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喫茶店は、お茶やコーヒーを飲みながらゆっくりとくつろげる場所として人気となっています。郊外型店舗の愛用者も増えており、今後の需要拡大も見込まれています。このような状況の中で、フランチャイズ喫茶店の開業を考えている方もいることでしょう。
この記事では、喫茶店をフランチャイズで開業する場合の参考になるよう、フランチャイズ喫茶店に関する事柄をまとめています。
喫茶店フランチャイズの仕組みについて知っておこう
フランチャイズとは、実際にはどのような仕組みで成り立っているものなのでしょうか。フランチャイズで喫茶店を開業するのならば、その仕組みについて知っておくことはとても大事です。
フランチャイズとは、商品や商標、商号やサービス、営業のノウハウなどを1つのパッケージとして加盟店へ提供し、加盟店側はそれに対してロイヤリティを本部へ支払うという事業形態のことを表した言葉です。
喫茶店のフランチャイズ加盟店は、本部から商品の材料や調理機器、接客マニュアルや運営のノウハウなどの提供を受けます。加盟店は、本部の指示に従って店舗を運営しなければならず、契約に則って、毎月ロイヤリティを本部へ支払うという義務を負います。
フランチャイズに加盟するメリットとデメリットとは
フランチャイズという事業形態は、いろいろな業界で取り入れられています。特にサービス分野では、新しいフランチャイズが毎年のように誕生しています。なぜフランチャイズがこれほど広まっているのかというと、フランチャイズには様々なメリットがあるからです。
喫茶店のフランチャイズも同様で、個人で開業するよりもフランチャイズに加盟した方が、メリットとなる部分が多いのです。とはいえフランチャイズには、メリットだけではなくデメリットも存在することを覚えておかなければなりません。
フランチャイズに加盟するメリットとしてはまず、喫茶店経営の経験が無くても開業できるという点が挙げられます。
本部から喫茶店経営の細かなノウハウを指導してもらえるので、全くの素人でも開業することができます。また、ドリンクやフードの材料や、販売する商品を安く仕入れることができますし、広告展開も本部が一括で行ってくれます。確立されたブランド力があるため、集客もある程度見込まれます。
このように、店舗運営以外のほとんど全てを本部に任せられるのが、フランチャイズに加盟するメリットだと言えるのです。
フランチャイズのデメリットとして最初に挙げられるのが、ロイヤリティの支払いです。ロイヤリティは、たとえ売り上げが伸びずに赤字になっても、毎月支払わなければなりません。
また、店舗独自のメニューやサービスを展開することができません。あくまで本部の方針に従わなければならないのです。自分の思い通りの店舗運営ができないのが、フランチャイズのデメリットの1つとなっています。
フランチャイズ喫茶店の開業に必要な初期費用と経費
喫茶店のフランチャイズには様々な形態があり、開業に必要な初期費用や経費にも違いがあります。
比較的小さな店舗の場合には、開業資金500万円ほどで始められますが、郊外型店舗では3,000万円から6,000万円と、多額の開業資金が必要となるのです。バンタイプの自動車を利用した移動店舗では、自動車以外の費用はそれほどかかりません。カフェによってはエスプレッソマシンなどの、高額な機器を設置しなければならないこともあります。
このように開業費用には大きな幅があるので、用意できる資金の額と相談をして、無理のない開業をすることが大事になってきます。
フランチャイズ喫茶店と個人経営との違いとは
フランチャイズに加盟して喫茶店を開業する場合は、人材確保以外のことをほとんど全てフランチャイズ本部に頼ることができます。仕入れルートも確立されているので、原材料の手配で悩むこともありません。このように本部の指示に従って開業、営業をしていけばよいので、全くの素人でも喫茶店を運営できるのです。
ところがその反面、自分のしたいような店舗運営を行うことはできません。地元密着で特別なメニューを出したくても、本部が認めてはくれないのです。
個人経営の場合は、原材料の仕入れから宣伝まで、全て自分で行う必要があります。フランチャイズのようなブランド力も無いので、地道に集客をしていかなければなりませんし、廃業のリスクも高くなります。しかし、個人経営には自由な店舗運営ができるという長所があります。他には無いメニューや、地元の特産品を活かした料理をふるまうことも可能です。
独立心が旺盛な人には、個人経営の方が向いている可能性があります。
代表的な喫茶店フランチャイズ5選
代表的な喫茶店のフランチャイズとしては、まず「さかい珈琲」を挙げることができます。さかい珈琲は、モーニングにこだわりを持つカフェとして知られています。利用客の年齢層が幅広く、落ち着いた雰囲気のあるカフェだということで、リピーターも多いフランチャイズ喫茶店です。加盟金は300万円で、ロイヤリティは売り上げの3%となっています。
「ドナテロウズ」は、ジェラートやクレープを販売するフランチャイズで、店内にカフェを併設することもできます。2004年にフランチャイズが開始された、今後の発展を期待されている日本発のフランチャイズでもあります。加盟金は150万円で、ロイヤリティは売り上げの5%です。
「なごみナチュルア」は、オーガニックな原材料にこだわったカフェとして人気となっているフランチャイズ喫茶店です。ティーコンシェルジュ3級以上の資格を取得したスタッフがいる、ユニークなカフェとしても他と一線を画しています。加盟金は100万円で、ロイヤリティは3万円に固定されています。
「太郎茶屋鎌倉」は、「鎌倉わらびもち」などを提供している和風のカフェです。他の喫茶店との差別化がなされているので、競合店が少ないという特徴もあります。加盟金は180万円で、ロイヤリティは10万円です。
「ブリジェラ」は、2016年に設立された比較的新しいフランチャイズです。冷たいジェラートをパン生地のブリオッシュで挟んだ「ブリオッシュ・コン・ジェラート」が話題となっています。自己資金は600万円以上必要で、ロイヤリティは売り上げの5%です。
喫茶店フランチャイズを選ぶ時にはこの点に注意
フランチャイズに加盟をして喫茶店を開業するのならば、次のような点に注意をしてフランチャイズを選ぶ必要があります。
まず、開業資金がどれくらいかかるのか、ロイヤリティはどうなっているのか、資料を請求して比較することが大事です。個人経営と比較すると、フランチャイズ喫茶店の廃業のリスクは低めですが、無理な開業は避けなければなりません。
また、開業する地域の競合他社についても注意を払い、期待する集客が見込まれるかどうか、検討する必要があります。短期勝負ではなく、長い目で見て判断をするのが大事なのです。
喫茶店の運営は今後の伸びも期待されている業種なので、しっかりと現状を認識したうえで、需要の高そうなフランチャイズを選ぶのが賢明です。
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