、より短期間で開業できます。
移動販売フランチャイズは、低コストで経営できることもメリットです。例えば、店舗をかまえる場合は、毎月店舗の賃料が発生しますが、移動販売フランチャイズは車両が店舗になるため、固定の賃料が発生しません。
また、店舗では、常時何名かのスタッフを雇用することが多く、人件費がかさむ場合もあります。しかし、移動販売フランチャイズは、基本的に1人で調理できるものが多いため、スタッフも1人もしくは多くても2人程度と、少ない人数でお店をまわせます。
このように、さまざまなコストカットが可能であることも、移動販売フランチャイズの強みであると言えます。
また、移動販売フランチャイズの特徴であり、最大のメリットとも言えるのが、出店場所を選ばないということです。
移動販売フランチャイズは、固定の店舗がないため、さまざまな場所に出店することができます。例えば、大型商業施設の駐車場や、イベントスペース、許可があれば道端に出店することも可能です。もし、出店した場所が、集客の少ない場所であっても、より集客が見込める場所に移動すれば良いということになります。特に、イベントでの出店は、来場者数が多いため、大きな売り上げを見込めます。
車両に設備が搭載されているため、厨房機器や設備のレンタルの必要がない移動販売は、イベントの参加に非常に強いことも特徴です。 しかし、固定の店舗がなく、出店場所を都度変えられるのは、移動販売フランチャイズのメリットであるとともに、デメリットにもなりえます。
移動販売の場合、どこにでも好きに出店して良いというわけではありません。出店したい場所があれば、その場所を管理している相手から、しっかり許可を得る必要があります。どんなに人通りが多く、集客が見込めそうな場所であっても、許可がなければ、勝手に出店することはできません。
なお、人気の場所や、人気のイベントは、出店者数が限られている場合もあり、申し込んだからといって、必ずしも許可が得られるわけではありません。気軽に移動できることが、移動販売フランチャイズの強みですが、うまく活かせなければウィークポイントになる可能性もあることを把握しておく必要があるでしょう。
また、固定の店舗がないことは、収入が不安定になることに繋がる可能性もあります。多くの集客が見込める場所に出店すれば、大きな売り上げを上げることもできますが、出店場所を確保できなければ、売り上げは0です。計画的に出店できるような仕組みを考える必要があります。
開業に必要な費用
移動販売フランチャイズに必要な初期費用・経費には、フランチャイズ加盟に関する費用と、開業のための設備などの準備費用があります。
加盟に関する費用としては、フランチャイズへの加盟契約金や、研修費などが挙げられます。移動販売の場合は、加盟契約金が数十万、研修費も数十万ほどが相場です。加盟に関する費用は、店舗型のフランチャイズよりも低めの傾向にあることが特徴です。
設備などの準備費用としては、まず移動販売の店舗となる車両の購入費が必要です。これは、車両内の設備も含めて、100~200万ほどで準備できる場合が多いでしょう。このほか、食品衛生管理者の取得をする費用、営業許可証を取得する費用、開業してからしばらく仕入れなどを行うための運転資金なども必要です。
開業の総額としては、200~300万円ほどが相場です。店舗型のフランチャイズと比較すると、初期費用・経費は安い傾向にあります。
個人経営との異なる点
個人経営とフランチャイズの最も大きな違いは、開業や開業後の事業の運営に関し、外部からのサポートを受けられるか否かという点です。個人経営の場合、フランチャイズ本部に支払う費用などはもちろん発生しませんが、開業に関する準備や、業種に関するノウハウの習得は、全て1から自分で行わなければなりません。
一方、フランチャイズは、加盟金や研修費、ロイヤリティなどを支払う代わりに、開業までの準備や、その業種に関するノウハウの習得などを本部にサポートしてもらえるため、起業や業種の経験・知識などがなくても、短期間で開業できます。
また、フランチャイズのネームバリューを利用しながら営業ができるため、開業当初から一定の売上が見込めます。
フランチャイズ選びで気を付けるポイント
フランチャイズにはさまざまな種類があり、どのような選び方をするかも重要です。
選ぶ際に気をつけたいことの1つは初期費用やお金の動きに関することです。初期費用の総額が、自分で調達できる範囲内の金額であるかどうかは必ず確認しましょう。初期費用が安いにこしたことはありませんが、費用が1つ1つ明確であることも大切です。
また、開業後も定期的に支払いが発生するロイヤリティについても分析が必要です。売り上げが多くても、支払うロイヤリティの金額が高ければ、自分の手元に残る利益は少なくなってしまいます。
また、事業をスムーズに進めていくためには、本部のサポートが不可欠ですが、サポートの内容や手厚さはフランチャイズによりけりです。どのような部分までサポートが受けられるのかは、事前によく確認しておきましょう。
おすすめの関連記事
フランチャイズオーナーが知っておきたい労務関係の基礎知識~社会保険編~