事業承継に成功した事例集と事業承継成功のポイントを紹介

後継者不足などの問題から、事業承継を検討する経営者は増えています。そんな中、事業承継を考えているけれど上手くいくか不安だという方も少なくありません。

そこで今回は、事業承継を成功させるポイントや事業承継に成功した事例集を紹介します。また、事業承継に成功した経営者たちに共通するポイントなどもまとめています。

事業承継の成功事例集を参考にする

事業承継には成功した事例が多くありますが、失敗やトラブルが起きたという事例も存在します。例えば、会社の更なる発展を願ってほかの人に事業承継をしたものの、人選を誤り事業が上手くいかなくなったなどです。

こうした失敗の事例から同じミスをしないよう心がけることも大切ですが、成功した人たちがどのようにして事業承継したのかを知ることも大切なポイントです。事業承継が成功した事例集を参考にして成功の秘訣を学ぶことで、失敗しない事業承継の実現が期待できます。

事業承継成功のポイント

事業継承を成功させるうえで決めておかなければならないのは、引退の時期や事業承継の方法などです。子や近い親族に事業承継をする場合、引退するまでに業務の引き継ぎや教育をする必要があります。引退までのプランを決め計画的に教育することによって、引退したあとも引き継いだ人が事業を継続していけるようにしておくことが大切です。

また、身近な人に後継者候補がいない場合、M&Aを活用した事業承継が行われることもあります。そういった場合も、引退の時期を早めに決めておくことが重要となります。M&Aを取りまとめるためには一定の時間が必要で、場合によっては数年かかってしまうこともあるからです。

後継者の能力や資質、M&Aの場合は事業を引き継ぐ会社を見極めておくことも事業承継成功のポイントです。

後継者の能力を見極めるには、経営者としての覚悟があるかやその人の経営能力などを確かめておく必要があります。さまざまな面から能力を見極めることも大切ですが、一番大切なのは覚悟があるかどうかだといわれています。能力で未熟な部分があってもそれを補う人材を確保すれば解決できますが、覚悟がなければ事業を継続させることは難しいからです。

M&Aの場合も自社に合った事業継承先を慎重に見極めることが重要です。安易に決めてしまうと、引き継いだあと会社の経営方針が大きく変わってしまうなど、希望とは全く違う方向に会社が傾くこともあります。最適な売却先を見つけるために、実績が豊富で信頼できる仲介業者を見つけるのもポイントの1つです。

事業承継の成功事例5選

先を見据えた社内承継老舗の特殊化学薬品メーカーの社長は事業承継を考えており、後継者候補には専務である弟がいました。周囲の人は弟が後継者になると考えていましたが、社長は弟が適任ではないと考え、先を見据え社員のなかから候補者を選ぶことにします。

社内承継の際に問題となるのが、株式の持ち分や銀行借入の個人保証などです。社長は早いうちから問題に対処し、時間をかけて株式と銀行借り入れの問題を解決します。結果、無事社員のなかから新社長が選ばれ、新社長はその後も順調に事業を継続させています。

早期にプランを設計し事業承継長年ある地方で事業を行ってきたゼネコン会社は、事業承継問題だけではなく経営状況にも問題を抱えていました。

そこで、事業承継と事業再生を両方成功させるべく後継者を社員のなかから選び、9年もの歳月をかけ教育することを決めます。長い時間をかけたため現場の仕事から営業、人事や会計に至るまで後継者候補の社員は十分な経営のノウハウを学ぶことができました。そうして身につけた能力と周囲の協力などによって、事業承継と事業再生を無事成功させています。

後継者問題をM&Aで円満解決長年製造卸業を営む会社の三代目社長には息子が3人いましたが、後継者候補であった長男に不幸が起こります。次男と三男はほかの仕事を持ち、それぞれがその分野での成功を目指していました。息子たちに事業承継で夢を捨ててほしくないと考えた社長は、M&Aによる事業承継を決意します。

社長はM&A仲介業者や銀行を頼り、自分の思いを伝え時間をかけて最適な売却先を探しました。その結果近い業種の売却先を見つけ、M&A後も環境が大きく変わらないよう会長として元の体制のまま事業を継続させています。

一族経営から退いて事業承継創業してから半世紀近く、安定した経営を続けてきた会社では後継者問題に頭を抱えていました。創業者の息子である2代目社長には子供がおらず、親族にも後継者に適した人物がいなかったのです。

そこで社長は、経営陣による買収を意味するMBOと従業員による買収のEBOを検討します。どちらも実現するには株式の譲渡が問題となりましたが、増資などをして慎重に策をねって解決しました。従業員のなかから後継者も選ばれ、創業家が退いたあとも安定した経営状態を維持しています。

M&A活用で第二の人生へある部品メーカーの社長は、経営こそ順調だったものの後継者問題に悩んでいました。社長には子供が2人いましたが2人とも会社経営に関心がなく、それぞれの道を歩いていたからです。親族にも候補者がいなかったため、社長はまず株式上場を検討します。

会社は順調に上場の準備を進めていましたが、そんななか社長の病気によって上場は遠のいてしまうことになります。そこで社長はM&Aを決断し、大手企業へ会社を売却したのち会長として残る道を選択しました。それから事業は以前よりも好調になり、経営の実務から離れた前社長は社会貢献の分野で新たな活動をしています。

事業承継に成功した経営者の共通点

事業承継に成功した事例集のなかで多くの経営者に共通しているポイントが、早期に計画を立て時間をかけて実行しているところです。親族や社員への事業承継、M&Aによる事業承継など、いずれも成功させるためには時間をかけて行動する必要があります。

身内への事業承継の際には、株式の持ち分や銀行借入の個人保証問題がつきものです。十分な時間がなければ、これらの問題を円満に解決することも難しいでしょう。時間をとることで後継者への十分な教育ができるほか、自分の思いを理解してくれる売却先なども見つけやすくなります。

また、引退後のプランを決めていることも成功した事例で多い共通点の1つです。途中のプランだけではなく、事業承継後に会長として会社に残るか完全に退くかなど、今後の人生プランも決めておくことが大切です。

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